ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

チルダイ

2011年01月03日 | 沖縄04行事祭り・生活風習・言葉

 今月の模合(相互扶助的飲み会)の折、メンバーのAから干しトビイカを貰った。食い物として、以前からHPで紹介したいと思っていたものだ。
  干しトビイカは南城市の奥武島の名産として知られている。旬は6月から10月。その頃奥武島へ行くと、イカの干された風景を見ることができるらしい。「らしい」というのは、私はまだ見たことが無いということ。奥武島は、家から車で1時間ほどの場所にあるので、行こうと思えば行けるのだが、なかなか時間が作れないのだ。なので、Aからのプレゼントはたいへん有り難かった。もちろん、酒の肴としても旨いので、その点でも有り難かった。「明日の肴ができたぜ、明日は日本酒だぜ。」と思ったのである。
 明日になった。夜になった。干しトビイカを肴に酒を飲んだ。旨かった。満足した。そして翌日気付いた。干しトビイカの写真を撮り忘れたことを。チルダイする。
     

 ガジ丸通信「靴下に熱湯」の中で紹介した写真「揚げ物は熱いうちに食え」の説明にも書いたが、A&Wを紹介しようと思って、そこのチャビーチキンをわざわざ買いに行ったのに、写真を撮らずに食ってしまった。その時もチルダイした。

 6月のある日、沖縄島ではごく限られた地域にしかいないイワサキクサゼミを、すぐ目の前で発見した。しかし、ごく近くから6枚も写真を撮ったのに、その全てがピンボケだった。カメラの設定を間違えたせいであった。チルダイした。

 チルダイとはウチナーグチ(沖縄口)である。おそらく、中年以上のウチナーンチュなら多くの人が知っている有名な言葉である。
 『オキナワンチルダイ』という映画もあった。30年ほども前の映画である。沖縄の有能な監督である高嶺剛の作品。ヒットはしなかったみたいだが、チルダイが十分に表現された良い映画であると、若い頃の私は感じた。
 チルダイ、沖縄では有名な言葉なので当然のごとく、『沖縄語辞典』に記載がある。それによると、「失望。落胆。がっかりして体中の筋がだれる意。」とのことである。「がっかりして体中の筋がだれる」、まさしくその通りなのである。

 会社員であり、炊事洗濯掃除などの家事をこなす主夫でもある私は、日常的に大小いろいろなチルダイを経験する。そんないろいろな中でも、上記のようなチルダイは大きなチルダイとなっている。でも、今年のナンバーワンチルダイは別にある。

 6月から8月の間、私は現場仕事に出ていた。現場仕事の際には、弁当と飲み物を私は持参していた。飲み物は家で作った麦茶、または玄米茶であった。麦茶、または玄米茶は市販の飲料ペットボトル(500ミリリットル入りの、緑茶とかサンピン茶とかが入ったもの)を再利用して、それに入れて持っていっていた。
 そんなある日、冷蔵庫の上にお茶の入ったペットボトルが一つポンと置かれてあった。いつもは、中身の入ったペットボトルは冷蔵庫に入れてある。麦茶なら一晩くらい平気だと思うが、玄米茶を真夏の一晩、常温で置いたままでは痛んでいるだろうと思い、すぐにその中味を流し台にこぼした。こぼしながら気付いた。中味が玄米茶で無いことを。
 私は毎年シークヮーサー酒を作っている。今年もそろそろ新しいシークヮーサー酒を作る時期なので、去年作ったシークヮーサー酒を広口瓶から手元にあった500ミリリットル入りペットボトルに移したのであった。こぼした中身はそれであった。
 シークヮーサー酒は、他人の評価はともかく、私はとても旨いものだと思っている。500ミリリットル入りペットボトルの8割方入っていたとても旨いものを全て、私は流し台にこぼしてしまったのである。この時は、非常にチルダイした。

 記:ガジ丸 2007.9.23 →沖縄の生活目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行

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