箔屋町だより

-ギャラリーこちゅうきょオフィシャルブログ-

ブースを作る-1

2017年02月14日 | ブログ

先週末から、壺中居お向かいの髙島屋様B1は、ショコラを物色される老若男女で活況を呈しています。今日が本番といえますが、終日賑やかなことでしょう。

左党の私儀も、甘いもの、とりわけショコラは大好物です。10年ほど以前、家内と渡航した仏国はスペインの国境に近いバイヨンヌ Bayonne、大西洋に面し、ピレネー北麓に位置する、フレンチ・バスクの主都であるこの町に数泊しました。

当地の名物がジャンボン jambom=生ハムとショコラなので、滞在中はお腹が許す限り楽しみました。名物の名に恥じぬ、実に美味しいものでした。旧市街の一角に、ショコラ・ストリートともいうべきエリアがあります。老舗からヌーベル系の店舗まで、町の規模からいえば随分沢山なショコラ屋さんがひしめいて、中々の奇観です。いずれのお店も個性豊かで、質量共にハズレは無いかとみました。ショコラをはじめ、フランスのお菓子文化の少なからぬファクターが、ポルトガル~スペイン~バスク~ピレネー山脈経由で伝播されたのであろうと、想像を逞しくするものです。

さて、3月17日(金)-19日(日)に開催されるアートフェア東京(AFT)2017への出展にあたり、目下、諸準備をコツコツとこなしております。

弊社では、川瀬忍先生の新作を精選して特集展示を行うものですが、図録、DM、HPの製作に先駆けて、昨年の初冬から、我々に宛がわれたブースの平面図をもとに、展観スペースのデザインに取りかかりました。

私がこの種のアートフェアの現場監督を特命された嚆矢が、1999年の10月に参加した、「第1回東美アートフェア」でのブースでした。18年前に遡ります。約1.5坪の狭小空間であること、制約が少なくなかったことで、逆に好刺激を受けまして、足りない知恵を絞って、自ら図面を引いたことを、昨日の如く思い起こします。当時、五十分の一スケールの模型を自ら用意して、周囲を驚かせたことも楽しい想い出です。また、高気密ウレタン板を素材にし、展覧会タイトルをデザインして、電熱カッターで刳り抜き、アクリル製の特大クリア・ボードに貼付しました。

会期中、この「手作り看板」には、他のご参加店舗の各位様から、相当の関心を寄せられました。爾後、我が業界では、この種の「立体型文字看板」は、日を追って当たり前となりましたが、当時は随分と珍しがられたものです。

今回のAFTでのブースには、永年知遇を賜る、建築家Nさんにご相談をし、主役の川瀬先生とも緊密に打ち合わせを重ねました。

同先生の思い描かれる基本プランをもとに、Nさんには5種の平面図とパースを作っていただきました。3人して、それらを更に検討を加えた改良案2種を作り、最終的に「完成版」にたどり着きました。この間のNさんのご尽力振りは目覚ましい限りで、普段は気の置かぬ仲と自認するのですが、改めてNさんのプロフェッショナル振りと御誠意を目の当たりにして、すっかり脱帽いたしました。

実は、昨年のAFT2016での弊社ブース、「松島巌 -コアガラスの世界-」展の設計を、はじめてNさんに依頼し、多方面から好評を賜りました。昨年に引き続き、Nさんとツープラトーンで仕事をすることになります。前回の現場での反省点を踏まえて、改良点も少なからず見出しました。

先日、AFT指定の施工業者に図面一式を手交しました。

来る会期には、川瀬先生の新作のコンセプトに応える好空間が出来上がることと期待しております。

短い日程で、御観覧は有料(¥2,800.)となりますが、ぜひ、お繰り合わせのうえ、ご来場いただき、ご感想をお聞かせ頂ければ、何より幸甚でございます。(by kiyo)

 

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