ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

うーじ畑

2016年02月26日 | 沖縄01自然風景季節

 ウージはキビ(黍)のウチナーグチ(沖縄語)。沖縄でキビといえばサトウキビを差すので、うーじ畑はサトウキビ畑ということになる。少なくとも中年以上の、特に農業に携わっている人はサトウキビとは言わず、ウージと言う。

 ざわわ ざわわ ざわわ 広いさとうきび畑は
 ざわわ ざわわ ざわわ 風が通り抜けるだけ

 と始まる『さとうきび畑の唄』では、さとうきびと表現されているが、「しまうたよ風に乗り・・・」の『島唄』という歌では「うーじ」と表現されている。どちらの表現でも構わないが、とにかく、うーじ畑のある風景は沖縄であると倭国の作詞家たちは思い、うーじ畑のある風景は沖縄であるとウチナーンチュの多くも認識しているはず。

 私の育った那覇にうーじ畑は無かったが、母の実家のある南風原町には多く見られ、その景色は私も子供の頃から馴染み深い。高校生の頃、級友たちとサイクリングに出かけることが何度かあった。ヤンバル(沖縄島北部の通称)へのサイクリング、那覇を出て1号線(現国道58号線)を北上し、帰りは太平洋側へ回り329号線を南下することがあった。北上する西海岸沿い、浦添市、宜野湾市、北谷町、嘉手納町となるが、浦添市辺りから基地が目立ってくる。北谷町、嘉手納町になるとほとんど基地だ。次の読谷村まで基地はあるが、読谷からは畑も少し見えてくる。それでも西海岸は、1号線という幹線道路沿いを走っている限りでは、恩納村、名護市まで畑は少ない。
 東海岸へ渡ると畑は目立ってくる。うーじ畑も多くある。自転車を漕ぎ続けて数時間経ってくると喉も乾いてくる。悪ガキ達の中(私も入っていた)にはうーじ畑へ入って行って、うーじを少々かっぱらう者もいた。歯でうーじの皮を剥き、汁を啜った。

 私の畑ナッピバルの北隣はうーじ畑となっている。主はSさんという人。私がナッピバルを始めてからしばらくしてキビ刈があった。その時、Sさんと声を交わした。
 「子供の頃、ウージの皮を歯でむしり取って汁を啜ったのを思い出しますよ。」
 「私もよくやった。だけど、今は難しいよ。」
 「ん?何でですか?農薬がかかっているからということですか?」
 「いや、そうじゃなくて、今のキビと昔のキビは品種が違う。今のキビは害虫に強く丈夫なんだが、皮が硬く、歯で齧り取るのが難しいんだ。」とSさんは言って、笑う。
 Sさんは前歯が欠けている。私の視線に気付いて、
 「この歯はウージを齧ったせいではないよ。」と言って、さらに笑った。

 Sさんの畑はナッピバルと同じ約300坪。Sさんとその仲間達数人でやっている。Sさんの話では、「うーじは必ず買ってくれる。補助金によってまあまあの値段。仲間達と分けても小遣程度にはなる。」とのこと。「TPPになったら補助金も削減されるだろうから、やってられなくなるよ。」とも言っていた。補助金があっても家族を養う程の収入には足らず、補助金がなければ営利農業には全くならないようだ。
 うーじ畑、上記した通りいかにも沖縄の風景、それが消えてしまうのは淋しい。TPPになったとしても、大規模栽培にして何とかならないかと願う。
     
     
     
     
     
     
     
     
     

 サトウキビ(砂糖黍):農業作物
 イネ科の多年生草本。原産はインド、ニューギニア。方言名:ウージ
 甘蔗(かんしょ、かんしゃ)、または荻(おぎ)とも言う。方言名のウージはこの荻からきているのではないかとある。茎の高さ2~3m、径2~4cm。茎に10~20%の蔗糖を含み、砂糖の原料となる。沖縄にとっては大切な基幹作物。
 沖縄には13~14世紀頃に中国の福建省からもたらされたのではないかと考えられている。製糖の始まりは文献が残っているらしく、1623年、儀間真常(芋の普及にも大きな貢献をした人)が製糖法を学ばせるため福建省へ人をやったとのこと。
 たくさんの品種がある。沖縄で栽培されている8割方は同じ種類とのこと。昔は穂が開く前に収穫したと聞いたことがある。8割を占める現在の種とは違っていたのだろう。

 記:2016.9.9 ガジ丸 →沖縄の生活目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行

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