ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

エコバッグ騒動

2007年07月27日 | 通信-環境・自然

 「市役所や保険事務所とかを回らないといけないので、あんた、車出してくれない。」と姉に言われ、先週の金曜日、職場の台風被害後始末は延期して、午後から姉の運転手となる。実家に車はあるが、姉はペーパードライバーなので運転ができないのであった。
 その日は快晴で、陽射しがガンガン照り付けていた。沖縄の夏の太陽は激しく熱い。日向に車を置いておくと車内温度はすぐに50度を超える。市役所の駐車場は屋根があり陰であったが、保険事務所のそれは日向だった。なので、私は車を降りずにエンジンをかけたまま、クーラーをかけたまま姉が戻るのを待った。15分間ほどのことである。
 戻ってきた姉が開口一番、「あんた、ずっとエンジンかけっ放しだったの?だめよ。環境に悪いじゃない。」と言う。姉のためと思ってのことだったが、「ほほう、地球環境に対して、ちゃんと問題意識を持っているようだな。」と少し感心する。
 それからしばらくして、実家へ姉を送る。買い物をして、荷物が多くあったので一緒に家に上がる。父が待っていた。その父に姉が開口一番、「何でクーラーつけないの?暑いじゃない。」と言う。父は、私といる時はクーラーをつけない。西日の差す部屋で父も私も扇風機のみで、汗を滲ませながらパソコン講義をやっている。父も私もそれで良しとしている。その父が「今、つけようと思ってたんだ」と、慌ててクーラーをつける。
 「この女、エコなのかエゴなのか、訳の判らない奴」と私は姉を見て、思った。

 そういえば、その2、3日前、「買い物があるから、仕事が終わったら、来て。」との依頼が姉からあった。平日の私は炎天下で8時間ほどの肉体労働をしている身である。仕事を終え、家に帰るとクタクタになっている。それから、片道30分かかる実家へ行き、姉を拾い、買い物をし、30分かけて家に帰るまでビールが飲めない。これはきつい。なので、「タクシー使えよ。」と断る。「タクシー代、勿体無いじゃない。」と姉は言う。実家からスーパーまでは基本料金で済む。往復千円もかからないのだ。「クタクタの体で2時間も付き合わされる俺は勿体無くないのか!」と私は思ったが、口にはしない。
  「こんな暑い中、歩いて病院へ行ってるのよ。」と、さも大変そうに姉が言う。病院までは徒歩10分、ゆっくり歩いても15分である。荷物が多くなければ、あるいは、雨が降っていなければ、徒歩30分の距離は私の徒歩圏内である。なので、「エコを考えるなら、そのくらい当然だろう。」と私は思うのだが、これもまた、口にはしなかった。

 先日、テレビのニュース番組で、ブランド物のエコバッグに群がる人々の映像を見た。エコを考えるのであれば、バッグはブランド物である必要は無い。これもまた、エコなのかエゴなのか訳の判らない騒動である、と私は思った。 
          

 記:2007.7.27 島乃ガジ丸