Gohyaガンコ戦略研究所 ~Transition from Hard-line to Pliant Wisdom~

2010年秋、日本を衰退から救う道を考える事を目的に開設

トランプ内閣人事と政策

2016年12月13日 12時07分36秒 | 安全保障
 トランプ次期大統領の閣僚人事が次第に明らかになりつつある。
未だ、国務長官が決まっていないが、それ以外はほぼ固まってきた。
外交を占う上では、国務長官が決まらないと何と言えないが、他の役職に指名された顔ぶれや、
最近のドナルド次期大統領の発言から少しは推測できる。

例えば、12月8日、駐中国大使に、トランプ次期米大統領が
親中国派のテリー・ブランスタド・アイオワ州知事
を指名した。
    出典>Newsweek Japan、http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/12/post-6512.php


 これは、中国に対して融和的な外交を取る証拠とも見えるが、先の台湾総統からの電話に出た事と、
11日放送のFOXテレビの番組で、米国が台湾を中国の一部とみなす「一つの中国」という従来の政策を
維持していくかは、中国の対応次第だとの考えを表明した事と合わせて考えると、親中国派の大使の任命は
習近平国家主席の宥め役と見るべきだろう。
ここでのキーワードである「中国の対応次第」とは、貿易や為替相場に関して、アメリカの主張や要望に
どこまで沿うかで、「一つの中国」政策を変更するかどうかが決まる、という意味であろう。

 つまり、外交や安全保障問題を貿易や資本の損得に関連させて考えていく、というのがトランプ流である。
何であれ、『お金に換算して判断する』というのだ。
安全保障問題をお金に換算するのは従来の概念に無い、まったく型破りの発想である。
そこから、どんな結果が生み出されるか、誰にも予想出来ないであろう。

 台湾はアメリカの軍需産業の良いお客であり、中国との関係はそれとの比較で計られるもので、必ずしも、
台湾びいきではないから、台湾は喜んでばかりはおれないだろう。
中国からの輸入品の関税を45%にするという政策や元管理の廃止などと南シナ海での軍事的膨張の中止を中国
が受け入れるかどうか?
いずれも、中国にとってはかなり難しい事なので、実現の可能性は低いが、仮にそうなれば、台湾は見捨てられ、
アメリカは「一つの中国」政策に戻るだろう。

 また、トランプ次期大統領はロシアびいきで、NATOその他の駐留の為の軍事費の削減を示唆しているので、
EUなどの西欧諸国とともに、日韓も、その安全保障は重大な岐路に立たされるだろう。

 アラブ過激派のISに対しては、ロシアと協力して、場合によっては、戦術核兵器を使ってでも、その撃滅を
目指すと言ってきているので、中東情勢は激変し、世界は核戦争の危機に瀕するかも知れない。
戦術核核兵器といえども、一旦その効果の味を占めれば、ちょっとしたきっかけで【戦略核兵器】の使用への道
を開きかねないからだ。
恐らく、シリア国内の反政府派は殲滅されるであろう。
世界の人類が絶滅する事の無い様に願いたい。

 環境庁(EPA)長官に、オクラホマ州の検事総長米環境保護局(EPA)長官にオクラホマ州のスコット・
プリュット司法長官を指名する方針だ。
プリュット氏は気候変動の経済原因説に懐疑的で、オバマ大統領の環境政策の大部分が破棄されると想像される。
シェールオイルの採掘は重大な環境破壊を起こしている可能性があるのに、その規制を大幅になくす方向に進む
と想像される。何事もお金優先で、環境は大きく破壊される事が容易に想像される。
 当然ながら、民主党は大反対である。
   出典>ロイター、http://jp.reuters.com/article/usa-trump-epa-idJPKBN13W2MX
      World | 2016年 12月 8日 09:47 JST
      トランプ氏、EPA長官にオクラホマ州司法長官指名へ=関係筋



 このように、トランプ氏の人事から選挙戦中の発言のどれが真意で、どれが選挙戦術上の発言かが、
次第に明らかになりつつある。すべては交渉で変わると言うが、変わらない物と変わる物とがあるのだ。

 選挙期間中の過激な発言は、政権運営においては、もっと現実的なものに変わるのではないか?!
という楽観論は打ち砕かれる公算が高い。

 安倍首相が期待した『TPPの締結』はありえないし、アベノミクスの重要な柱が消えた。
TPPの行方は不透明”とマスコミは言うが、“不透明”でなく、それは【無い】とハッキリ見えている。
それが、特急審議で「IR法案」の成立を目指す動機である。『代わりの柱』が欲しいからだ。

 トランプ氏の思想の核心は『お金に換算して判断する』という事だ。
そこには、従来の国家戦略も安全保障も環境保護も関係ない。
目先のお金が手に入ればそれで良い。


 一体どんな世界になるのか?!
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