ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

淡々と上質

2011年01月06日 | 沖縄04行事祭り・生活風習・言葉

  数年前に脱サラして農夫になった友人がいる。Tという。Tは5人の子持ちである。長男でさえまだ中学生なので、彼はこの先10年以上は子育てをしなければならない。子供一人大学を卒業させるまでに、国公立自宅通学でも一千万円以上かかり、私立の理科系大学で、下宿生活させると六千万円はかかるというご時勢に、脱サラ農夫である。何という勇気、何という決断力と感服する。彼が脱サラした時に、彼の女房に訊いた、
 「よく賛成したね。子育てはこれからなのに。」
 「賛成なんかしないわよ。言い出したら聞かない人だからしょうがなかったのよ。」とのことであっ た。5人の子供の重圧を押しのけ、女房の反対を押し切ってまで彼が農夫になることを選んだわけは、実はまだ聞いていない。10年後に訊く予定。

 今年になって、Tが店を構えた。今のところ店の面積の多くを、花物、苗物など花卉園芸が占めていて、食い物の野菜はほんの少ししか無い。これからどんどん増やしていきたいと言うが、店にはまだ看板も掲げられていない。駐車場の整備も、敷地の塀の整備もまだ不十分である。本格的始動はもう少し先みたいである。
 ほんの少ししか無い野菜を買いに、先週、店を 訪ねた。5月の終わり頃に一度訪ねていて、二回目の訪問となる。今回はシブイ(冬瓜)、モーウイ(赤瓜)、タマネギ、キュウリ、白ゴーヤーなどを買い、売れ残って少々痛んでいたピーマンの類3種と、ゴーヤー、ナーベーラー(糸瓜)などを只で頂く。どれも真面目な野菜たちである。

 Tは、女房を含め6人の扶養家族がいるという苦労を全く顔に見せない。平日は農作業で忙しく働き、休日は子供達の部活の応援などに行ったりと、ちゃんとお父さんもやっている。そういったさまざまな義務を淡々とこなし、そして、上質の野菜を 作っている。
 私は淡々とか黙々とかが好きである。日々、黙々とトレーニングをして、体脂肪12~14%を維持しているという自分のことも少し自慢しつつ、Tが、日々の苦労を微塵も顔には出さず、淡々と上質の野菜を作り続けていることを友人として誇りに思う。
 私はまた、本質の上質も好きである。名前(ブランド)なんかどうでもいいのである。デザインはどうでもいいということは無いが、見た目よりも、着心地は良いか、丈夫で長持ちするかなどを重視したい。野菜も、見てくれなんかよりも美味しいかどう か、安全かどうかを重視している。Tのキュウリは不恰好だったが、とても美味しかった。
     
     
     
     
     
     

  日本の、そして沖縄の食料自給率アップを願う立場から、私はTを大いに応援したいと思っている。また、今の仕事が定年(まで持つかどうか危うい、リストラの危険が常にある)になったら、私は彼に弟子入りしたいと思っている。その時には彼の事業が、私が食っていけるのに必要なだけの給料(10万円+野菜の現物支給)を払えるだけの規模になっていて欲しいと願っている。よって、彼の成功のために、本格的始動はまだだが、これから 時々、彼の店の宣伝をやっていきたい。アタビーが紹介します。興味のある方はどうぞ見てください。そして、Tの店に行ってください。
 なお、店の看板はまだ無いが、名前は決まっている。『吉の浦ガーデン』。住所は中城村安里だが、近くに吉の浦という名前の浜があるとのこと。
     

 記:ガジ丸 2008.6.21 →沖縄の生活目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行

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