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東京オリンピックの危うさシリーズ/ROUND3リンク表紙 [新国立競技場(ザハ・キールアーチ)編]

2015年07月24日 | 新国立競技場(ザハ)編
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東京オリンピックの危うさシリーズ リンク表紙
ROUND3/新国立競技場 (ザハ・キールアーチ)編

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1964年東京オリンピック・開会式 当時の新聞記事から

いつも東京オリンピックの危うさシリーズにお越し頂き、誠にありがとう
ございます。「新国立競技場 (ザハ・キールアーチ)編」を、14回に渡り掲
載しております。リンクインデックスから記事にリンクされるか、このカテゴ
リをページダウンするとご覧になれます。

ザハ氏デザインによる新国立競技場案は、白紙撤回されました。しかし
政府・五輪関係者の愚かさは、まだ続くでしょう。そのため投稿は、削除せ
ずにそのまま残しておきます。
<追記>ザハ氏は2016年3月に急逝され、お悔やみ申し上げます。不謹
慎な言い方ですが、今となっては新国立競技場問題は何だったのかと感じ
ざるを得ません。

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20150531 ■新国立競技場 (ザハ・キールアーチ)編

R3-01 緑豊かな神宮の森に異様なデザインの新国立競技場はいらない
R3-02 神宮の森に莫大な2,520億円を掛けた新国立競技場はいらない
R3-03 新国立競技場の年間維持費は46億円、大半は税金で補てん
R3-04 将来、異常気象の大雪によって新国立競技場の屋根が落ちる恐れが
R3-05 新国立競技場・東京オリンピックに間に合わず大会時は開閉屋根なしに

R3-06 新国立競技場を毎月満席にできるのはポール・マッカートニーとAKBだけ
R3-07 新国立競技場に「アンビルトの女王」ザハ・ハディド氏のデザインを選んだ愚かさ
R3-08 難航必至!新国立競技場は370mの巨大アーチ橋を架けることと同じ構造
R3-09 ザハ氏への15億円のデザイン料を捨てても新国立競技場は堅実な建物に
R3-10 新国立競技場は東京オリンピック失敗の始まり!開会式に間に合わないザハ案

R3-11 新国立競技場・何と選手強化費を大幅に削って建築費に充てる本末転倒策
R3-12 新国立競技場問題の発端はデザイン選定時の安藤忠雄氏の強引さにあった
R3-13 新国立競技場のキールアーチ・タイバー工法を知れば巨額・困難なことが分かる
R3-14 新国立競技場案の白紙撤回に騙されるな!防災拠点の名目を加え再び巨額に
■新国立競技場 (白紙撤回後の変更デザイン)編もご覧下さい。

誠に勝手ながらコメントのやりとりは致しておりません

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新国立競技場案の白紙撤回に騙されるな!防災拠点の名目を加え再び巨額に/東京五輪の危うさR3-14

2015年07月23日 | 新国立競技場(ザハ)編
Oiympictp2 東京オリンピックの危うさシリーズ
ROUND3 新国立競技場 (ザハ・キールアーチ)編14
新国立競技場案の白紙撤回に騙されるな!防災拠点の名目を加え再び巨額に

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オリンピック募金切手のご案内・第4次(当時・ヨット) 1963年発行

ザハ氏デザインによる新国立競技場案は、白紙撤回されました。しかし政府・五輪関係
者の愚かさは、まだ続くでしょう。そのため投稿は、削除せずにそのまま残しておきます。


ザハ氏デザイン、キールアーチの新国立競技場の建築が、突然、白紙撤回されました。あのまま突き進めば、2,520億円どころか最終的に3,000億円台まで膨らみ、管理維持費・大型修繕費、その他を含めると、5,000億円のとんでもない建物になるところでした。挙げ句の果てに、東京オリンピックにも間に合わない無謀な計画だったのです。世論が高まったのは、槇文彦氏や常識ある多くの建築家達の熱心な意見でした。さらにはスポーツ評論家の玉木正之氏、1級建築士・建築エコノミストの森山高至氏らが、TVなどで困難なことを分かりやすく説明し続けたことも挙げられます。

しかし、安心してはいけません。世論調査など8~9割が見直すべきとの国民の声を、政府が聴いたとするメディア評は、正しくありません。賢明な国民の声や意見を聴かない安倍政権は、米国追従の“殺し・殺される”安保(戦争)法案を強引に推し進めています。内閣支持率の低下や戦争法案の批判が高まるのを恐れ、信念のないまま白紙撤回をしたのです。この期に及んでの撤回は、動機が極めて不純です。政府が国民の声を聴いたとするならば、新国立競技場どころか真っ先に戦争法案を引っ込めたはずです。支持率が下がらなければ、ザハ案のまま突っ込んで行ったのでしょうか?

「白紙撤回」をした安倍首相の言葉を分析すると、「コストを抑制し、現実的にベストな計画を作る」に留まっています。皆様は、槇氏らが提案した1,000億円以下の競技場になると思っていませんか? それは、大きな誤りです。もう政府関係者に、「2,000億円を目標にしている」と言わせているからです。内閣支持率低下や国民の憤りが和らいだら、またぞろ巨額の費用を言い出してくるに決まっています。白紙撤回はカッコ良く見えても、国民を騙す政治家がよく使う手です。新国立競技場に限らず予算は、ほとぼりが冷めた頃に同じような案を提案してくるのです(最終項・参考)。

それまでは、ザハ案を変えたら「絶対、間に合わない」の一点張りでした。また、「国際公約」を違えることになると言い続けてきました。新国立競技場の設計変更など、全く国際公約でも何でもありません。競技会場の8割が選手村から8km圏内とした初期案はとうの昔に崩壊し、28競技のうち10会場が変更(他2競技未定)など、4割の12会場が変更されています。国際公約と言うなら、こちらのほうが重大でしょう。IOCはアジェンダ2020で、東京大会から既存施設の使用、新設は予算が掛からぬようにとするものです。IOCは、新国立競技場に金が掛かることを懸念しているのです。

「間に合わない」と言ってきた理由は、2つあります。政府が東京オリンピックに乗じて、巨大開発やゼネコン支援を進める狙いがあるからです。キールアーチが問題ではなく、建築額を減らすことが困るのです。だから総工費がいくら膨れ上がっても、大企業のために無視し続けてきたのです。2つめは、白紙撤回により「黒幕」が炙り出されました。大会組識委員会会長の森・元首相が、陰で新国立競技場建築を牛耳っていたのです。森氏は早大時代にラグビーを始めるも、短期間のうちに挫折したのです。挫折したことからラグビーへの強い思いが募り、政治家へ圧力を掛けてきたのです。

黒幕・森氏は、大会組識委員会会長の立場を忘れた行為です。だから国民を放ったらかしにして、政府・オリンピック関係者が見苦しい責任逃れ・他者への責任の押し付け合うことになったのです。それらやJSC(スポーツ振興センター)、JSCを管轄する文科省の大臣が腑抜けだったのも、この黒幕(政治では失敗ばかりでしたが)を気にして、何も言えなかったのです。森氏が、新国立競技場騒動の元凶です。さて本当の見直しは、簡素で無駄のない計画(開閉式屋根は作らず)、神宮の森の景観や環境に配慮する、アスリートや大会後も国民が利用しやすい設計をする、などが求められます。

私達が白紙撤回を丸々評価したら、それこそ政府の思う壺です。国は経済界・大企業が儲かるために、何やかや理屈を付けてゼネコンを助けるのです。今度は目的を変えて、再び巨額な新国立競技場にしようとしています。それは、「東京都の防災拠点」と「セキュリティー強化」です。これなら前回案のように、国民・都民からクレームが付きにくいからです。これを理由にされると、国民は同じような巨額でも文句が言いにくくなるでしょう。また防災拠点が理由なら、都からの税金も当てにできます。これこそ、論点のすり替えです。政府が、国民を騙す言動(策略)に今後も注視していくべきです。

「ザハ・キールアーチ編」はこれで終了し、次回以降は「白紙撤回後の新国立編」と称し、まだまだ追及して参ります。

Sankoub
白紙撤回後の新国立競技場もゼネコンおまかせの丸投げ発注に
新国立競技場を毎月満席にできるのはポール・マッカートニーとAKBだけ
新国立競技場 (白紙撤回後の変更デザイン)編もご覧下さい。

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新国立競技場のキールアーチ・タイバー工法を知れば巨額・困難なことが分かる/東京五輪の危うさR3-13

2015年07月16日 | 新国立競技場(ザハ)編
Oiympictp2 東京オリンピックの危うさシリーズ
ROUND3 新国立競技場 (ザハ・キールアーチ)編13
新国立競技場のキールアーチ・タイバー工法を知れば巨額・困難なことが分かる

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ザハ氏デザインによる新国立競技場案は、白紙撤回されました。しかし政府・五輪関係
者の愚かさは、まだ続くでしょう。そのため投稿は、削除せずにそのまま残しておきます。


新国立競技場の建築費2,520億円は、飽くまでも「目標工事費」であり、上限額ではないのです。従って建築が進むにつれて、次々と工費が膨らむことは間違いありません。“今のところ”のトータルが、2,520億円なのです(笑)。キールアーチは単なる競技場デザインのためで、一般的な競技場なら一切必要ないものです。キールアーチを含んだ屋根の部分を竹中工務店、スタンド部分を大成建設が受け持ちます。“国家プロジェクト”として、工期短縮を目指し強行突破の突貫工事が待っています。社長は受注して大喜びでも、無理な工事を指示すれば多くの現場作業員が事故死するのです。

キールアーチ(keel arch)の構造について、あらためて説明します。キールとは、船底の中央を走る主骨格をなす竜骨と言われるものです。船底をひっくり返して、竜骨を2本付けたものが新国立競技場のデザインです。「弓」をイメージしたら、分かりやすいでしょう。全国の橋梁に採用されていますが、建築物として370mの長さは適正規模を超えています。2本の鉄骨の重さが3万トン、断面積は住宅の2LDK相当にも及びます。自重でたわんだり、地震や風雨などの振動を受けやすい欠陥を持っています。そのキールアーチと客席上の屋根を繋ぐことは、極めて不安定なことと容易に分かります。

弦(つる)がない弓の中央を上から押したら、両端が広がろう(弓状から棒状へ)とします。3万トンのキールアーチと屋根部の重さによって、370mのアーチの両端には想像を超える力が掛かります。基本の工法では、キールアーチが北側に60mしか離れていない都営地下鉄・大江戸線の国立競技場前駅を貫通してしまうので採用できませんでした。東京の東部一帯は、高いビル10Fに相当する軟らかい堆積層が30m積もっています。その層の中に、キールアーチを埋設しただけでは用をなしません。30m下の固い岩盤奥深くへ、直接、巨大な基礎杭を打ち込む必要があったからです。

やむなくさらに多大な費用が掛かる、「タイバー(tie bar)工法」(アーチタイ)をせざるを得なくなりました。タイバーとは土木用語で、“連結(結束)する棒”の意です。図の通り、弓の弦に当たります。キールアーチとその両端を繋ぎ、鉄筋コンクリートのタイバーを骨組みします。骨組み全体をグランド下の地下30mに埋設、固い岩盤と結合させて固定します。鉄筋とコンクリートのタイバーだけで、27,000トンもあるのです。そのためグランドや施設があった部分の土砂を、地下30mまで掘り下げます。その残土は78万立方メートルに及び、延べ12~14万台分の大型トラックの搬送に相当します。

最後が杭問題で、30m掘り下げる工事は、ただ土砂を取り去るだけではないのです。旧・国立競技場建築時に、地表面から固い岩盤へ打ち込んだ、30m以上の杭を1本1本抜く必要があります。その数が5,000本、ひょっとしたら1万本あるとも言われています。これだけでも、相当な工事期間を要します。キールアーチなんて馬鹿なデザインを採用した結果、“ムダ”が“ムダ”を呼ぶ構図そのものです。大多数の専門家の意見は、ラグビーW杯どころか、東京オリンピックの開催に間に合わないとのことです。一般的な競技場デザインなら、こんな意味のない工事はせずに早く完成できるのです。

追記2016.4 ザハ氏は2016年3月に急逝され、お悔やみ申し上げます。不謹慎な言い方ですが、今となっては新国立競技場問題は何だったのかと感じざるを得ません。

Sankoub
難航必至!新国立競技場は370mの巨大アーチ橋を架けることと同じ構造
新国立競技場 (白紙撤回後の変更デザイン)編もご覧下さい。

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新国立競技場問題の発端はデザイン選定時の安藤忠雄氏の強引さにあった/東京五輪の危うさR3-12

2015年07月14日 | 新国立競技場(ザハ)編
Oiympictp2 東京オリンピックの危うさシリーズ
ROUND3 新国立競技場 (ザハ・キールアーチ)編12
新国立競技場問題の発端はデザイン選定時の安藤忠雄氏の強引さにあった

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オリンピック募金切手のご案内・第5次(馬術) 1963年発行

ザハ氏デザインによる新国立競技場案は、白紙撤回されました。しかし政府・五輪関係
者の愚かさは、まだ続くでしょう。そのため投稿は、削除せずにそのまま残しておきます。


■新国立競技場の建て替えに際するコンペの条件
新国立競技場問題における政治家の介入、文科省・JSC(スポーツ振興センター)の無能ぶりに呆れました。しかしそもそもの発端は、デザインの応募基準の曖昧さ、デザインと予算の乖離、デザイン選定のコンペの在り方(安藤忠雄氏の強引さ)に問題があったと判断します。そこで調べた結果、分かる限りデザイン選定コンペの経緯をお伝え致します。

JSCより提示された、新競技場に対する4つの設計条件と2つの応募条件
設計条件
(1)8万人の観客を収容
(2)2019年のラグビーW杯の開催に間に合わせる
(3)スポーツ以外にも利用できる可動式の屋根設置
(4)総工費は1,300億円
応募条件
①国際的な建築賞の受賞経験があること
②15,000人以上のスタジアム設計実績があること

■デザイン選定コンペの経緯~最終的には安藤審査委員長が決定
国立競技場は、東京オリンピック招致前から建て直しの計画がされていました。2012/10に1次審査が行われ全応募46作品から11作品に、そして翌月の2次審査で3作品に絞り込みました。作品画像がご紹介できないのでイメージが湧きにくいのでしょうが、残った3作品は、①ザハ案 ②オーストラリア人デザイン(スケルトン調) ③日本人デザイン(神宮の森との調和)でした。

最終審査は意見が分かれたため、審査員各自が1位を投票した結果、10人の審査員はザハ4票、オーストラリア3票、日本3票の僅差でした。ダントツ者がいないため、ポイント制(1位3点・2位2点・3位1点)による“プレーオフ投票”したところ、何と3作品全てが19ポイントの同点になってしまったのです。恐らく一部の順位に、記入しない審査員がいたと見られます。またザハ案は、1位に上げる審査員と最下位(3位)にした審査員に、大きく2分したそうです。

そこで審査委員長の安藤忠雄氏の判断に委ねられ、ザハ案が圧倒的に良いと主張する委員長の権限で決定したものです。審査の途中で、数人の建築家からザハ案では「工期やコストが掛かる意見」が出ていたそうですが、無視されてしまいました。以上が、デザイン選定コンペの経緯です。

■安藤氏に予算や職業意識があれば新国立競技場問題は起きなかった
2013/3、ザハ氏を招いたコンペ表彰式の挨拶で、安藤氏は「無理を承知の部分もある」と発言。その後も「デザインを選んだと同時に、ザハという人間を選んだ。この人を外さないことが必要」と語ったそうです。これ自体が審査委員長として、権限を越える強引な態度、選定コンペの趣旨を逸脱するものです。ここまで言ったにも関わらず、その後予算の膨大化が問題になった直後の記者会見では、「審査委員会は、デザインを選ぶところまで。コストの議論はしていない。こんな巨額になるとは、僕のほうがビックリしている。」と開き直りました。

記者に無責任さを突っ込まれると、「こんな大きいもの作ったことがありませんからね。」と言い出す始末。自己弁護すればするほど、安藤氏は「自分が無能」であることを曝け出してしまいました。審査中に、他の建築家から「工期やコストが掛かる意見」が出ていたことを知っていた訳です。また安藤氏は建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞し、数々の作品を生んだ実績がある人間です。そうであるならば、ザハ案は作りにくい・予算が掛かることは百も承知のはずです。「ザハという人間を選んだ」という発言は、“アンビルトの女王”~巨額・“建てられなかった事案”が多いことも知っていたはずです。政治家・オリンピック関係者の態度と同様に、発言が二転三転しており、責任逃れ・責任の押し付けは見苦しいと思います。

責任ある建築家なら、審査の時点で言われなくても職業意識を働かせ、自らコスト性や建築の可能性(作りやすさ)を確認したでしょう。安藤氏を一人悪者にする気はありませんが、彼にもう少し「予算の意識」「職業意識」があれば、確実に予算の範囲内で作れる案を選び、その後の新国立競技場問題は起きなかったと判断します。なお現代の最先端を行く建築家は、「21世紀のデザインは『自然と共生』を考えるのが潮流だ」としています。にも関わらず、今になっても「自然を超越する」対象として捉える、20世紀的モダニズムの典型的なデザインをするザハ氏、それを選んだ日本の建築家の体質が古いとしています。

Sankoub
新国立競技場は東京オリンピック失敗の始まり!開会式に間に合わないザハ案
新国立競技場 (白紙撤回後の変更デザイン)編もご覧下さい。

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新国立競技場・何と選手強化費を大幅に削って建築費に充てる本末転倒策/東京五輪の危うさR3-11

2015年07月10日 | 新国立競技場(ザハ)編
Oiympictp2 東京オリンピックの危うさシリーズ
ROUND3 新国立競技場 (ザハ・キールアーチ)編11
新国立競技場・何と選手強化費を大幅に削って建築費に充てる本末転倒策

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オリンピック募金切手のご案内・第1次(飛込み) 1961年発行

ザハ氏デザインによる新国立競技場案は、白紙撤回されました。しかし政府・五輪関係
者の愚かさは、まだ続くでしょう。そのため投稿は、削除せずにそのまま残しておきます。


新国立競技場の財源内訳を見て、呆れ返りました。全てが不可解ですが、うち3つ取り上げます。まず「スポーツ振興基金」の250億円のうち、半分の125億円を取り崩すことです。スポーツ振興基金は、選手・アスリートの強化費です。これから東京オリンピックを目指す選手の育成費を削って、新国立競技場の財源に充てることは本末転倒です。過去どこの開催都市でも、自国選手がメダルを取るために何倍も増額するが普通です。それを削って、新国立競技場の財源にするなど以ての外です。なお建築費2,520億円は上限ではなく「目標工事費」なので、こんなものでは足りないでしょう。

2つめがtoto(スポーツ振興くじ)から、600億円以上を充てることです。国民全体に、競技の普及促進などスポーツを広める費用です。それも削って、新国立競技場に充てるなど論外です。さらに現状のtotoだけでは足りないため、プロ野球への拡大も検討しています。しかし過去に選手の八百長事件や野球賭博が横行した苦い経験から、根強い反対があります。3つめが国立の競技場なのに、東京都に500億円を求めていることです。論理的におかしく、筋として国立なら国税で行われるべきです。都は開催都市の責任として、運営や他の会場設置に5,000億円以上を負担しているのです。

将来構想有識者会議(デザイン審査委員の一部が重複)で、ザハ氏案の新国立競技場建築が最終決定されました。このデザインを強引に推した、建築家・安藤忠雄氏はなぜか欠席。日本サッカー協会の小倉名誉会長は、再びW杯招致に向けて仮設席ではなく常設席を要望。作曲家・日本音楽著作権協会の都倉俊一会長は、コンサートには屋根が必須。自分達の思い入ればかりの発言で、全く“将来構想”がありません。開閉式屋根設置の主目的は、集まりもしない・毎月1回以上・8万人動員コンサートのためなのです。そのためだけに、300億円の税金を投入していいのでしょうか?

新聞の風刺漫画の政治家発言、「新国立競技場の形は“どんぶり型”だ。だから費用も“どんぶり勘定”でいいんだ! 天井がないのだから“天井知らず”に予算を掛けても大丈夫だ。ワッ・ハ・ハ・ハ…」 漫画と同様に、有識者会議・政治家は国民の税金だという意識が全くありません。スポーツ評論家の玉木正之氏は、『ザハ氏の案に、止める勇気・変える勇気・謝る勇気、改めたら実行する勇気が必要だ。でも誰もいない。』と嘆いていました。NHK世論調査では、81%が計画を見直すべきとしています。新国立競技場を推進する間抜けな関係者どもは、永久にその間違いに気が付かないでしょう!

池上彰氏も、紙面で苦言を呈していました。『責任の所在が曖昧なまま突っ走り、途中で止めることができない。これは、太平洋戦争までの歴史とそっくり。また戦後も、大赤字にも関わらず偽りの収支(利益見込み)を作って、高速道路や公共事業を進めるのは政治家・官僚の“お家芸”。過去の日本の悪弊の全てを体現するのが、新国立競技場。報道を通じて、日本の病弊を暴き出して欲しい。』 他の方の論調も、『政治家は、先の戦争・原発事故、今回の件で3度同じ過ちを繰り返した。リーダーたる誰かが止めていれば、その後の日本が変わっていたかも知れない。』 さて予算もさることながら、工期までに完成できるのでしょうか?想像しただけでも、ゾッとする!

Sankoub
新国立競技場は東京オリンピック失敗の始まり!開会式に間に合わないザハ案
新国立競技場を毎月満席にできるのはポール・マッカートニーとAKBだけ
新国立競技場 (白紙撤回後の変更デザイン)編もご覧下さい。

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新国立競技場は東京オリンピック失敗の始まり!開会式に間に合わないザハ案/東京五輪の危うさR3-10

2015年07月08日 | 新国立競技場(ザハ)編
Oiympictp2 東京オリンピックの危うさシリーズ
ROUND3 新国立競技場 (ザハ・キールアーチ)編10
新国立競技場は東京オリンピック失敗の始まり!開会式に間に合わないザハ案

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オリンピック募金切手のご案内・第6次(重量あげ) 1964年発行

ザハ氏デザインによる新国立競技場案は、白紙撤回されました。しかし政府・五輪関係
者の愚かさは、まだ続くでしょう。そのため投稿は、削除せずにそのまま残しておきます。


文科省は正式に、“アンビルトの女王”ザハ・ハディド氏がデザインした、キールアーチ型の新国立競技場を採用決定しました。建築費が何と2,520億円も掛かり、さらに建築士の誰もが工期の「2019年5月(当初は3月)」には間に合わないと言っている建築案です。結局、工期に間に合わず予算も足りず、後になってあの決定は「東京オリンピックの失敗の始まり」と言われるかも知れません。作る前から「“国家”の粗大ゴミ」、巨大お飾りオブジェ、そしてピラミッド・万里の長城・戦艦大和に続き、またまた日本の「新国立競技場」が世界四大無用の長物に、ノミネートされたと噂されています。

2,520億円といっても、大会後に設置の開閉式屋根や仮設席撤去などの改修費600億円以上が含まれていません。建築経験のない工事を行った結果、全然予算が足りなくなったなど、最終的な金額はこんなものでは済まないでしょう。工期の遅延も許されず、“無謀過ぎる決定”と思います。他会場の建設が進めば、人件費や材料費の大幅高騰も当たり前です。政府関係者は、東北復興の影響で新国立競技場の建築費が上がったとしていますが、それは全くの逆です。建設業者が、利益が取れる会場建設を優先するあまり、高騰・人手不足を起こし大事な復興工事が進まないのです。

2000年・シドニーのメイン会場は460億円、2004年・アテネ360億円、2008年・北京430億円、2012年・ロンドン650億円、2016年・リオ480億円、全部足しても2,380億円なのでお釣りがきます。2本のキールアーチだけで1,500億円、一般的な競技場なら全く必要のないものです。単なるデザイン性だけで、競技場の機能性アップには全く関係がないのです。極めて、無駄な施設なのです。東京体育館や幕張メッセなどを設計した槇文彦氏と、そのグループが勧める一般的な工法による競技場なら、以前の予算額1,625億円の半分から1/3で済むとしています。

1級建築士・建築エコノミストの森山高至氏によると、その根拠はショートケーキ(ピザ)工法と言われるものです。競技場は、概ね円形や陸上のトラック型になっています。デコレーションケーキやピザを6等分・8等分するように、共通した土木材料や部品が使え、同じ作り方なので総工費も安く、工期も早く済むのです。当然、キールアーチは必要ありません。あるTV番組では、2012年に例のデザインが決まった際に、ザハ氏本人が『本当に、あのデザインで作るのですか?』と驚いていた、と報道していました。そんなデザインを審査会議で強引に推し進めた、建築家・安藤忠雄氏に問題があります。

文科省が、なぜ強引に決めたのか? スポーツ評論家の玉木正之氏は、『文科省は、極端に「安倍首相の影」を恐れている。首相がIOC総会で、「他のどんな競技場とも似ていない、真新しいスタジアムから確かな財政措置に至るまで、その確実な実行が確証されたものです」と演説したからだ。しかしIOCは、リップサービス程度にしか思っていない。むしろアジェンダ2020により、会場はできるだけ既設使用、新設でもお金を掛けないことを勧めている。巨額な新国立競技場に、懸念している。』と発言しています。ブログ者は、今回の決定が「東京オリンピックの失敗の始まり」と思えてなりません。

Sankoub
新国立競技場問題の発端はデザイン選定時の安藤忠雄氏の強引さにあった
難航必至!新国立競技場は370mの巨大アーチ橋を架けることと同じ構造
新国立競技場 (白紙撤回後の変更デザイン)編もご覧下さい。

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ザハ氏への15億円のデザイン料を捨てても新国立競技場は堅実な建物に/東京五輪の危うさR3-9

2015年06月15日 | 新国立競技場(ザハ)編
Oiympictp2 東京オリンピックの危うさシリーズ
ROUND3 新国立競技場 (ザハ・キールアーチ)編 9
ザハ氏への15億円のデザイン料を捨てても新国立競技場は堅実な建物に

Jpn19631011_01 東京国際スポーツ大会切手のご案内 1963年発行

ザハ氏デザインによる新国立競技場案は、白紙撤回されました。しかし政府・五輪関係
者の愚かさは、まだ続くでしょう。そのため投稿は、削除せずにそのまま残しておきます。


ザハ・ハディド氏の新国立競技場のデザイン料は、何と15億円だそうです。それだけで、驚いてはいけません。「デザイン監修契約」という形態で、デザインそのものを描いただけの金額です。普通は土台・鉄骨構成などの建物全体の設計も含めますが、今回は受注した日本の請負会社が詳細に行うことになっているのです。デザイン画だけで15億円とは、世界絵画の巨匠並みです。正確には、応募規定が競技場の鳥瞰図とグランドから見た3枚のデザイン図のみの甘いものでした。また選考委員には、大型競技場を設計した建築家も含まれましたが、結局、著名な建築家に引きずられ、建築が困難に近い設計だったことが無視されてしまいました。

15億円は大金(税金)であろうとも、この際、ザハ氏側へ契約解除を申し入れるべきです。日本人の設計者による作り慣れたデザインにして、早く・確実に設計にしたほうが得策です。1,625億円の半分以下で作れるので、15億円を棒に振っても結果的に大変な節約です。大会終了後に行う開閉式屋根設置と仮設席取り外しの改修工事に、別途600億円を要します。また維持費が年間46億円掛かり、全額をイベントで回収するプランに信憑性がありません。結局、数十億円×耐用年数50年分、計1,000億円以上を税金で補てんせざるを得ません。

森・大会組識委員長は、3,000億円どころか4,000億円掛かっても、立派な新国立競技場にしたいと発言し失笑を買いました。この男は、首相時から国民の気持ちが分らず、失言を繰り返し退陣させられたのに、いつまでもバカ癖は直りません。新国立競技場に、トータル5,000~6,000億円も掛ける意味はありません。これらは主に若い世代に、長い期間、ツケ(税金)として回されます。北京大会のメイン競技場は430億円、ロンドン大会は650億円なので、いかに莫大・バカげた金額かお分かりでしょう。

新国立競技場を管轄する文科省は、「設計をやり直すと間に合わない」「お金がないから(現行デザインを)やめたでは、IOCとの信頼関係が問題になる」「ザハ氏と訴訟になる」として、現行のキールアーチデザインで建築することを表明しました。しかし槇文彦氏らの建築専門家グループは、日本の優秀な建築技術をもってしても、絶対、工期に間に合わないとしています。またIOCはとうに「お金の掛からないオリンピック」を目指しており、これにも逆行します。訴訟になっても、数千億円少なくなれば国民への負担が大幅に減ります。政治家達の保身に、振り回されてはいけません。

新国立競技場建築の絶対条件は、デザイン性ではなくオリンピックに間に合わせることです。1度も建築経験のない設計で作ることになり、遅延・難工事の連続、最悪は事故・未完成が予想されます。今からでも、槇文彦氏らの堅実な設計にすべきと考える次第です。ここからは余談で、1964年の大会は既に国立競技場が完成済でした。そのため前年の1963年には、東京オリンピックのリハーサルとも言える「東京国際スポーツ大会」を開きました。海外からオリンピック並みの選手を招き、開会式や競技日程・運営も「本番」とほぼ同じにして、進行や不備を確認するほど万全を期しました。

追記と修正2015.7現在 競技場本体価格は、現時点で2,520億円です。過去に作ったことがない建築方式なので、最終的にさらなる高騰は必至です。但しこれだけに留まらず、オリンピック終了後に施工される開閉式屋根の取り付け費300億円を含めた改修工事に600億円、その他、例えば5年ごとの大幅改修費が50年間で計1,046億円、毎年の維持管理費も数十億円が掛かるとされています。
◇価格の変遷=2012年・1,300億円⇒2013年9月・3,000億円⇒2013年11月・1,800億円⇒2014年・1,625億円⇒2015年・2,520億円
◇建設の展開に従い、当初の文を一部修正しております。

切手のミス/小さくて分かりにくいのですが、右上・飛び込み選手の踵(かかと)と甲が、裏返し(反対)になっています。当時から話題になりましたが、1千万枚以上販売されたため、ミス切手でも価値が出ませんでした。

Sankoub
新国立競技場に「アンビルトの女王」ザハ・ハディド氏のデザインを選んだ愚かさ
新国立競技場 (白紙撤回後の変更デザイン)編もご覧下さい。

Tpjw06b3020228079 東京オリンピックの危うさシリーズ/他の記事を読む(目次に移る)

難航必至!新国立競技場は370mの巨大アーチ橋を架けることと同じ構造/東京五輪の危うさR3-8

2015年06月02日 | 新国立競技場(ザハ)編
Oiympictp2 東京オリンピックの危うさシリーズ
ROUND3 新国立競技場 (ザハ・キールアーチ)編 8
難航必至!新国立競技場は370mの巨大アーチ橋を架けることと同じ構造

20150531 新国立競技場のジオラマ

ザハ氏デザインによる新国立競技場案は、白紙撤回されました。しかし政府・五輪関係
者の愚かさは、まだ続くでしょう。そのため投稿は、削除せずにそのまま残しておきます。


「建築エコノミスト森山のブログ」(森山高至氏、1級建築士・建築エコノミスト)・その他を参考にして、私なりに考えをまとめました。“アンビルトの女王”のデザイン通りの新国立競技場を作ろうとすれば、建物や屋根を支え主要骨格を為す、キールアーチと呼ばれる船底の骨格を表す弓形の巨大なアーチ状の鉄骨(梁・はり)を2本架ける必要があります(画像中央)。神宮の森に、長さ370m(何割かは地中に埋め込む)、幅100m弱、高さ70mの巨大橋梁を架けることなのです。骨格だけで何と3万トンもの重量を要し、東京スカイツリーの半分、東京タワー8本分にも及びます。キールアーチ断面の面積は、2LDKに匹敵します。専門家は、もはや建築物ではなく土木工事だと言います。これではいくらお金があっても足りず、工期も間に合わず長期化するのは当然です。

どれほどの大きさ(愚かさ)かを比較するため、アーチ型の2つの橋を例にします。関西の方に分かるように大阪・夢舞大橋を、関東の方には隅田川の永代橋と比べました。夢舞大橋は、構造的にも税金の無駄遣いと言われた巨大橋です。アーチ状の部分だけでも長さ280m(全長877m)、幅は34mです。新国立競技場は、アーチ状の部分で見ると、夢舞大橋の1.4倍の長さです。但し幅は、新国立競技場のほうが3倍の100m弱もあります。一方、永代橋はアーチ部分を見ると100m(全長185m)、幅22m、橋の高さ15mです。同競技場は、永代橋の3倍以上の長さ・幅4倍・高さ5倍に相当する巨大さです。

私は門外漢なのでいい加減な比較でしたが、しかし、いかに巨大で現実離れした建築物(土木工事)であることは理解して頂けたと思います。巨大橋梁の場合、別の場所で組み立て極めて大きな浮き船(台船)で水上(海上)輸送します。そして巨大なクレーン船で、吊り上げて設置します。しかし“陸地”の神宮に、どうやって運ぶのでしょうか。もちろん分解して持ってくるのでしょうが、多数の巨大クレーン・トラック・作業車も含め、神宮周辺の道路・地理的条件から並大抵のことではありません。神宮に限らず、そう簡単に都内の道は運べません。だから専門家は、屋根がなくても建物本体を2019年春までに完成させるのは、不可能と言っているのです。

2本の骨格は、自重でたわみ・振動します。その上に自動開閉式屋根を取り付けるなんて、狂気の沙汰です。そうでなくても異常気象が顕著化し、暴風雨や大雪・雹(ひょう)、大きな地震等で屋根の落下の恐れもあります。天井部の屋根を開く際は折り畳んで収納するようですが、業界団体が反対しています。強度や技術的に、問題が山積なんでしょう。現在の技術では、屋根の樹脂が7~10年しか持ちません。このようなことから、災害時・地震時の避難場所や対応場所に使えないのです。なおサッカー・豊田スタジアムは、開閉屋根の管理・維持費が今後10数年で109億円掛かるとして、これからは開け放しのまま使用するそうです。

2020年の大会以降に行う開閉式屋根の取り付けと仮設席の取り外しなどの改修工事に、別途600億円を要すとのことです。馬鹿としか、言いようがありません。横浜の日産スタジアムは、7.2万席・総工費600億円だったので、新国立競技場は改修費だけでそれと同額です。「見て呉れだけの悪女(新国立競技場案)」に惚れて貢いでも(べらぼうな予算)、棄てられる(失敗)だけです。白紙に戻し一般的な競技場デザインにすれば、牛丼屋ではありませんが“早く・安く・上手く”でき上がります。それが、賢いやり方です。政治家連中の面子とやらに付き合っていると、東京オリンピックは成功しないでしょう。

Sankoub
新国立競技場のキールアーチ・タイバー工法を知れば巨額・困難なことが分かる
新国立競技場 (白紙撤回後の変更デザイン)編もご覧下さい。

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新国立競技場にアンビルトの女王~ザハ・ハディド氏のデザインを選んだ愚かさ/東京五輪の危うさR3-7

2015年05月26日 | 新国立競技場(ザハ)編
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ROUND3 新国立競技場 (ザハ・キールアーチ)編 7
新国立競技場に「アンビルトの女王」ザハ・ハディド氏のデザインを選んだ愚かさ

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東京オリンピック大会記念切手のご案内・代々木競技場 1964年発行

ザハ氏デザインによる新国立競技場案は、白紙撤回されました。しかし政府・五輪関係
者の愚かさは、まだ続くでしょう。そのため投稿は、削除せずにそのまま残しておきます。


新国立競技場は、当初の斬新なデザインも3,000億円もの建設費が掛かることから、石鹸箱をひっくり返したようなデザインに変更されました。にも関わらず今度は自動開閉式屋根が、東京オリンピックに間に合わず取り止め(大会後の2020年以降に設置)となってしまいました。一連のゴタゴタ・二転三転の愚かさは、一部の建築家やオリンピック関係者が「アンビルトの女王」(実現しなかった建築物や実際に建設されないことの意)と言われるザハ・ハディド氏のデザインを選んだことに起因します。最初のボタンの掛け違いが、今後の東京オリンピック全体の方向性を危うくしています。

ザハ・ハディド氏はイラン出身、建築界のノーベル賞と言われるプリツカー賞を、女性初・最年少で受賞した建築家です。国際的な建築設計のコンペで優勝するものの、前衛的、あまりに斬新なデザイン故に、設計・建築の困難さ、費用の大きさなどから、実際に完成をみないまま立ち消えになってしまうことが多い建築デザイナーです。そのため「アンビルト(unbuilt)の女王」の異名を持ちます。私は、彼女のデザイナー性を批判しているのではありません。なぜ彼女の経歴・いきさつを知りながら選んだのか、コンペの選定に加わった日本のオリンピック関係者や建築家を批判しているのです。

建築家なら、彼女のデザインによる建築がいかに難しいか、そして数々の建築が完成できなかったことを認識していたはずです。選定した責任(誤り)は、実に大きいと思います。①彼女の完成し得た建築物の中には、新国立競技場ほどの大規模な建築は成されていない ②オリンピックの日程が決まっている以上、建築期間の延期が不可なこと ③世界のビッグイベントとして、絶対、失敗が許されないことです。しかしプリツカー賞を受賞したある日本の建築デザイナーが選考を主導したために、予算や神宮の環境などを全く考えない、世間知らずの案になったのです(アンビリーバボー)。

もう1つ選考基準の中に加えられていなかったのが、「日本は世界有数の地震国」だということです。情けないことに、当の日本人(建築家)が忘れていることです。ただでさえ作れない・作りにくいデザインの上に、日本は地震に対する厳しい耐震強度の基準があり、諸外国とは違うのです。やったことがない建築技法のため、様々な強度実験や各種の試験を繰り返しながら進める必要があり、結果、日程が間に合わなくなったのです。建築デザイナーと実際の建設者は競争の立場にあり、いかにデザイン通りに作るかが求められることは理解します。しかし逆のことを言えば、いかに斬新なデザインでも現在の建築工法で作れないものは、未来空想図や幼稚園児のクレヨン画と同じです。

そんなデザインに飛び付いた、選考委員やオリンピック関係者の行動が許せませんね。政治が軽はずみ・浮ついているから、そんなことになるのです。まあ考えようによっては、2019年春までに作ればいいのです。この際、彼女のデザインから離れて、作りやすい案、安全な建築の観点から再選考したらどうでしょうか。多数の会場の変更でつまずき、新国立競技場も先行き不安な状態です。重要な「最初の一歩」で転んでしまったので、取り戻すには並々ならぬ対応が必要です。政治家のためではなく、経済界のためでもなく、誰のためのオリンピックかを考えれば、よりよい方向が見出せます。

Sankoub
ザハ氏への15億円のデザイン料を捨てても新国立競技場は堅実な建物に
新国立競技場 (白紙撤回後の変更デザイン)編もご覧下さい。

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新国立競技場を毎月満席にできるのはポール・マッカートニーとAKBだけ/東京五輪の危うさR3-6

2015年05月22日 | 新国立競技場(ザハ)編
Oiympictp2 東京オリンピックの危うさシリーズ
ROUND3 新国立競技場 (ザハ・キールアーチ)編 6
新国立競技場を毎月満席にできるのはポール・マッカートニーとAKBだけ

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オリンピック募金切手のご案内・第5次(馬術) 1963年発行

ザハ氏デザインによる新国立競技場案は、白紙撤回されました。しかし政府・五輪関係
者の愚かさは、まだ続くでしょう。そのため投稿は、削除せずにそのまま残しておきます。


■ロンドン五輪もザハ氏デザイン青いクジラを採用したら当初予算の4倍に
今号は一挙、過去のアンビルト、開閉式遮音装置、ラグビーW杯について検証します。2012年・ロンドンオリンピックでも、ザハ氏デザインの競泳会場が、当初予算の4倍になった事実です。組識委員会が、ロンドンは安心さはあるが真新しさに欠けると心配し、招致の際に大会の象徴として、斬新なザハ氏のデザインを提案しました。それが“青いクジラ”と言われる、流線形(流体)を基調にしたアクアティックスセンターです。しかし当初146億円がその後も膨らみ続け、ザハ氏にデザイン変更の依頼をしたが、結局、完成時は4倍近くの543億円にも膨れ上がってしまったのです。

日本の新国立競技場もザハ氏に騙されたというか、全く同じ過ちを繰り返しました。曲線を使ったデザインは、建て難く高く付くと思いますね。ただロンドンの賢いところは、大会時17,500人の席(ほとんどが仮設席)を、終了後は市民プールとして使うために、2,500人に縮小できる設計をしたことです。一方、新国立競技場は8万人を対象にして、陸上競技の他にラグビー・サッカー、さらにコンサート会場にするため、巨額の費用が掛かり、大会終了後、肝心の市民が使えないことになるのです。1つの器(競技場)を何通りにも使うことは、現代のスポーツ事情からみて時代遅れの考え方です。

■気の毒でもポールとAKBには毎月コンサートを開いてもらうしかない
開閉式屋根は、正しくは「開閉式遮音装置」と言うそうです。その屋根によって陽が遮られグランドの芝が痛むため、夏期5か月は養生のためイベントはできません。しかし計画案では、コンサートを年12回(残り7か月間に)開く計算です。8万席の会場に数万人程度の客を集めても、却って空虚感が出るためそもそも企画されません。確実に満席にできるミュージシャンといえば、P.マッカートニーとAKB48だけです。ポールは生涯、AKBはオバサンになるまで、双方とも年6か月間、毎月、開くしかないのです(笑)。屋根設置は2021年以降なので、失礼ながらお二方はどうなっているか分かりません(苦)。

[参考]極端な言い方でしたが、7万人収容ができる横浜競技場のイベント例を載せます。2010年・EXILE XJAPAN、12年・矢沢永吉、13年・AKB48、14年・ももクロZ、15年・SEKAI NO OWARI 福山雅治です。ごく限られたミュージシャン、それも全体で年間1・2回開くのが限界です。新国立競技場なら騒音が解消できるとしていますが、そういうことではなく年間12回のコンサート案がいかに嘘かお分かり頂けます。

机上案のコンサートために、300億円の税金を使って屋根を付けるのは罪悪です。音響のよい一般会場、大規模にやるなら武道館・球場など、身の丈にあった場所で開いたほうが、アーティスト本人やファンのためにもよいでしょう。新国立競技場設置の有識者会議のメンバーである、山口百恵やヒット曲を連発した作曲家・日本音楽著作権協会の都倉俊一会長は、コンサートには屋根が必須と発言したそうです(後日ブログ追記)。この方も歳を食い、ボケましたね。「アーティストのことを考え、こんな場所にお金を掛けるより、各地に大勢集められる会場を設置して」と要望するのが、音楽界の重鎮でしょう。

■森・元首相自身のラグビーへの挫折を払拭するための新国立競技場
新国立競技場問題には、必ず2019年・ラグビーW杯の話が付いて回ります。それは大会組識委員会会長が悪名高い森・元首相であり、それまで10年以上「日本ラグビーフットボール協会」の会長をしていたからです。森氏がラグビーW杯を招致し政治家としての影響力、安倍首相の顔色を恐れる文科省の大臣や役人では、畏れ多くて様々なことが決められません。そこが、新国立競技場騒動の根幹です。森氏は政治的根回しばかりで、リーダー性を発揮しないのは怠慢です。フットワークが悪い人間がトップにいる限り、周りは動くに動けず今後も重大な場面で遅れが出ると思われます。

森氏は、早大時代にラグビーを志しながら挫折しました。そのためラグビーへの思い入れが強く、ラグビー組識への影響力を強めていきました。旧国立競技場を建て直すことになったのは、オリンピック招致以前に、日本でのラグビーW杯が決まったからです。そのため森氏は、新国立競技場は4,000億円掛かってもよいと発言し物笑いになったのです(後日ブログ追記)。自身のラグビーの挫折を払拭するために、大事な国民の税金を使うなよ!。ラグビーW杯は、新国立競技場では開幕戦(開会式)と決勝戦しか使われません。今から横浜競技場へ変更しておくのが、身のため・ファンのためです。

Sankoub
新国立競技場・東京オリンピックに間に合わず大会時は開閉屋根なしに
新国立競技場・何と選手強化費を大幅に削って建築費に充てる本末転倒策
新国立競技場 (白紙撤回後の変更デザイン)編もご覧下さい。

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新国立競技場・東京オリンピックに間に合わず大会時は開閉屋根なしに/東京五輪の危うさR3-5

2015年05月20日 | 新国立競技場(ザハ)編
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ROUND3 新国立競技場 (ザハ・キールアーチ)編 5
新国立競技場・東京オリンピックに間に合わず大会時は開閉屋根なしに

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東京オリンピック大会記念切手のご案内・日本武道館 1964年発行

ザハ氏デザインによる新国立競技場案は、白紙撤回されました。しかし政府・五輪関係
者の愚かさは、まだ続くでしょう。そのため投稿は、削除せずにそのまま残しておきます。


東京オリンピック開閉会式、陸上、サッカーなどのメイン競技が行われる新国立競技場。その自動開閉式屋根が、費用や工期の関係からオリンピック大会時までに設置できないことが発表されました。お粗末なことに、競技場のウリだった開閉式屋根は大会終了後の2020年以降に設置するそうです(嘲笑い)。かねてからオリンピック計画そのもの、新国立競技場を始めとする会場全般について、杜撰過ぎると申し上げてきました。いやはやその見込みの甘さ、いい加減さに呆れるばかりです。何やってんだ!と、言いたいぐらいです。こんなことでは、大会が成功するか疑問に思えてきました。

また15,000席収容・電動可動式の迫り出す観客席も取り止め、仮設に変更されます。大会時は8万人規模ですが、終了後は仮設席を取り外し常設は6.5万人に縮小されます。当初予算は1,300億円(2015.7修正・下記参照)としていましたが、建設資材や人件費の高騰どころではなく、このままではべらぼうな金額が掛かることが判明したからです。完成は、2019年9月のラグビー・ワールドカップに間に合わせるとしていました。しかし新国立競技場の極めて特殊なデザインによる建設や当初計画では長期に渡ることから、2019年春までに屋根を含めた全体完成は不可能とされたことが、計画縮小の主原因です。

以前から建築家は、工期が間に合わないことを指摘していました。全国にある競技場の建設は、長年のノウハウが蓄積しており、一定期間、そこそこの予算で可能です。しかしデザイン性に基づく建設の困難さ、あれほど大規模な開閉式屋根の工法技術はまだ確立していないのです。設計・建設以前の問題として、様々な強度実験や試作を繰り返さなければなりません。細かい部品を、一から開発することもあり得ます。また8月の猛暑中、グランド面積に匹敵するほど天井が大きく開いた建築構造だけに、冷房の冷気が逃げてしまい、風通しも悪いため選手・観客の熱中症が心配されます。

建設業界では今回の縮小案でも、競技場本体の完成がラグビーW杯さえ間に合わない声が出ています。オリンピック招致成功に浮かれ、ろくに技術検証もせず、また当初予算の大盤振舞など、計画や予算の甘さのツケが回ってきたようです。日本人の性格から見て、オリンピックが終われば熱気が冷め、その後に莫大な金が掛かる開閉式屋根を作る機運があるか疑問です。さらには大会後も維持費は毎年46億円も掛かり、許される背景があるとも思えません。開催各国のすう勢は、大会後は競技場を市民が使えるように改築小型化します。日本は、呆れたことに逆なのですね。

旧・国立競技場は既に解体されてしまいましたが、建築家は取り壊し以前から既存の国立競技場を補修・増築すれ、1,625億円の半分から1/3でできるとしていました。もし大会後の開閉式屋根建設をやめるとなったら、既存の補修・増築案とさして変わりません。さすが建築家は、浮かれることなく現実を見ています。1964年の大会は、日本人の生真面目さによって世界が驚くほど完璧に大会を成し遂げました。しかし首相の前ノメリ・上っ調子、無節操ぶりと同じことがオリンピック計画にも言えます。首相が言う「国家プロジェクト」でも、こんなことでは『大失敗』する恐れも考えられます。

追記と修正2015.7現在 競技場本体価格は、現時点で2,520億円です。過去に作ったことがない建築方式なので、最終的にさらなる高騰は必至です。但しこれだけに留まらず、オリンピック終了後に施工される開閉式屋根の取り付け費300億円を含めた改修工事に600億円、その他、例えば5年ごとの大幅改修費が50年間で計1,046億円、毎年の維持管理費も数十億円が掛かるとされています。
◇価格の変遷=2012年・1,300億円⇒2013年9月・3,000億円⇒2013年11月・1,800億円⇒2014年・1,625億円⇒2015年・2,520億円
◇建設の展開に従い、当初の文を一部修正しております。

Sankoub
新国立競技場を毎月満席にできるのはポール・マッカートニーとAKBだけ
新国立競技場の年間維持費は46億円、大半は税金で補てん
新国立競技場 (白紙撤回後の変更デザイン)編もご覧下さい。

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将来、異常気象の大雪によって新国立競技場の屋根が落ちる恐れが/東京五輪の危うさR3-4

2014年12月15日 | 新国立競技場(ザハ)編
Oiympictp2 東京オリンピックの危うさシリーズ
ROUND3 新国立競技場 (ザハ・キールアーチ)編 4
将来、異常気象の大雪によって新国立競技場の屋根が落ちる恐れが

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オリンピック募金切手のご案内・第6次(サッカー) 1964年発行

ザハ氏デザインによる新国立競技場案は、白紙撤回されました。しかし政府・五輪関係
者の愚かさは、まだ続くでしょう。そのため投稿は、削除せずにそのまま残しておきます。


当初の設計では、最近の大雪過重で新国立競技場の開閉式の樹脂の屋根が落下することが判明したのです。JSC(日本スポーツ振興センター)は慌てて、電気ヒーターによる融雪装置を設置する設計変更しました。しかし度々起こる想定外の異常気象による「大雪」が降れば、対応できるか分かりません。万が一、観客動員中に大雪の重さで屋根が落下したら、大惨事になることが懸念視されています。また最新技術の樹脂であっても、強度的に7~10年しかもたないことが指摘されています。

競技場は、地上6階、地下2階、延べ面積21万㎡、スタンドは3層になる設計です。斬新といえば聞えが良いが、裏返せば複雑な会場設計、客席は最大70mもの高さや急勾配です。それが“あだ”となり、専門家は今から、災害時に大勢の観客の誘導は十分にできないと言っています。デザインにこだわるため、火災時・災害時の危険性が大きい新国立競技場の設計なのです。世の中は節電方向へ動いているのに、通常も多大な電気を必要とする新国立競技場は、受け入れがたいでしょう。

そもそも世界のスポーツ界は、陸上競技・サッカー・ラグビー(アメフト)など、別々の競技場で行うのが潮流です。ヨーロッパや中米のサッカーを見れば、ご理解頂けます。それと逆行し陸上競技もサッカーもラグビーもコンサートもやる、「多目的」な新国立競技場の使用案は時代遅れです。“多目的は無目的”なことで、どっちつかずの中途半端な仕様は、いかなる競技団体からも不満・不十分感が残ります。街の公民館などと同じく、多目的使用の作り方は貧乏だった半世紀前の発想です。

北京大会のメイン会場、通称“鳥の巣”はたまにコンサートに使われるものの、スポーツ大会の開催は全くなく、まさしく“閑古鳥”が鳴く状態です。一方、ロンドン大会の多くの競技場は、大会後は大幅に取り外しができるような設計をしました。現在はこじんまりとした施設に改造され、市民のスポーツの場になっているそうです。西洋人は、合理性・割り切り方がしっかりしています。日本は人口が減っていき、若者層への税金負担が加速化するのですから、新国立競技場案は無駄です。

Sankoub
新国立競技場・東京オリンピックに間に合わず大会時は開閉屋根なしに
ロンドン五輪も失敗ザハ案・新国立満席可能はポールとAKB・ラグビーW杯
新国立競技場 (白紙撤回後の変更デザイン)編もご覧下さい。

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新国立競技場の年間維持費は46億円、大半は税金で補てん/東京五輪の危うさR3-3

2014年12月02日 | 新国立競技場(ザハ)編
Oiympictp2 東京オリンピックの危うさシリーズ
ROUND3 新国立競技場 (ザハ・キールアーチ)編 3
新国立競技場の年間維持費は46億円、大半は税金で補てん

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オリンピック募金切手のご案内・第1次(陸上競技) 1961年発行

ザハ氏デザインによる新国立競技場案は、白紙撤回されました。しかし政府・五輪関係
者の愚かさは、まだ続くでしょう。そのため投稿は、削除せずにそのまま残しておきます。


新国立競技場の建設費は、低く見積っても2,520億円(2015.7修正・下記参照)は要するとお伝えしました。しかし費用は、それだけに留まりません。年間の維持管理費が、46億円も掛かり続けるのです。因みに、従来の国立競技場の維持費は4億円でした。建替え計画を進めるJSC(日本スポーツ振興センター)は、年間、50億円の会場収入が見込まれるから4億円の利益が出ると自慢しています。果たして、そうでしょうか? 46億円の支出に対して、見え透いた辻褄合わせの収入源の提示に無責任さ感じます。

新国立競技場の収入内訳は、企業の展示会やイベント・14億円、年間シート契約・12億円、コンサート12億円、その他12億円としています。開催種類は、サッカー20日、陸上競技11日、ラグビー5日、コンサート12日を主体に、年間48~57日の使用を見込んでいます。陸上・銅メダリストの為末 大氏によると、8万人規模で陸上競技をする大会はオリンピックや世界陸上など、世界でも年1~2回程度と言っています。またスポーツの振興に、寄与しないとも付け加えていました。

コンサートでも、8万人を動員できるアーティストはどれだけいるのでしょうか? 特にコンサートの場合は空席が目立つと、観客は興ざめし主催者側もイメージが悪くなるので、使いづらいのです。それが計画では毎月1回開くとしているため、これだけ見てもJSCの計画に信憑性はありません。スポーツやイベント会社によると、従来よりも10倍も掛かる維持管理費によって、重い利用料負担が考えられ、ますます新国立競技場で開催する団体が少なくなるとしています。

維持管理費が高くなる理由は、オリンピック後に取り付ける開閉式屋根の維持費です。またサッカーなど1回・数千万円や1億円ともいわれるピッチの芝の張り替えを、年2回するとしています。その他、下記のような設備、メンテナンス費用も挙げられます。収入名目から見て確実に収入を得られるものでもなく、実際には年間数十億円もの大幅な赤字と推定されます。半世紀に渡り赤字は税金で補てんされ、若い世代の“ツケ”になることを知っておいて下さい。

追記と修正2015.7現在 競技場本体価格は、現時点で2,520億円です。過去に作ったことがない建築方式なので、最終的にさらなる高騰は必至です。但しこれだけに留まらず、オリンピック終了後に施工される開閉式屋根の取り付け費300億円を含めた改修工事に600億円、その他、例えば5年ごとの大幅改修費が50年間で計1,046億円、毎年の維持管理費も数十億円が掛かるとされています。
◇価格の変遷=2012年・1,300億円⇒2013年9月・3,000億円⇒2013年11月・1,800億円⇒2014年・1,625億円⇒2015年・2,520億円
◇建設の展開に従い、当初の文を一部修正しております。

新国立競技場 (白紙撤回後の変更デザイン)編もご覧下さい。

Tpjw06b3020228079 東京オリンピックの危うさシリーズ/他の記事を読む(目次に移る)

神宮の森に莫大な2,520億円を掛けた新国立競技場はいらない/東京五輪の危うさR3-2

2014年11月17日 | 新国立競技場(ザハ)編
Oiympictp2 東京オリンピックの危うさシリーズ
ROUND3 新国立競技場 (ザハ・キールアーチ)編 2
神宮の森に莫大な2,520億円を掛けた新国立競技場はいらない

Jpn19640909_01 東京オリンピック大会記念切手のご案内・聖火台 1964年発行

ザハ氏デザインによる新国立競技場案は、白紙撤回されました。しかし政府・五輪関係
者の愚かさは、まだ続くでしょう。そのため投稿は、削除せずにそのまま残しておきます。


新国立競技場の問題は、自然豊かな神宮の森の環境破壊の他に、2,520億円(2015.7修正・下記参照)もの莫大な予算を必要としている点です。当初は1,300億円のデザインプランが、その後3,000億円に増大。“あまりにも度が過ぎる”との国民の批判を食らい、慌てて大幅な見直した結果、1,625億円に修正されました。しかし、それではできないとして、2,520億円になったのです。私達の大事な税金が投入される訳で、「無駄遣い」と言えます。IOC自体が、オリンピック開催都市は、既存の競技施設を最大限に利用すべきと言っているのですから。

建設界のノーベル賞やアカデミー賞といわれる「プリツカー賞」を受賞した伊東豊雄氏によると、旧・国立競技場を改修すれば、8万人の収容が得られた上に、景観が守られる、新国立競技場予算の半分から1/3程度で十分できるとしていました。同じ競技場で大会を開いたのは、1932年と1984年のロサンゼルスオリンピックだけです。伊東氏は、1964年から半世紀を経て、同じ競技場で開けば、海外から「日本は極めて平和な国」「伝統を大切にする民族」と評価されると主張します。

国は東日本大震災の復旧・復興もなおざりにして、やれ景気回復・株高上昇・消費税アップと、被災者のみならず大勢の国民の生活を脅かしています。オリンピック工事・東京一極化によって、物価や建設者の賃上げが急上昇して、ますます大震災の復旧・復興が進まないのです。今後、全体のオリンピック工事が進めば、新国立競技場は、到底、2,520億円では済みません。本(もと)は税金なので、建設業者も足下を見て総工費を吊り上げるいつものパターンでしょう。

当初計画に対してアップさせるのが、建設業者の常套手段です。オリンピック全体の予算のページでも申し上げましたが、建築物やイベントなどの費用は完成近くになるに伴い、主催者側も必ずどさくさ紛れの大盤振舞を行い、かなり膨らんでいくのが世の常です。さらに今回のように新しい工法であれば、途中で設計変更、追加工事が余儀なくされます。世界的に、あれほどの規模の建築物は作ったことがないのです。トラブル・設計変更で、さらに予算の上積みは必至と思われます。

ロンドン大会では一時的なオリンピックに対し、仮設や設計段階で大会終了後は会場の縮小や改修できる構造にしたそうです。東京オリンピック後も新国立競技場だけで、年間の維持費が数十億円も掛かります。大会の会場全体では、数百億円のベースです。数十年から半世紀にも渡り、子供達や孫世代が税金負担をしていかねばならないのです。もう20世紀型の“ハコモノ”(負の遺産)に価値を求めるのではなく、次世代のためにどう税金を使うべきか、今度の東京オリンピックが試されます。

追記と修正2015.7現在 競技場本体価格は、現時点で2,520億円です。過去に作ったことがない建築方式なので、最終的にさらなる高騰は必至です。但しこれだけに留まらず、オリンピック終了後に施工される開閉式屋根の取り付け費300億円を含めた改修工事に600億円、その他、例えば5年ごとの大幅改修費が50年間で計1,046億円、毎年の維持管理費も数十億円が掛かるとされています。
◇価格の変遷=2012年・1,300億円⇒2013年9月・3,000億円⇒2013年11月・1,800億円⇒2014年・1,625億円⇒2015年・2,520億円
◇建設の展開に従い、当初の文を一部修正しております。

新国立競技場 (白紙撤回後の変更デザイン)編もご覧下さい。

Tpjw06b3020228079 東京オリンピックの危うさシリーズ/他の記事を読む(目次に移る)

緑豊かな神宮の森に異様なデザインの新国立競技場はいらない/東京五輪の危うさR3-1

2014年11月04日 | 新国立競技場(ザハ)編
Oiympictp2 東京オリンピックの危うさシリーズ
ROUND3 新国立競技場 (ザハ・キールアーチ)編 1
緑豊かな神宮の森に異様なデザインの新国立競技場はいらない

Jpn19641010_01
東京オリンピック大会記念切手のご案内・国立競技場 1964年発行

ザハ氏デザインによる新国立競技場案は、白紙撤回されました。しかし政府・五輪関係
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ご存じのように、東京オリンピック・メイン会場の新国立競技場は、2,520億円(2015.7修正・下記参照)もの莫大な費用を掛けて建て替えられます。多くの建築家・設計者が異を唱えるように、ブログ者は今も、新国立競技場の建設には反対です。残念ながら解体されてしました(2015.6修正)が、現在の国立競技場を改築(増築)すれば十分に観客が収容できる競技場だっただからです。東京オリンピックが招致された時から言ってきましたが、改めて申し上げておきたいと存じます。

「景観破壊」と「税金の無駄」、大きく2つの問題を指摘します。神宮周辺に行かれると感じますが、神宮外苑は東京初の風致地区に指定されるほど、緑が豊かで素晴らしいエリアです。都市の自然的な景観を維持するため、高さなど建物に一定の規制が設けられている地域です。古い言い方なら、“東京のオアシス”です。それを無視して、建築されようとしています。先進性があるデザインとも言いますが、ブログ者は周囲を威圧し鼻に付くデザインと感じます。

当初より高さを抑えたとはいうものの、最大70mもの巨大な建物です。ビルやマンションで言えば、概ね20階建てに相当します。旧・国立競技場でさえも高いと思われますが、客先最上部は31m(照明灯は最大56m)です。シミュレーションの結果、外苑西通りはいきなり数十mの絶壁のようなものになると推定されます。いかに異様かが分かります。周辺地域や長い将来を考えて選定したデザインと思われません。異様なものほど、年月が経つと“陳腐化”するのを多々見てきました。

有識者は現在の旧・国立競技場を改築すれば、現在の定員5.4万人から、十分、8万人の収容ができるとしていました。特にヨーロッパ人は、建築物は自然や周囲に溶け込むことを大事にしており、日本人もそうだったのですが。そのため日本建築家協会など建築家と有識者多数が、都に設計変更を求めてきました。あなたが旧・国立競技場周辺に行くようだったら、70mもの高さの建物ができるとイメージして見上げて下さい。神宮の森に、極めてトンチンカンな建物と思われることでしょう。

追記と修正2015.7現在 競技場本体価格は、現時点で2,520億円です。過去に作ったことがない建築方式なので、最終的にさらなる高騰は必至です。但しこれだけに留まらず、オリンピック終了後に施工される開閉式屋根の取り付け費300億円を含めた改修工事に600億円、その他、例えば5年ごとの大幅改修費が50年間で計1,046億円、毎年の維持管理費も数十億円が掛かるとされています。
◇価格の変遷=2012年・1,300億円⇒2013年9月・3,000億円⇒2013年11月・1,800億円⇒2014年・1,625億円⇒2015年・2,520億円
◇建設の展開に従い、当初の文を一部修正しております。

新国立競技場 (白紙撤回後の変更デザイン)編もご覧下さい。

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