Gohyaガンコ戦略研究所 ~Transition from Hard-line to Pliant Wisdom~

2010年秋、日本を衰退から救う道を考える事を目的に開設

情報機関とサイバー部隊の創設が急務

2017年05月19日 10時04分25秒 | 安全保障
 数日前に、イギリスの病院がハッカー攻撃されてシステムダウンした、という報道があったが、
実は世界中で、同様の事件が起こっていた事が分かってきた。中国やロシアも、日本でも。
ファイルを破壊して、それらを復元したければ、お金を払えという「ランサム・ウエア」による攻撃だ。

 そもそも、マイクロソフトのOSの不備を突いたものなので、マイクロソフトから送られてくるパッチを
きちんと当てていれば、被害を受けない筈のものだ。
パソコンを設置した時に、マイクロソフトへ登録するので、パッチは自動的に送られてくる。
あとは、毎日ちゃんと電源を切り(シャットダウン)、毎日立ち上げ(その間にパッチがインストールされる)、
そして、ウイルス対策ソフトがインストールされ、何時も最新の状態になっていたら、大丈夫の筈だ。
さらに、怪しげなメールは開かないという用心があれば、システムダウンには至らない筈なのに、
どうしてこうも沢山の被害がでるのか?!
 当然やるべきウイルス対策も注意も、何もしてないからだ、と言う結論になる。
 使い方が良い加減だと、ハッカー攻撃に対して脆弱になるという事である。


 ところで、一体誰が犯人なのか?
北朝鮮が今回の大規模ハッカーの犯人ではないかというニュースが流れている。
数日前に、北朝鮮がハッカー攻撃で途上国の銀行から、数十億円を盗み取ったというニュースがあった。
ロシア、中国なども強力なハッカー集団を抱えていると言われている。
これまでは他国の銀行や企業のシステムダウン、選挙情報の盗み取りなどだったが、北朝鮮のハッカー集団が
銀行のお金を盗むという大掛かりな窃盗行為をするようになっているのは大変危険な兆候だ。


 他方、北朝鮮は先日のミサイル実験で、大気圏を遥かに抜ける2000Kmの上空までミサイルを打ち上げた。
北朝鮮のミサイル技術が大きく進歩しており、アメリカへ届くICBMの完成が数年後に見えて来た。

 韓国や日本は昔から、北朝鮮のミサイルの射程内にあり、北朝鮮の脅威にさらされているが、アメリカの核の
傘があるので、いくら北朝鮮が馬鹿をやるとしても、韓国や日本へのミサイル攻撃はしないだろう、
という想定で、韓国人も日本人もあまり心配はしていない。
しかし、アメリカ本土に届くICBMを持てば、北朝鮮は今以上に強気になるだろう。
正に「キチガイに刃物」状態になるので、何をするか分からない。北東アジアだけでなく、世界が危険になる。
持っているだけで、打たなくても、脅威になり、その脅威を背景に外交的な圧力を掛け、北朝鮮に有利な話し
合いをする、という筋書きもありうるだろう。

 こういう北朝鮮の動きをみると、今後の戦争が核・ミサイルとサイバー空間の戦争になるという、世界の常識
をしっかり踏まえている事が分かる。

 それに対して、平和ボケの日本では、未来の戦争の予想が描けておらず、イージス艦とPAC-3とでミサイル
防衛をすれば事足りる、としてきた。これらのミサイル防衛システムはある限定された条件においてのみ、
迎撃能力を発揮するが、潜水艦から発射されるミサイル(SLBM)や高高度からの超高速で落下してくる
ミサイルの迎撃は、実際上は、不可能に近い。

 しかし、北朝鮮のミサイル技術の急速な進歩を受けて、さすがに現状のままでは危ないという事で、
小野寺五典元防衛相は5月2日、ワシントンでの日米同盟に関するシンポジウムで、
「ミサイル基地に対して反撃する能力の保有を日本として検討すべきだ」
と敵基地攻撃能力の保有を検討すべきだ、との考えを示したそうだ。
  出典>朝日新聞デジタル、2017年5月3日23時51分、
     http://www.asahi.com/articles/ASK534KC3K53UHBI017.html
     小野寺元防衛相「敵基地攻撃能力、検討を」


 先日テレビで、この件に関して、小野寺氏は
「空を飛んで来るミサイル迎撃とそのミサイルが発射された敵基地にあるミサイル攻撃は法的には同じ」
と言っていたが、これは詭弁で、自国の領空や領海・領土へ向かうミサイルの迎撃と他国の領空や領海内にある
ミサイルへの攻撃とははっきりと区別すべきであり、彼の論理は受け入れ難い。
こういう議論は直ちに憲法論議となり、彼の提案の具体的な進展は難しいだろう。

 それよりも、未来の戦争のイメージを描いて、ミサイル防衛とサイバー防衛とを統合し強化すべきであろう。

 しかし、実はそれよりももっと深刻なのは、日本にはCIAもNSAもないという事実だ。
中央情報局(CIA)は、アメリカ軍からは独立していて、国家安全保障会議の直轄の情報機関である。
NSAは国防省傘下のアメリカ国家安全保障局National Security Agencyである。

日本の場合は内閣情報調査室(内調)がそれに当たるが、規模や能力に雲泥の差がある。
日本はまずCIAを創設し、世界の戦略的情報収集に力を入れるべきだ。何時までも、アメリカ頼みでは駄目だ。

 そして、そこに、強力なサイバーチームを置き、北朝鮮のサイバー攻撃への防衛から始めて、相手のサイトの
無力化攻撃に取り組ませるべきである。
 敵のミサイル基地攻撃については憲法論議が起きても、敵サイトのサイバー攻撃は憲法に想定されていない
事態であるので、違反とは一概に決め付けられない。すなわち、実行可能、かつ、有効な防衛手段なのだ。

こういう未来をしっかりイメージした構想の下に、日本の安全保障を論じるべきで、十分なミサイル防衛網
も情報網もない状態で、いきなり「敵基地攻撃能力を持つ」と言う議論をするのは乱暴すぎる。

 とにかく、北朝鮮のランサムウエアの被害状況だけ論じていては駄目だ。
こういう事件から、北朝鮮が何を企んでいるかを見抜き、将来に備える基礎的な組織の整備をすべきだ。
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