ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

さっき消えたオジサン

2007年05月11日 | ガジ丸通信-その他・雑感

 庭先で、その家の父親、母親、小学生の男の子の3人が、庭の木を見上げながら何やら話している。ちょうど通りかかったおまわりさんが、それに気付いて、
 「どうかしましたか?」と声をかけた。おまわりさんが家に近付くと、その家の犬が激しく吼えた。が、「静かに!」という主人の命令で、犬はすぐに大人しくなった。
 「いやー不思議なんですよ。このように、うちの犬は人の気配に敏感で、私が止めない限り他人にはひどく吼えるんですよ。それがウンともスンとも言わないなんて。」
 「え!どろぼうにでも入られましたか?」とおまわりさん。
 「いやいや、泥棒といえば泥棒なんですが、盗られたものは庭のバンシルーの実3、4個で、それも、どうせ家族で食べるということもほとんど無いものですから、何の被害も無かったと言ってもいいんですがね。ただ、庭に他人が入ってきて、それをこの犬が気付かなかったということが不思議でしてね。」
 「犬の習性に詳しくはないですが、おそらく、たまたま鼻の調子が悪かったんじゃないですか。」とおまわりさんは言い、「それでは、被害届を出さないんでしたら、私はこれで失礼します。」と、軽く敬礼して去っていった。
 「さあ、俺たちも中へ入ろう。飯にしよう。犬もたまには調子の悪い時もあるさ。」と父親は言って、女房と息子を促した。その時、男の子が目を輝かせた。
 「わかった!」と、何か閃いたかのように言った。
 「犯人は、さっき消えたオジサンだよ。」
 「さっき消えたオジサンって、あの人はおまわりさんじゃないか。」
 「違うよ。殺気消えたオジサンだよ。そういうオジサンが近所にいるんだ。猫や犬だけでなく、チョウョやトンボやバッタも、そのオジサンが近付いても逃げないんだ。」

 私はもちろん、人の家の庭に黙って入って、その庭のバンシルーやらシークヮーサーなどを勝手に採るようなことはけしてしない。が、最近、私の体から殺気が薄れていっているのではないかと感じている。写真を撮ろうとチョウやトンボやバッタに近付いても、彼らがさっと逃げることは無く、私が十分に写真を撮れる時間を作ってくれるのだ。
 私が使っているデジカメはあまり上等では無い。画素数も少なく、ズームも3倍しかない。しかも、ズームの使い方が下手らしく、ズームで撮った写真の多くはボケてしまう。だから、できるだけズーム無しで撮るようにしている。小さな虫の写真は、よって、虫に近付かなければならない。最初の頃はそれがなかなかできなかった。近付くと虫たちは逃げていった。それが最近、近付いても逃げないのだ。そのうち、私の周りに虫たちが集まるようになるかもしれない。「殺気消えたオジサン」と噂になるかもしれない。
 
 
 
 
 
 
 

 記:2005.7.27 ガジ丸

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