『子供たちにとっての本当の教科書とは何か』 ★学習探偵団の挑戦★

生きているとは学んでいること、環覚と学体力を育てることの大切さ、「今様寺子屋」を実践、フォアグラ受験塾の弊害

難関大学合格にはフォアグラ指導や缶詰授業が必要なのか?

2013年02月16日 | 学ぶ

 

 先週のつづきです。初めての方はぜひ前回の話もお読みください。

 さてOB諸君の大学進学リストの内容について補足説明します。
 自らの苦い経験を省みれば、大学は、ぼくのように「脳天気な田舎者のあこがれ」だけによるのではなく、「何を学びたいのか、そのためには、どの先生の指導のもと、どういう環境がいいのか」などの条件を十分考慮に入れ決定することが理想です。
 さらに大学合格はあくまでスタートラインにしか過ぎません。したがって、進学する上で必ずしも東大をはじめとする難関大学がベストとは限りませんし、ぼくも難関大学合格だけを価値基準に置いているわけではありません。

 

 しかし、保護者の方たちはOB諸君が進学したような大学を念頭に置いて学校や塾を選択するのでしょう。その果てに問題にしなければならないフォアグラ指導や缶詰授業があります。
 果たして中学受験(小学受験は言わずもがな)からのフォアグラ指導や缶詰授業が、これらの大学合格には欠かせないものなのか? 多くの保護者が考え、子どもに強いているようなハードな『勉強』を続けなければ合格は無理なのか。
 こう問題提起をしようと思えば、その意図を誤解されるようなおそれがあっても、先のリストのように大学名を例示した資料を提示しないわけにはいきません。大学名も挙げずに「そんなにむちゃな勉強をしなくても、すばらしい大学に入れますよ」だけでは、ぼくの言う、フォアグラ指導や缶詰授業の必要性の是非の判断材料になりません。
 閑話休題。説明に進みます。

(1) 京大三名・阪大三名・国公立医科系五名、国公立大計十三名
 (小学校時からOB教室まで学んだ二十六名内・二〇一二年まで)
表の左端の大きな数字は団が学習探偵団としてきちんと教室を構え、指導を始めたときからの卒業期別です。
 平成二十四年までの八年で、京都大学三名(内一名は医学部・薬学科)・大阪大学三名(内一名は歯学部)・神戸大学・広島大学・佐賀大学医学部各一名で国立大学計九名、大阪府立大学・札幌医科大学・奈良県立医科大学・大阪市立大学各一名、公立大学計四名。
 つまり二十六名の内、半数の十三名が国立・公立大学、その内、医学部・医科系が五名です。これは自らの過去の学習経験を振り返って、指導方針や方法にそれなりの見込みをもっていたぼくにとっても、予想をはるかに超える結果でした。

(2)すべて公立小学校出身者、そして進学先もそれぞれであること

 さて、教室は大阪市生野区にあります。記載のOB諸君は、中川・鶴橋・北巽・北鶴橋・舎利寺(以上生野区)・片江(東成区)など、すべて近くの公立小学校で、出身学校に地域の偏りはありません。つまり、私立小学校で進んだ学習指導を受けた等の偏りはありません。ふつうの小学校出身です。

 

 また中学進学先もそれぞれバラエティに富み、上宮一名・近大附属二名・清風二名・明星一名・奈良学園二名・西大和学園二名・大阪女学院一名・四天王寺一名・公立中学進学一名と、異なった中・高を経ての大学進学です。決して難関大学に多数の合格者を送り出している学校の卒業生だけではありません。 これらを考慮に入れていただければ、すべてとは言わないまでも、彼らの学力、そして学び進める力—学体力—の基礎力がどこで養われたのか、理解していただけるのではないでしょうか。

(3) 偏差値で測れないことを整える
 ぼくは偏差値の可能性だけで志望校をアドバイスすることはありません。社会で揉まれた経験から、「人間の力や可能性が数値で測れるものでないこと」が身にしみて分かっているからです。  前掲表から4科目偏差値平均だけを取り出したリストをご覧ください。ちなみに偏差値は、中学受験に関わった近畿地方の人たちなら誰でも知っている模試業者のものです。
 

 

 左側が小学校6年生時の平均で、右側が合格中学に対する合格ライン(当時の)です。わかりやすいように京大・阪大・国公立大の医学部に進んだ諸君の欄をピンクで色づけしてあります。
  赤いマスの成績をご覧ください。阪大の歯学部へ進んだ八期生、同じく阪大に進んだ三期生を除いて、残り十一名の多くは合格圈(六十~八十%)に遠く及びません。

 しかし、彼らに限らず、団から中学受験する子たちはほとんど合格します(表2参照)。偏差値の合格可能性より、過去問に対する対応力や同校へ合格したOB諸君との「共通試験紙上対決」、そして指導経験での手応えがぼくに確実な「情報」を提供してくれます。

 熟考すべきは、「本人の行きたい学校で本人が勉強(パフォーマンス)できるような条件を整える(準備をさせる)ことができたかどうかということ」だと考えています。それがぼくたちの最大の責務です。
 「合格して勉強したい、そのためには何が大切なのか」。落ち着いて考えられる力が育っているか。追い詰める力は身についたか。学ぶ面白さに目覚めているか。
 そういう観点から指導すれば、仮に受験に失敗したとしても(そんな子は団にはほとんどいませんが—表2参照)、その後の「巻き返し」がいくらでも期待できます。偏差値の数値ではなく、「本人と学ぶこと」に対する手応え、そしてOB教室での「さらなる学体力の養成」の確信ができた数年後の姿が彼らなのです。OB教室の間伝え続けるべきは「学ぶことの面白さ」であり、「自らにとって、学ぶことがもっている意味」です。それを考えるようになれば「ガス欠症候群」はおきません。

 

 話が少しそれました。彼らの偏差値について説明します。
 近畿地方以外の人たちは、I社の偏差値レベルの判断がつかないかもしれませんので、ネットで公表されている全国規模の大手塾の偏差値との比較をしました。いずれも二〇一二年受験用のものです(表3)。前記の大学に進学した諸君が進んだ中学の偏差値をピンクの枠で特定してあります。
 左側の全国レベル大手塾と右側のI社の偏差値を比較してください。大手受験塾の選抜クラス、「エリート意識のかたまりのような小学生」なら、「歯牙にもかけない」・「相手にならない」レベルではないでしょうか。ところが、その彼らがOB教室を経て大学受験をするようになると、能力を存分に開花させ、互角以上に戦うこともできるようになるわけです。
 ちなみに、6年生時のI社偏差値が60弱だったY君は、京大に合格した「春」に、一学年下で、その後大阪大学と神戸大学に進学した二人の数学力を見事に判断、分析し、解法のレベルまで指導することができました(団で一緒に学んでいたので気になり自主的に訪問してくれていたのです)。
 今回の資料を見ていただければ、「一時の偏差値だけで能力判断はできないこと」そして「それぞれの子どもたちがもつ可能性の大きさや能力のキャパシティ」をよく理解していただけるのではないでしょうか。
 フォアグラ指導や缶詰授業など、ほんとうに必要なのかどうか。次回は彼らの指導期間・教室での学習指導時間・指導内容等について少し詳しくお伝えします。

  

 

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   立体学習を実践 学習探偵団 http://www.gakutan.com/
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