ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

食うか食われるかの世界

2014年07月04日 | 通信-社会・生活

 私の畑には作物を食害する虫たちがいっぱいいる。レタスを売れなくしたタイワンヒゲナガアブラムシ、シマナー(カラシナ)を売れなくしたヒメナガメ、ダイコンをほぼ全滅させたニセダイコンアブラムシ、カブをほぼ全滅させたキスジノミハムシ、キュウリやシブイ(冬瓜)、ヘチマの葉を食うウリハムシ、それらの実を食い、また、茎を齧って枯らしてしまうカタツムリ類、その他、蝶蛾の幼虫たちが野菜や果樹の葉や果実を食い、酷い時には野菜を穴だらけにして、果実を傷だらけにして売れなくしてしまう。
  チョウガの幼虫、私が確認できるものでは、好き嫌いなくいろんな作物に集っているタイワンキドクガやコシロモンドクガ、ミカン類の葉を食い荒らしているシロオビアゲハ、サトイモの葉を食い荒らしているセスジスズメ、グヮバの葉を食い荒らしているミノガの類などいるが、何者か判明していない毛虫イモムシは10種を超える。

 それらの害虫を、農薬を使わずに何とか排除したいと思い、今、勉強中。若い頃は文芸書も多く読んだ私だが、勤めるようになってからは仕事に関わる本がほとんどとなり、 10年ほど前からは動物や植物の本が多くなった。動物の本の中には昆虫ももちろん含まれるが、これまでは、写真に撮った者が何者であるかが判ればそれで良しだった。
 今勉強しているのは、農夫の天敵である害虫どもの天敵、謂わば、天敵の天敵探し。天敵の天敵は、既に私が目撃して確認できている者もいる。それは鳥のイソヒヨドリ、彼はカタツムリを食べてくれる。であるが、イソヒヨドリの好物はカタツムリよりバッタ類のようで、彼がタイワンツチイナゴを食っているところは何度も見ている。タイワンツチイナゴはイネ科の害虫で、私の畑にイネ 科の作物は無いので、そう有難くは無い。
 目撃はしていないが、情報として知っているものもある。テントウムシ類で体に毛の生えていない種類、ナミテントウ、ナナホシテントウ、ダンダラテントウ、ハイイロテントウ、キイロテントウなど、彼らは農夫の天敵であるアブラムシなどを食べてくれる。

 クモ類も多くは天敵の天敵と思われる。彼らは畑の地面の上に多くいて、目撃したことはないが、おそらく、作物についている小さな虫を食べていると思われる。ハチ類もイモムシを捕食しているのを目撃したことがある ので、天敵の天敵になっているものがあると思われる。彼らには「ありがとう、頑張ってね」とエールを送りたい。
 ところがある日、この2者、クモとハチが互いに天敵であることを示す現場を見た。チブサトゲグモの巣にハチの1種(何者か不明)が捕らえられていた。それから約一ヶ月後のある日、アナバチがアシダカグモを獲物にしているのを見た。「うーん、そうであるか、これが自然の掟か、食うか食われるかの世界なんだな」と感想を持った。

 食うか食われるかの世界は、万物の霊長である人間界も例外では無い。長い歴史を経て文明の発達した現在でも、人類の英知はそれをまだ乗り越えられないでいる。我が利益のために武力を行使することを是としている人、及び国がまだある。そういう国があるからそうでない国も有事の備えに武力を保持しなければならない。「隙あらば食ってやる」と目をギラつかせている国の指導者がいれば、「売られたケンカは買ってやる」という国の指導者がいる。人間界もまだまだ「食うか食われるかの世界」のようだ。
          
          
          
          

 記:2014.7.4 島乃ガジ丸