ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

アカホシカメムシ

2011年06月03日 | 沖縄の動物:昆虫-カメムシ・セミ

 美味を求める冒険者

 アパートの畑は約3畳の広さを1区画として、それが5区画ある。元々は、アパートの4世帯に1区画ずつと、大家のとこのオバー(お婆さん)が1区画を受け持つはずだったのだが、隣の若い女も、その下の若い男も畑に興味がないらしく、もう一人の1階の美女は部屋の前の畑で手一杯なようで、また、数年前からオバーは病気療養中で畑どころでは無い。で、今は5区画のうち2区画は大家が、残りの3区画を私が管理している。
 私の3区画にはネギ、島ラッキョウ、ピーマン、ゴーヤー、ニラ、ナス、エダマメ、シソなどが食用として、アロエが薬用として、サクラ、ツバキ、ヤコウボクなどが観賞用として植えられており、大家の2区画にはシソ、オクラなどが植えられている。

  先週のある日、私の部屋のドアの前に1匹のカメムシがいた。近寄って、ちょっと突っついてみたが、飛ばずにヨタヨタと歩いて逃げる。どうやら弱っているようだ。何日も飯を食っていない浮浪者みたいにヨロヨロしている。調べると、このカメムシはアカホシカメムシという種。食草はアオイ科の植物。辺りを見渡すと、大家の庭にも、アパートの庭にも、隣家の庭にもアオイ科の植物は見当たらない。ハイビスカスなんてどこにでもありそうなもんだが、ちょっと離れた家の庭まで行かないと無い。ここらで一番近いアオイ科の植物は、大家の畑に植えられてあるオクラであった。
  私の部屋のドアの前からオクラまではほんの7、8mの距離。カメムシは、美味を求める冒険の途中だったのかもしれない。ハイビスカスよりもオクラの方が美味しいからと欲張ったこのカメムシは、好物にありつく手前で、腹が減りすぎて飛べなくなってしまったのかもしれない。あとほんの7、8m、ここでくたばるか、もう少し頑張れるか。

 そのカメムシをそのままにして外出し、1、2時間も経ってから戻ってみると、カメムシは消えていた。最後の力を振り絞って好物に向かったのかと畑のオクラを確かめたが、そこにカメムシはいなかった。カメムシの最後の力は、5、6m分しか残っていなかったのかもしれない。畑の雑草に埋もれて、「む、無念」と呟いたかもしれない。

 
 アカホシカメムシ(赤星亀虫):半翅目の昆虫
 ホシカメムシ科 沖縄、台湾、東南アジアなどに分布 方言名:不詳
 赤い星のあるカメムシということでは無く、体の色が赤橙色をしているのでアカ、背中央に一対の黒点があって、それをホシと見なしてアカホシということ。
 沖縄では普通種。といっても、興味が無ければ気付かない。このHPを始める前は、虫などにほとんど興味の無かった私も、こんなものがこの世に存在することをまったく気付かなかった。きれいな色模様だと思うが、「嫌な匂いを出す」という警戒色らしい。
 成虫の体長は12~17ミリ。国内では沖縄だけでなく九州にも分布し、台湾、フィリピン、インドなどにもいるとのこと。沖縄での出現時期は4月から1月。奇主はオオハマボウ、ハイビスカス、フヨウ、ムクゲなどのアオイ科の植物。
 アオイ科の植物は野にも山にも、民家の庭にも公園にもたくさんあるので、アカホシカメムシは、沖縄で衣食に困ることは無い。よって、どこにでもいて、よく見かける。本文のアカホシカメムシも冒険さえしなきゃ、平和に暮らせたはずなのだ。
 
 ドアの前にいたアカホシカメムシ

 記:ガジ丸 2005.4.23 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行

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