Gohyaガンコ戦略研究所 ~Transition from Hard-line to Pliant Wisdom~

2010年秋、日本を衰退から救う道を考える事を目的に開設

北朝鮮暴走の行方!

2017年08月10日 13時14分54秒 | 安全保障
 ロイター通信によれば、中国外務省は9日、米国と北朝鮮が互いに威嚇していることについて、
「各国は状況を悪化させる言行を慎み、対話を通じた解決に努力しなければいけない」として、
双方に自制を呼び掛けたそうだ。
北朝鮮に対する国連決議の制裁を適当にやって、北の暴走を許してきた国が「よく言うよ!」と反発したくも
なるが、米朝のつばぜり合いはかなり危険な様相を呈している。


 このところの北朝鮮のミサイル発射実験に関し、国連安全保障委員会では中露も賛成して、これまでにない
厳しい制裁案が決まった。とはいえ、何だ! まだこんな程度か?! と思わせるものもあり、これまでは真剣さ
不足だった事は否めないが、それでも決まった事をしっかりやって締め上げるしか方策はない。

 トランプ大統領が8日、記者団に対し、
「北朝鮮はこれ以上アメリカに対して脅しを見せるべきではない。
さもなくば北朝鮮は世界がかつて見たことのないような炎と激しい怒り(fire and fury)に直面
することになるだろう」と述べたそうだ。

 対する北朝鮮は、朝鮮中央通信が9日伝えたところによれば、北朝鮮の朝鮮人民軍戦略軍が8日付で報道官
声明を発表し、中距離弾道ミサイル「火星12」で
「北太平洋の米領グアム周辺を、包囲射撃する作戦計画を慎重に検討している」と威嚇した。
米軍がグアムの基地を拠点とする戦略爆撃機を朝鮮半島周辺に展開させている事を非難する中で述べたそうだ。


 中国が双方に自制を呼びかけても、アメリカのあの暴走型の大統領が自制する可能性は低い。
そして、北朝鮮の独裁者もまたそれに輪を掛けた暴走型の委員長だ。

キム・ジョンウンはトランプ大統領の性格や今置かれている政治状況をしっかり認識しているのだろうか?!

トランプ大統領は就任以来半年が過ぎたが、選挙公約がほとんど実現できていないし、また、出来る見込も
なくなりつある。
オバマケアを廃案にする代替法案は三回も否決された。
国境税は全米小売業者が大反対して事実上潰れた。
そこで削る政府予算や増える税収を減税やインフラ投資に回す予定だったが、それが不可能になりつつある。

 選挙公約の内でなし遂げたのは「TPPからの離脱」だけと一部実現している「移民の入国制限」だけだ。
ロシア疑惑の捜査の手は息子及びトランプ氏の事業全体に迫っている。
トランプ大統領は進退窮まりつつある。
残された道は対外強硬策だけだ。
もともと過激な発想の持ち主で、しかも、こういう厳しい状態に追い詰められた人を刺激してはいけないのが
常識だが、キム・ジョンウンにはそういう常識はないのかな?!

 非常に危険な状況だ。お互いに自分は冷静であり、言葉の上だけの闘いをしているつもりでも、何かの弾みで、
軍同士の衝突が起こると、それが導火線になって、大きな闘いになる、という経緯は歴史上に何度もあった。

 もともと、東アジアには「ツキジデスの罠」がある。
紀元前5世紀、新興のアテネと、それに対抗する既存勢力のスパルタとの間にぺロポネソス戦争が起きた事を
記述した歴史家のトゥキディデスは「新興の大国は必ず既存の大国へ挑戦し、既存の大国がそれに応じた結果、
戦争がしばしば起こって来た事」を指摘した。
「ツキジデスの罠」と言う言葉はアメリカの政治学者が名づけたものだそうだが、今の世界情勢に当てはめれば、
新興の中国と第二次大戦以来の覇権国である米国との争いに対応する。

 米朝の争いは「ツキジデスの罠」である米中の争いへと発展する可能性がある。非常に危険な状況だ。

 もしも、北朝鮮がグアム島周辺へのミサイル発射をすれば、アメリカはいくつかのシナリオの中から、
中国の了解が得られて、アメリカへの被害の少ないシナリオを選んで行動に移すだろう。
それは、「委員長の首のすげ替え」で、「ジョンナムの子供への政権移行」である可能性が高い。

 中国がそれを容認するには「目的達成後の在韓米軍の撤退」が不可欠で、それはアメリカの韓国離れ、つまり、
韓国への中国の影響増大を引き起こし、中国と日本の間の「緩衝地帯の消滅」への道が始まった、と見るべき
だろう。日本はそれ相当の覚悟を持って臨まねばならない厳しい状況に直面するだろう。
  参照>日経ビジネス、鈴置 高史(日本経済新聞社編集委員) 
     http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/226331/080800118/?P=1
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