ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

味噌汁

2013年03月08日 | 沖縄の飲食:食べ物(料理)

 我は主役なり

 東京で5年間暮らした、といってももう35年ほども昔の話だが、その経験から、といってももう昔のことなので正確に覚えているわけではないが、食堂でメニューの食べ物、例えば野菜炒めとかショウガ焼きとかを頼むと、それ一品しか出てこなかった。ライスは別途注文しなければならなかった。「それが普通だろう」と東京の人は思うかもしれないが、ウチナーンチュは違う。沖縄の食堂では頼まなくてもライスは付いていた。
 ご飯を食べたい時、東京の食堂では例えば、「豚肉ショウガ焼きとライス」などと注文する。ライスを注文するとたいてい味噌汁も付いてきた。「何でライスは注文しないと出てこないのに、味噌汁は注文しなくても出てくるんだ?」と、遥か南のど田舎の、復帰して間もない頃の、沖縄の青年は思ったのであった。

 東京の食堂でも、○○定食と名のあるメニューを頼むとライスは付いていた。ライスだけで無く味噌汁も付いていた。その味噌汁も、ライスを注文した時付いてくる味噌汁もたいていは汁碗に入ったワカメとか豆腐の味噌汁であった。
 我が家でも、母が作る味噌汁にはワカメとか豆腐の味噌汁もあったが、どちらかというと、豚肉や、時には鶏肉やポークランチョンミート(スパムとか最近では言う)の入った味噌汁が多かった。味噌汁には肉の脂がたいてい浮いていた。
 あっさり系の好きな私は倭国風の味噌汁を好んだが、父は脂の浮いた味噌汁を好んだ。ウチナーンチュの多くはおそらく父と同じであろう。父はオーハンブシーが好物であった。オーハ(葉っぱ)ンブシー(煮込み)とは葉もの野菜、キャベツとかチンゲンサイとかをたっぷり、脂身の付いた豚肉、手でちぎり入れた島豆腐の入った味噌汁。

 倭国にも豚肉の入った味噌汁はあった(今もあるはず)。それは豚汁という名で呼ばれていた(今もそうであるはず)。角切りの豚バラ肉、ダイコン、ニンジン、ゴボウ、長ネギなどが具材。冬の食べ物という印象を私は持っている。体が温まる料理であった。
  沖縄の大衆食堂には味噌汁というメニューが年中無休で置いてある。倭国のような汁碗に入ったワカメや豆腐の味噌汁では無い。沖縄の大衆食堂のメニューとなっている味噌汁はメインディッシュとなるものである。丼に入った豚汁に似たもの。
 味噌汁を注文すると、何も言わずともライスは付いて来る。時には漬物も付いて来る。丼の味噌汁をオカズにご飯を食べる。味噌汁は主役だ。脂の浮いた味噌汁が好きなウチナーンチュ、脂を摂取して元気を付け、暑い夏も寒い冬も乗り切るわけだ。

 なお、味噌汁についての広辞苑の説明は「野菜・豆腐などを実として、出し汁に味噌を溶かしたもの」となっている。主役とか脇役とかの区別は無いようだ。
 

 記:2013.3.8 ガジ丸 →沖縄の飲食目次

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