ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ヒヨドリ

2011年04月07日 | 動物:鳥

 朝の叫び声

 10月の岩手は花の無い季節だったが、沖縄は年中花の季節。11月の今でも咲いている花は多い。蝶がヒラヒラ、ハチがブンブンはなお絶えることが無い。この季節、10~11月にかけてはトックリキワタの花がきれい。満開の写真が今朝の朝刊に載っていた。
  この時期はまた、実の季節でもある。多くの木々が実を付けていて、鳥たちがそれを食べにやってくる。アパートの周りには木が多いので、集まる鳥たちで朝から煩い。

 前にタイワンシロガシラの煩さを書いたが、それよりもさらに大声で叫ぶ奴がいる。ヒヨドリだ。群れては来ないのでシロガシラほど鬱陶しくはないが、それにしても声が大きすぎる。「お前はいったい朝から何を叫んでいるんだ!」と問いたくなる。「女に話し掛けるときは、近くに寄って、優しく話し掛けなさい。その方が上手く行くぜ。」と諭したくなる。聴く奴らでは無いが。
 形はヒヨドリに似ているが、ヒヨドリより少し小さく、色はまったく違う鳥がいる。その鳥もまた、知り合いの年配の人はスーサーと呼んでいた。いろんなスーサーがいるもんだとその時は思ったのだが、『沖縄の野鳥』によると、それはイソヒヨドリ。

 
 ヒヨドリ(鵯)
 スズメ目ヒヨドリ科の留鳥 方言名:スーサー
 「鳴き声は「ひいよひいよ」とやかましい。」と広辞苑にあった。ヒヨドリという名前は鳴き声から来ているものと思われる。方言名のスーサーも鳴き声から来ていると『沖縄の野鳥』にはあるが、昔のウチナーンチュの耳は現代人のそれとは少し違っていたのかもしれない。私には広辞苑の「ひいよひいよ」に近いピーピーとかピャーピャーとしか聞こえない。しかも音量が大きい。スーサーなんて息の抜けるような声には程遠い。
 全長27センチ。鳥の大きさの区分を正式にはどうしているのか知らないが、「ヒヨドリはハトとスズメの中間くらいの大きさ」とあった。それで何となく大きさはつかめる。山にも里にも、街にも村にも、東京にも沖縄にもどこにでもいる鳥。
 留鳥として沖縄島にいるのは亜種のリュウキュウヒヨドリ。他にダイトウヒヨドリ、イシガキヒヨドリ、タイワンヒヨドリなどの亜種がいるとのこと。
 
 腹側

 記:ガジ丸 2004.10.12 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野鳥』沖縄野鳥研究会編、(株)新報出版発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行