『子供たちにとっての本当の教科書とは何か』 ★学習探偵団の挑戦★

生きているとは学んでいること、環覚と学体力を育てることの大切さ、「今様寺子屋」を実践、フォアグラ受験塾の弊害

「学体力」は偏差値を超克する①

2013年09月07日 | 学ぶ

子どもたちはどう育ったか? 
 今までOB諸君の成績は紹介しました。そして、今シリーズは「学体力」を考えてきました。

 それでは、「学体力」が育つということはどういうことか? この稿のまとめとして、団で育ってくれた「医学生」を紹介します。「学体力」の意味やたいせつさ・団の指導法をさらに理解していただけると思います。
 OB教室を経た諸君はみんなすばらしい青年に育ってくれているのですが、多くが成人しており、プライバシーにも関わってくるので、今まで詳しく紹介できませんでした。今回は特別に許可を得て、理想を体現してくれている一人、京大を出て大学院に進んだKくんの話を紹介します。

京大院卒OB・K君の小学生時代
 K君は、二年間の準備期間後正式に開塾し、学習探偵団として指導を始めた一期生です。四年生からの入団で、小柄だったのですが、前向きで明るく、輝く瞳が印象的でした。負けん気も真面目さも人一倍でした。

 別掲は、まだパソコンを知らずキャノンのワープロで作成していた(!)、K君の5年生から小学校卒業まで二年間の団オリジナル月例テスト「学力コンクール」の成績です。
 入団後約半年の第一回の成績が国語2点(平均26点)・算数18点(平均37点)。二科目合計で20点。満点はもちろんどちらも100点です。
 団の学力コンクールは公立小学校のテストレベルよりかなり難易度が高く、各五十点を得点すると、十分私立中学上位校への進学が可能です。しかし、いくら初回とはいえ、K君の得点は、決してよい点とは言えません。4~5名のクラスでしたが、たしかビリから2番目の成績だったと記憶しています。

 二つ目の折れ線グラフは、近畿地区の子どもたちがよく受験するI社の模擬テストのK君の偏差値推移(5~6年生)です。
 偏差値の数値は受験者の母集団レベルにより大きく変動します。つまり、同じ受験環境でも受験者全体のレベルが高ければ低くなるし、全体レベルが低ければ高くなります。
 I社は小規模の学習塾に通っている子や個人での受験者も多く、大手の中学受験生の全国レベルでの模擬試験と比べれば偏差値はかなり高く出ます。つまり全国規模の大手の受験塾や業者が導き出す私立中学合否判定偏差値も、I社ではかなり高く出ることになります。 わかりやすいように、受験塾の大手「日能研」の偏差値とI社偏差値を比較した表も紹介します(いずれも2012年受験用から)。

 たとえば、表の★印、清風中学理数科の偏差値はI社では58ですが、日能研では48。10点低く、偏差値では50が平均位ですから日能研の模擬テストを受けた母集団のなかでは平均以下の学力ということになります。

学体力は偏差値を超克する
 それを前提にもう一度K君の模擬テスト偏差値推移をよく見てください。
 5年生の第三回に初めて受験したとき、4科のI社偏差値が40で、国語・算数の2科で43です。全国レベルで判断できる日能研の現在の偏差値から類推すれば39相当です。
 現在と当時の偏差値は多少異なりますが、それでも全国の「優秀な」私立中学受験生から見れば、受験の競争相手としては歯牙にもかけないレベルでしょう。数字だけを考えればそうなります。京大大学院に進んだK君の学力レベルは、偏差値からすれば「こんなもの」でした。

 その後、グラフのように努力と真面目さによって偏差値は順調に上昇し、志望中学の偏差値(60)に近くなります。しかし、その値も日能研では推定50以下です。つまり、日能研の模擬テスト受験生の中位に至りません。彼は当初のこういう成績から飛躍的に学力を上げ、京大進学を果たし、大学院まで進みました。
 中学受験生を抱え、受験塾のテスト結果や成績に一喜一憂する日々を送っているお母さん・お父さん方には、きっと「想像をこえる」成長だと思います。中学受験や高校受験に目の色を変えるのも、こと受験だけを考えれば、目的は大学進学のためではないですか? K君の成長が意味していることは何か? 
 優秀な学力を導くのは小学生時の成績ではないのです。70を超える偏差値でもありません。それにともなうべきものが欠かせません。「学体力」です

 「学んでいく条件」がきちんと整えば、つまり、学習の基本・学ぶことの大切さ・学ぶことの意味を納得し、学ぶおもしろさがわかること―つまり「学体力」が身につけば、難関大学合格も容易だということです。そして、その過程で整った「学んでいく条件」は受験のみで終わらず、一生友とすべき「学習」を身近にもしてくれます
 「一時期」の偏差値がいくら高かろうと、たとえ、小学校の時点で70を超える偏差値であったとしても、決して将来にわたっての学力を保証するものではありません。能力を測れるものではありません。
 小学生時は偏差値が低くても、次第に身についた学体力は偏差値を「超克」します。子どもたちの可能性は無限です。それを一時期の偏差値を上げるために「無駄遣い」し、つぶさないことです
 ポイントになるのは受験時の偏差値ではなく、その時点で、先述の「学んでいく条件を整えられたか」「学体力が身についたかどうか」という点です
 今回の冒頭で、「医学生」ということばを使いました。次回はそれについて紹介します。学体力についての理解をさらに深めていただけると思います。

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