真南風ふけば~♪

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生贄の島

2007-07-02 | 沖縄の本
沖縄女生徒の記録

著:曽野綾子  文春文庫

なんともショッキングなタイトルで、買おうかどうか数ヶ月迷いました。買ってからも、また数ヶ月本棚に置いたままで、なかなか手が付けられませんでした。

沖縄戦を書いた物を読むと、息が苦しくなって手に力が入らなくなり、精神的にも落ち込み、元気が回復するまで時間がかかってしまいます。気力体力共に充実している時に読まないと、落ち込んだまま、再起不能になってしまいそうです。

私の友人で「沖縄戦ものは絶対に読まない。戦跡にも近寄らない。」という人がいます。これは、決して沖縄戦を軽視しているのではなく、自分自身を見失ってしまいそうなほど、辛すぎるからなのです。

当時、沖縄本島の高等学校には、本島各地はもとより、周辺の離島や八重山諸島からも生徒が来て寮に生活していました。米軍の上陸が始まる前、「生徒を親元へ帰しましょう」という若い教師に対して、校長や年配の先生は「学校を守る人がいなくなる」という理由で、学校に留めました。家に帰りたかった生徒も、「帰る者には卒業証書を渡さない」という校長の言葉でとどまったそうです。

既にこの後の結末を知っている私達は、「卒業証書なんて、どうでもいいじゃない。命のほうが大切よ。」と思いますよね。だけど、日本は必ず勝つと言い聞かされていたこの時、私はそう考えることが出来ただろうか。もしかしたら、帰りたいという同級生に対して「なに言ってるの。一緒にお国を守りましょう!」などと言わなかっただろうか。

そう考えてくると、また更に今この時代の日常生活でも、自分の間違った思い込みから、同じような罪を犯していないか。と深い底なし沼に落ち込んでしまうのです。



この幸せな夕暮れ時が、いつまでも続くことを祈ります。




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2 コメント

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生贄の島 (かじまやぁ)
2007-07-03 20:46:17
この本、私の実家にもあります。が、まだ読めません。母が残してくれた、「捕虜になるまで。」は最近どうにか読めましたが・・・。
gangazeさんのように、沖縄の愁いを自分の事の様にちむぐるしく、感じてくれるだけでも、うちなぁんちゅは、うれしく心強く思います。
それにしても最近のG民党は・・・。
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かじまやぁさんへ (gangaze)
2007-07-04 16:43:52
私が子供の頃、池袋の西武デパート前や渋谷のハチ公周辺に“傷痍軍人”(足や手がなくて、軍服を着ている)という人が座って、軍歌のような曲を流してお金をもらっていました。昭和50年くらいまでだったでしょうか。今では考えられないですね。

戦争を実体験した人は、段々少なくなっていきます。
それでも、戦争の愚劣さを忘れてしまってはいけませんね。二度と繰り返さないために。
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