ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

シロアゴガエル

2015年12月04日 | 動物:両性・爬虫類

 じっとする奴

 2012年2月、宜野湾の畑で初遭遇のカエルを見つけた。カエルはバナナの葉の上でじっとしていた。「2月にカエル?冬眠中じゃないのか?フライングして出てしまったのか?だから、あまりの寒さに背中丸めてじっとしているのか?」などと思いつつ、写真を撮る。大きさは5センチ位あり、全体に白っぽい。見たことないカエル。
 畑で良く見るカエルは次の3種。
 ヒメアマガエル、体長20~30ミリ、背中央に縦筋がある。
 ヌマガエル、体長30~50ミリ、ボテッとして、ごつごつした肌をしている。
 カジカガエル、体長25~40ミリ、ほっそりスマートな体形をしている。
 その時見たカエルはそのどれとも明らかに違う。それらのどれより大きく、色が白い。甥の息子が動物好きで、勉強も良くできる。ということで、彼の母親に「2月の寒いある日、体長5センチ程あるカエルを見つけた。バナナの葉の上で寒そうに縮こまっていた。このカエル、何ていう名前のカエルでしょう?Sに訊いてみて。」と、写真を添付しメールした。返事は「Sもこんな白いカエルは知らないと言ってました。」とのこと。

 メールする前に私も図鑑を開いて調べてはいた。写真と似たようなものが図鑑にも無かったのだ。で、不明動物写真フォルダに入れた。そして、そのまま時が流れる。

 2015年9月、西原の畑で未知のカエルを見つけた。カエルはバナナの葉の上でじっとしていた。写真を撮り、家に帰って図鑑と見比べて、それがシロアゴガエルであることが判明する。「バナナの葉の上でじっとしている奴、前にも見たな。そうだ、数年前に宜野湾の畑で見た。」と思い出す。で、2012年2月の写真を見る。色は白いけど同種だと判断。「冬だったので太陽光線が弱く、よって、色が白いのだ」と想像する。

 
 シロアゴガエル(白顎蛙)
 アオガエル科の両生類 沖縄島、宮古島に分布 方言名:アタビチ、アタビチャー
 あごの下の白線が特徴で、それが名前の由来になっている。
 あごの下の白線の他、背中にある4本の縦筋も特徴となっているが、それの無い、または不明瞭な個体もいる。宜野湾の畑で見た本種は不明瞭で、本種であると判断できなかった。西原の畑で見たものは背中にある4本の縦筋がやや明瞭であった。
 体長47~73ミリと大きめのカエル。沖縄在来の動物では無く外来種で、1960年代に米軍の物資とともに持ち込まれたとのこと。
 
 シロアゴガエル横から
 2015年9月、西原の畑で見つけた個体、体長は目視で6~7センチはあった。
 
 シロアゴガエル2012
 2012年2月、宜野湾の畑で見つけた個体、色が白く背中の縦筋が不明瞭。
 
 シロアゴガエル2012大きさ
 バナナの葉の上から降りてもらって大きさを確認。体長は私の指を物差に約5センチ。
 
 2017年2月、畑のタライの中で動かないシロアゴガエルがいた。
 
 カエルのくせに泳げないのかと呆れつつも、助け出した。

 記:2015.11.29 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行