ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

クロヨナ

2017年07月17日 | 沖縄の草木:公園街路

 名前は知っているが、実物を知らない植物はたくさんある。公園などに行くと、樹木に名札が掛けられたりしていて、そういった知らない植物を知ることができる。「あー、これがこれであったか」となって、クイズの答えが見つかったような気分になる。
 首里にある末吉公園は原野を一部残したような作りで、原生林と思われる樹木が多くある。そのいくつかには名札があって、私の植物調査の役に立っている。

 名前はよく知っているが、実物を知らない樹木の一つクロヨナを探しに、3月中旬、その末吉公園を訪れた。クロヨナの開花期が「3月から4月」と文献にあったので、その写真を撮るためにである。2時間ほど歩いたが、クロヨナは探せなかった。その物はあったかもしれないが、クロヨナと書かれてある名札は見つからなかった。
 末吉公園でのクロヨナ探索は徒労に終わったが、その一週間後、若い美女とのデートで訪れた浦添市民体育館の庭に、それらしきものを発見した。文献の写真から、葉や花の色形のだいたいのところは頭に入れてあった。体育館の樹木に花は咲いていなかったが、莢状の果実がついており、マメ科の植物と想像され、また、緑の濃い、大きな葉は文献の写真のものに似ていると思われた。写真を撮る。
 花が咲いていれば、図鑑の写真を頭に入れて、その植物を見つけるなんてことはそう難しくは無い。しかし、葉の形だけから植物を探すのは難しい。それを、私もいくらかできるようになったわけである。1年半ばかりの間、ほとんど毎日、植物の図鑑を見ている成果が現れたということだろう。そういう意味で、クロヨナの発見は嬉しかった。
 
 クロヨナ(くろよな):公園・街路
 マメ科の常緑高木 原産分布は奄美以南、沖縄、台湾、他 方言名:ウカバ
 クロヨナという言葉が意味不明。果実、花、葉、幹などが黒いわけでは無い。ただ、葉の色は緑が比較的濃いとは言える。そんなわけで、全体的に黒っぽい感じがするのかもしれない。そうだとしても、ヨナが不明。「黒っぽいよな」を縮めたのであろうか。方言名のウカバ、ウカファ、バもファも葉のこと。ウカは「浮く」と思われ、「浮く葉」という意味ではないかと想像される。水に浮きやすいのかもしれない。今度試してみよう。
 高さ20mに達し、暴れ木になりやすい。適宜選定して形を整える。元々海岸地に自生していて耐潮風性が強いので、海岸近くの植栽にも向く。浮くかどうかは分からないが、葉は大きめ(10~15センチ)で、表面に光沢がある。花期は年に2回あり、3~4月と8~9月。淡い紫色の小花が多数かたまって、枝の先につく。
 種子から油が採れ、ロウソク、石鹸、薬用に用いられる。樹皮からタンニンや繊維が採れる。オキナワビロードセセリの食害を受ける。
 
 花
 
 実
 
 満開

 記:島乃ガジ丸 2006.5.14 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行

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