ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ミナミフタテンカメムシ

2014年10月24日 | 動物:昆虫-カメムシ・セミ

 地味に生きる

 春から梅雨時にかけて、なっぴばるの向かいにある山の中へ時々入っていった。ショベル持って野糞しに、では無く、カメラを持って写真を撮りに。
 その頃、森の中からアカショウビンやホトトギスの鳴く声がしょっちゅう聞こえた。アカショウビンもホトトギスも生ではまだ見たこと無く、写真も撮っていない。この2種の写真はぜひ撮りたいと思って時々山の中へ入ったわけ。結果、不首尾に終わる。
  アカショウビン、声は聞こえる、あの木の梢の辺りにいるなと見当もつく。だけど見えない。枝葉に隠れていなければすぐに気付くはずだ、アカショウビンは目立つ見た目をしているからだ。だけど、見つけられなかった。残念、来年こそきっと。

 アカショウビンとホトトギスはそれらを見つけようと努力したのだが、私が写真に収めている多くの虫の写真は、見つけようと努力したものはほとんど無い。たまたま農作業をしていて、たまたま目の前にいて、急いでカメラを取りに行って、引き返して、そっと撮ったものだ。目立たないものでも目の前にいれば気付く。ミナミフタテンカメムシは全く目立たないものだが、彼も私の目の前に現れてくれて、気付いた。

 
 ミナミフタテンカメムシ(南二点亀虫):半翅目の昆虫
 カメムシ科 沖縄諸島、宮古諸島、八重山諸島、インドなどに分布 方言名:フー
 名前の由来、カメムシは広辞苑にあり、亀虫と漢字表記され「頭部の突き出た形がカメに似ていることから」。ミナミについては『沖縄昆虫野外観察図鑑』に「沖縄産も本土産のフタテンカメムシと同一種とされていたが・・・別種であることが判明し、沖縄産には新しくミナミとつけられるようになった」とあった。フタテンについては不明、二点という漢字も私の勝手な想像。写真を見ても2つの点があるとははっきり言えないが、本土産のフタテンカメムシには明瞭な2つの点があるのかもしれない。
 体長は11~12ミリ。寄主はサトウキビなどのイネ科植物とのことだが、私は畑の後ろの灌木の中で見つけた。成虫の出現時期は6月から11月。

 記:2014.10.11 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『学研生物図鑑』本間三郎編、株式会社学習研究社発行
 『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』福田春夫、他著、株式会社南方新社社発行
 『琉球列島の鳴く虫たち』大城安弘著、鳴く虫会発行