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オリバー・ストーン『スノーデン』を観る

2017年01月30日 | 映画

 
 NSA(米国国家安全保障局)職員、エドワード・スノーデンが米国最大の機密を暴露したのは、彼が29歳の時だった。
 2013年6月、イギリスの『ガーディアン』紙が報じたスクープは、アメリカ政府が秘密裏に構築した国際的な監視プログラムの存在だった。
 「誰を監視しているのか」
 「世界中全ての人間だ」
 
 これはまさに、ジョージ・オウエルが描いた『1984年』に匹敵するが、誰もが監視されていることに気づかないだけ、いっそう悪質である。
 携帯電話の会話は、100パーセント傍受されている。室内での会話はどこからどんな方法によって盗聴されているかわからない。いたる所に設置された監視カメラ以外にも、衛星画像やドローンなどで、必要とあればいつでも盗撮が出来る。
 アメリカの情報収集プログラムは、テロリストだけでなく、民間企業や個人にも及び、日本を含む同盟国まで対象になっていた。
 それだけではない、世界中全てのインフラを、遠隔操作で自由にコントロールできる。
 「日米同盟が破綻したら、日本は消滅するだろう」
 電気、ガス、水道、それに警察や消防、果ては病院の機能まで全て停止させることができるという。
 これはスパイ映画の話ではない、実際にアメリカが行っていたことなのだ。

 この映画の前に上映された予告編で、電気が全て停止してしまう「サバイバル・ファミリー」という映画の宣伝があった。洒落にならない。
 
 全世界の危機を感じたスノーデンは、並外れた能力に対するNSAやCIAからの多額の報酬と、輝かしいキャリア、恋人との安定した幸せな生活など、全てを捨てて重大な告発を決意した。
 
 もともとスノーデンは、コテコテの保守であったが、長年にわたってパートナーとして寄り添う、思想も趣味も真逆のリンゼイ・ミルズの影響で、ぶつかり合いながらも次第に自らの使命に気付いていく。強い絆を保ちながら、リンゼイを巻き込まないようにとハワイの自宅に残し英国での告発を決意する。
 
 国家反逆罪に問われ、米国に帰れば拘束され死刑は免れない。モスクワに亡命したスノーデンは、恋人のリンゼイ・ミルズを呼び寄せ、平穏な暮らしを送っている。
 
 エドワード・スノーデンとはどのような人物で、彼が暴露した重大機密とはどんなものなのか。そしてその機密とは、我われにどのような影響を及ぼす内容のものであったのか。日本国内ではあまり報道されていない実態がわかる、衝撃的な映画である。
 
 参考:「アジア記者クラブ通信」285号・286号(http://apc.cup.com E-mail:apc@cup.com) 
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