ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

アコウ

2017年07月16日 | 沖縄の草木:公園街路

 クワ科ゴムノキ属(Ficus属)の仲間は熱帯性の植物が多く、したがって、倭国には少ないが、沖縄にはたくさんの種類がある。沖縄に古い時代からあったアコウやガジュマル、ハマイヌビワ、オオバイヌビワ、オオイタビ、ヒメイタビなどの他、割と新しい移入種であるシロガジュマル(ベンジャミナ)、ベンガルボダイジュ、インドボダイジュ、インドゴムノキ、カシワバゴムノキ、フィカスハワイなども同じ仲間である。
 これらクワ科ゴムノキ属の仲間は、蔦植物であるオオイタビ、ヒメイタビを除いて大木になるものが多い。アコウとガジュマルも大木になる。が、この二つの大木のあり方は少々違っていて。ガジュマルがずんぐりとしたウチナーンチュ体型であるのに比べ、アコウはスラリと高く、横にも力強く枝葉を伸ばした西洋人体型といえる。背の高さはアコウに軍配があがり、幹の太さはガジュマルの方が勝っている。

 ガジュマルの幹の太さは気根のお陰でもある。幹の途中、枝の途中からたくさんの気根を出し、それが成長し、幹に張り付いて、幹の一部となり、幹を太らせる。
 アコウも気根を出すが、老人のあごひげのようにボーボーと出すガジュマルに比べると量は少ない。したがって、アコウの幹は割とすっきり、スラッとしたままとなる。ところが、根の勢いは強く、他の樹木の上に種が落ちて、それが芽吹いて成長すると、どんどん根を伸ばし、元の樹木を覆い、枯らしてしまう。「絞め殺しの木」とも呼ばれる。
 ガジュマルはウチナーンチュに人気があり、その名を知らない人はいないくらいだ。アコウも沖縄に自生していて古くからある樹木なのだが、さほど人気は無い。100人の子供を集めて、「この木何の木」と聞いた時、ガジュマルが90人の正解者を出すとしたら、アコウは10人ていどの正解者数であろう。我が身だけでしっかりと地面に根を生やし、スラリと天高く伸び、枝葉を茂らすアコウもカッコいいのだが、「絞め殺しの木」なんていうあだ名が、平和好きのウチナーンチュに不評なんだろうか。
 以下は2008年6月追記。
 
 アコウ(赤秀):公園
 クワ科の常緑高木 分布は和歌山以南、南西諸島、台湾、他 方言名:アコー、ウシク
 アコウは広辞苑にあり、赤秀という字が充てられている。名前の由来については資料が無く、不明。沖縄の方言名がそのまま和名になったものと思われる。方言名は別に、ウスクガズマルともある。「石垣に生えるガジュマル」という意味らしい。岩や石垣に着生するからとのこと。岩だけでなく他の樹木にも着生する。根を勢い良く伸ばし、元の樹木を覆い、枯らすこともある。で、別名をシメコロシノキ(絞め殺しの木)と言う。
 秋から冬にかけての短期間落葉する。ということで、『沖縄の都市緑化植物図鑑』には落葉樹とあった。しかし、『緑化樹木のしおり』と『寺崎日本植物図譜』には常緑樹とある。落葉の期間がごく短いということなのだろう。幹と枝だけになったアコウを私は見た記憶が無いし、見た目の雰囲気は常緑樹。で、ここでも常緑樹とした。
 分布については、『沖縄の都市緑化植物図鑑』には南日本とあり、広辞苑に「愛媛県三崎町と佐賀県肥前町のアコウ樹林は北限分布地」とあったが、『緑化樹木のしおり』に和歌山以南とあり、『沖縄大百科事典』に北限は和歌山とあったので、それを信じる。
 高さ20m。傘状の広い樹冠となる。陽光地、湿潤を好むが、乾燥にも強い。気根を発生するが、支柱根は形成しない。落葉後、春に白色の苞に包まれた紅茶色の新葉を出す。白い苞が花のようにも見えてきれい。果実はイチジク属らしく無花果、やや楕円形で、熟すると径12ミリ前後になる。熟した果実は、はじめ白色で後に淡紅~黒紫色になる。
 なお、『寺崎日本植物図譜』には、開花期は5月、果実が熟するのは8~9月。
 『緑化樹木のしおり』には、開花期は2から3月、結実期は3~6月。
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』には、結実期は周年とあった。
 
 実
 
 葉
 
 新芽
 
 幹

 記:島乃ガジ丸 2005.7.3 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行

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