ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

あの世の正月

2010年12月17日 | 沖縄04行事祭り・生活風習・言葉

 旧正月に今年の初三線(サンシン、三味線のこと)、初唄を予定していたのだが、酒が過ぎて、指を動かすのも、声を出すのも面倒になって、中止した。それから15日が経った昨日(24日)、旧暦で言うと1月16日、三線を弾き、民謡を2曲歌った。
  旧暦1月16日は、ジュールクニチと呼び、沖縄ではあの世の正月となっている。ジュールクニチはしたがって、グソーヌソウグァチ(後生の正月)と言う場合もある。地域によって違いがあるようだが、私の実家のある那覇では、旧正月とほぼ同じ(赤カマボコは無し、揚げ豆腐の切り方も違う。詳しくはいずれ別項で)ご馳走を仏前に供え、線香をたて、手を合わせ、今日は十六日だからご馳走食べてね、などとお祈りするだけ。宮古、八重山などの先島では墓参りもするらしいってことを以前聞いたことがある。
 で、調べてみた。ウシーミー(清明祭、注1)の盛んな首里や那覇では、私の実家のように例年は墓参りなどしない。ただ、この1年の間に死者の出た家では墓まで出向くとのこと。清明祭の盛んでない先島やその他の地域では重箱にご馳走を詰め、墓参りをするようである。その後、三線弾いて、歌って、賑やかに祝うらしい。

 私の父は元々那覇の人で、母の実家は那覇の隣の南風原にあり、南風原も清明祭は盛大にやる。したがって、私の実家では旧暦16日の“あの世の正月”は賑やかでは無い。ではあるが、まあ、普段、ご先祖様に不義理をしている私なので、昨夜の16日は一人でワイン飲みながら、チーズ食いながら、三線弾いて、歌ったのであった。

 今年の初唄は、『正調琉球民謡工工四(くんくんしい、三線の楽譜)』第一巻から「西武門節(にしんじょうぶし)」と「国頭(くんじゃん)ジントーヨー節」の二曲。「西武門節」は辻遊郭の女と客の男との掛け合いの唄で、別れの悲しさを歌う。「国頭ジントーヨー節」は昔の恋人同士が久々に道端で出会ったときの掛け合いの唄で、こっちは明るい唄。どちらも正月に歌うような内容のものでは無いが、子供の頃からよく知っている私の好きな唄なので、今年の初唄に選んだ。
 じつは、正月などのめでたいときに歌う沖縄民謡は「御前風」、「祝い節」などいくつもある。それらは古典音楽で、歌詞の内容も真面目で、格調高い。が、歌っていてあまり楽しいものでは無いので、私はあまり歌わない。
 沖縄には二十日正月(ハチカソウグァチ)というのもある。旧暦の1月20日に行われる行事。終わり正月とも言われるが、これについてはまた、同日に行われる辻遊郭の「ジュリ馬祭り」とともに別項で来週にでも語りましょう。
     

 注1 シーミー(清明):二十四節季の清明の頃に行われる神事。これについてもその時期(4月頃)が来たら詳しく述べましょう。
 記:ガジ丸 2005.2.25 →沖縄の生活目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行

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