ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ヨツモンカメノコハムシ

2013年06月07日 | 動物:昆虫-甲虫目

 亀の子?亀の甲?

 自給自足芋生活を目指している私は、宜野湾の小さな畑にも西原のなっぴばるにも芋を植えてある。今でも掘ればたぶん食える芋が出てくるはずだが、雨のせいと、他にやるべき作業が多くあったという理由でしばらく芋掘りをやっていない。
 掘った芋を洗うのに私は束子(たわし)を使っている。なっぴばるにはナイロンの束子があって、それで大雑把に泥落としをし、家には昔ながらの亀の子束子があり、それで仕上げ洗いをしている。束子でごしごしやると皮も一部剥けてしまうが、昔ながらの亀の子束子は棕櫚(しゅろ)などの繊維でできていて、自然の有機物だ、ごしごしもちょっと優しい、皮もさほど剥けない。なので仕上げに使っているわけ。

 亀の子束子、広辞苑に「形が亀に似ているから」と名前の由来があった。「亀の子供に似ている」とまでは書いていない。亀は大人も子供も同じ形なので特に「子供」で無くても良いわけだが、ならば、何故、漢字で「亀の子」と表記するのか不明。

  カメノコハムシのカメノコ、名前の由来は「危険を感じると脚と頭を体の中に隠し、それが亀のようであることから」とあった。漢字表記は文献に無かったが、カメノコタワシ同様「亀の子」かもしれないが、私は「亀の甲」としたい。そうするとカメノコウハムシという読みになってしまうが、それでも「亀の甲」としたい。
 沖縄の伝統的な墓に亀甲墓というものがある。キッコウバカとも発音されるが、一般的にはカメコウバカと読む。ウチナーグチ(沖縄口)発音ではカーミナクーバーカとなる。形が亀の甲に似ているのでその名がある。カメノコハムシも亀の甲に形が似ている。ウチナーンチュの私としては、「であれば亀の甲であろう」と思ったわけ。

 
 ヨツモンカメノコハムシ(四紋亀の甲葉虫):甲虫目の昆虫
 ハムシ科 沖縄島以南、台湾、中国南部~インドに分布 方言名:なし
 危険を感じると脚と頭を体の中に隠し、それが亀のようであることからカメノコ、葉を食べることからハムシとつく。背に黒く模様が入っていて、それがヨツモンの名の由来と思われるが、黒い模様は4つの班でも無く「四」の形にも私には見えない。
 四つ門という字も思い付いたが、四つ門は「江戸時代の遊郭で、夜の四つ時に太鼓を打ち回って大門を閉じたこと」(広辞苑)で、関連は無さそう。
 体長8ミリ内外で、日本に生息するカメノコハムシ類では最大とのこと。背面はでこぼこしている。上翅と前胸背板の縁が外にせせり出ていて、そこに脚、頭を隠す。
 成虫の出現は6月から11月。寄主はノアサガオ、サツマイモ。

 記:2013.5.25 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行