ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ハマセンナ

2017年07月16日 | 沖縄の草木:中木

 若い頃、「海風に吹かれたい」などと、私は稀にだが、詩人みたいなことを思った。実家は那覇市泊にあるので海がすぐ近くにある。徒歩5分で泊港だ。海岸を歩きたいと思うと、そこからさらに5分も行けば、若狭海岸の北の端に出る。若狭海岸は若い頃よくデートした場所でもあり、中学の頃は学校が近かったせいもあって、よく遊んだ場所。
 オジサンとなってからは、「海風に吹かれたい」などと思わなくなった。詩人のような心が失われたわけでは無い(と思いたい)。散歩が趣味になって、海辺にもよく出かけ、海風にもよく吹かれているので、そういう欲求が出なくなったのであろう。

 思い出深い若狭海岸も年に1、2回は歩く機会がある。北から南へ海風に吹かれながらブラブラと歩き、時にはノスタルジーに浸ったりする。若狭海岸を南へ行くと波の上海岸と名前が代わり、ラブホテル街となる。ホテル街の前の海岸には海へ突き出た桟橋がいくつも連なって、その先には海の家があった。彼女と二人、海の家でソバを食べたり、ぜんざい食ったり、コーヒー飲んだり、ボートに乗ったりしたことを思い出す。
 海の家は今は無く、辺り一帯は広い公園となっている。過日、若狭海岸からその公園まで散歩した。それまでさっと通り抜けていた公園を、その日はくまなく回った。その時に今まで見たことの無い花を見つけた。特徴のある花なので、後日図鑑で調べると正体はすぐに判明した。ハマセンナ。方言名もあって、沖縄には古くからある植物らしいが、そこ以外ではその時以降も見たことが無い。文献にも「個体数は減った」とあった。

 
 ハマセンナ(浜旃那):添景
 マメ科の落葉低木 奄美以南の南西諸島、台湾などに分布 方言名:ヒザーメ
 センナが広辞苑にあり、ラテン語(Senna:学名)とのこと。旃那という字も広辞苑にあった。本種はセンナに似た浜に自生する植物ということでハマセンナなのだと思われる。別名をハマエンジュというが、エンジュ(槐)はマメ科の落葉高木。葉の形状、花の形などが似ている。ただし、センナもエンジュも本種も互いに別属。ちなみに学名、
 ハマセンナOrmocarpum cochinchinense
 コバノセンナCassia coluteoides Colladon
 エンジュStyphnolobium japonicum
 葉は羽状複葉で柔らかい。方言名のヒザーメはヒージャー(ヤギ)の飯という意、柔らかいのでヤギの飼料になったらしい。緑肥にも使われたとのこと。
 海岸付近に自生する。私もそんな場所(波の上海岸)で見つけた。高さは2~4m。花は淡い黄色地に紫色の筋が入る。開花期は8~10月。
 
 花
 
 実

 記:島乃ガジ丸 2010.3.22 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行

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