ガジ丸が想う沖縄

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タテタカコ、厳格な唄

2008年05月23日 | ガジ丸通信-音楽・映画

 先週土曜日、久々にライブを聴きに行った。去年(2007年)8月のEPO以来、9ヶ月ぶり。会場は9ヶ月前と同じ桜坂劇場のCホール。
 桜坂劇場には3つのホールがあるが、Cホールはその中で最も広いホール。EPOは有名人なので、広いホールでも十分集客できるであろうが、今回の演者は、少なくとも私はテレビ、ラジオなどのマスコミからその名前を聞いたことが無い。たぶん、誰もが聞いたことのあるようなヒット曲も無いはず。それでも、広いCホール。
 演者はタテタカコ。シンガーソングライターでピアノ弾き語り。館田加子なのか、縦高子なのか漢字は不明だが、それにしても、早口言葉みたいな名前だ。「竹薮に竹立て掛けたのはタテタカコ」なんて、私は引っかかり無しに言うことはできない。
 タテタカコはしかし、まあまあ有名なようであった。広いCホールが7分の入りとなっていた。20代、30代の若者が多いが、それより上の中年層も少なくない。客の年齢層が幅広いということは、私が知らないだけで、テレビやラジオに出演しているのかもしれない。あるいは、多くの人が知っているヒット曲があるのかもしれない。

  私は知らなかったが、一部では有名であるらしいタテタカコが舞台に上がった。その姿を見て、私は「ほう」とちょっと驚いた。名前からして女性である。服装も女性である。驚いたのはその頭、髪の毛が短い。ほぼ丸刈りに近い。昔の仁侠映画の高倉健みたいな角刈りと言っても良い。何か罪を犯して、最近まで刑務所暮らしだったのか、脳の病気で最近手術でもしたのかと思ってしまう。もしかしたらお笑い芸人かもしれない、滑稽な唄を歌って人を楽しませるのかもしれないとも思ったが、顔は整っているので、そんなヘアースタイルでも笑える顔にはなっていない。「何て女だ」と興味が湧く。

 唄は、滑稽な唄とはまるっきり違っていた。たった1度聴いただけで彼女の唄を一言で表現するのは安易だと思うが、敢えて言うなら、彼女の唄は厳格な唄であった。
 厳格は「きびしくただしいこと。」(広辞苑)とある。確かに彼女の唄は、感性を表現する上で、その言葉にも曲にも厳しさが感じられた。表現したいことを正しく表現できているのだろうと感じられた。そして、表現したいことが明確なのであろう。
 タテタカコのピアノはクラシックであった。クラシックで自分の感性を表現している。ある曲なんかは、まるで、シューベルトの『魔笛』を聴いているようであった。時には強く、時には弱く、時には速く、時にはゆっくりと、言葉が曲に乗って語られた。
 私は、感情を込めて情熱的に歌う唄があまり好きでは無い。鬱陶しく感じる。その曲と詩を聴いて、何を感じるかは聴く方に任せてもらいたいと思っている。だから、演歌なんかも好きでない。なので、タテタカコの唄は、私の苦手なタイプである。ところが、しだいに私は彼女の世界へ引き込まれていった。厳格な唄には、人を引き込む強い力があるようだ。2時間ほどの演奏、私は十分に楽しむことができた。
 
 タテタカコは29歳とのこと。私より20歳ほども若い。私も唄を作っているが、私の唄は軽い。テキトーな所で妥協する暢気な唄となっている。暢気なオジサンは、彼女のように厳しくはなれないのだ。おそらく、人生に対する姿勢が違うのであろう。
          

 記:2008.5.23 島乃ガジ丸

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