ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

キワタノキ

2017年07月17日 | 沖縄の草木:公園街路

 友人のKは商売人で、店舗を構えている。商売はワープロ、表計算、インターネット等を利用すれば格段に効率の上がる内容のものだと思うのだが、彼も彼の女房もアナログ脳味噌の持ち主であるらしく、パソコンを購入したのはやっと去年、店を開いてから25年近くが経ってからであった。去年の3月、その店にパソコンがやってきた。
 それからしばらくの間、毎週日曜日に私はその店へ通い、二人にパソコンの扱い方、ワードやエクセルの使い方などを教えに行った。私の住処からその店までは車で15分ほどかかる。その途中、沖縄国際センターから浦添警察署へ抜ける道はキワタノキの並木となっている。この時期、花を咲かせ始める。オレンジ色の花は青い空に映えて美しい。

 もう10年ほども前になるか、梅雨の頃であった。曇り空の風の強い日に、用があってKの店へ向かう。キワタノキの通りへ入った時に、今まで見たことの無い幻想的な光景を目にした。空中に何か白いものが舞っていた。それはたくさんの綿であった。たくさんとはどのくらい?と訊かれたら、周囲の景色を幻想的にしてしまうほど夥しい量と答えられる。綿は強風に煽られ、右へ行ったり左へ行ったり、近寄ったり離れたり、落ちてきたり舞い上がったりしていた。私はしばらく車を停めて、その幻想的な光景を楽しんだ。
 調べると、キワタノキの果実は6月頃に破裂して、中の綿を空中に吐き出すとのこと。私が偶然見たものはキワタノキの果実から吐き出された綿であったのだ。その翌年からも何度か梅雨時にその並木道を通っているが、幻想的光景には再会していない。少量の綿がフワフワ飛んでいるのは数回見ているが、あの日のような綿の量とはほど遠い。私が見た偶然は、本当に偶然だったようで、たまたま実の弾ける量がもっとも多い日に、たまたま舞風(一方向の風では無いという意)が強く吹いていた、ということなのであろう。

 さて、アナログの夫婦のその後。実は、彼らの店のホームページを立ち上げて、その1コーナーをガジ丸に使わせてもらうという目的が私にはあった。しかし、アナログの脳味噌は半年経ってもほとんど進歩せず、同じ質問を何度もする。「日曜日に俺が教えている以外に、本を読んだりして勉強していないのか?」と訊くと、「ぜんぜん」と二人揃って答える。私は、ナーワジタン(もう怒った)なのであった。彼らにパソコンを教え、彼らが習得するのを待つのは諦め、自分で自分のHPを作ることにしたのであった。
 その後も月に1度くらいは彼らの店を訪ねることがあるが、その時、彼らがパソコンに向かっている姿は、今のところただの1度も見たことが無い。もしそういう光景に出会ったとしたら、それはきっと、キワタノキの幻想光景と同じくらいの偶然であろう。
 
 キワタノキ(木綿の木):公園・街路
 パンヤ科の落葉高木。原産分布はインド、ジャワ、マレー。方言名:無し
 既に紹介したトックリキワタと属は違うが、トックリキワタと同じく種子に綿毛を含んでおり、枕、座布団、クッションなどの詰め物に利用されている。木綿の木という名前からして、こっちの方が本家なのかもしれない。英語名でもRed silk-cotton treeとある。
 高さ10m以上に達する高木で、自然に三角錐の形になるので手入れはあまり要らないが、強風に弱いので、台風時には枝折れする場合が多い。陽光を好み、よく陽の当たる場所では花付きも良い。橙色の大きな花。開花期は3月から5月。結実期は6月から7月。
 
 花
 
 満開

 記:島乃ガジ丸 2005.3.18 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行

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