ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

アダン

2017年07月16日 | 沖縄の草木:公園街路

 昨日(7月2日)、クマゼミの声が聞こえた。1匹だけだったので多勢に無勢、大量にいるアブラゼミの声にかき消されて、まもなく聞こえなくなった。今日、クマゼミは2匹に増えたかもしれないが、聞こえてくるのはジー、ジッ、ジッ、ジッ、ジッ、とやはりアブラゼミの声となっている。窓の外は青空、朝は涼しい風が吹いている。クマゼミがアブラゼミを席巻する頃は、朝夕の涼しい風がなくなる頃でもある。気温は上がり、湿度は高くなり、それで、無風状態となる。耐え難きを耐え、忍び難きを忍ぶ夏本番はもうすぐ。

 夏の樹木といって思い浮かぶのはいくつもあるが、夏の海辺の樹木といって真っ先に思い浮かぶのはアダン。無風であっても台風の日でもアダンは海辺に似合い、強烈な日差しに照らされても、夕日のオレンジ色に照らされても、アダンは夏の海が似合う。
 沖縄の海岸端を歩くとアダンを見つけるのは易しい。葉に棘があり、それでちょっと切り傷をこさえた子供の頃の思い出を持っているウチナーンチュは多かろう。ビーチパーティーや海辺のキャンプの景色にアダンはたいてい存在する。ウチナーンチュにとっては最も親しみの深い海辺の植物の一つである。
 アダンはまた、奄美の人にとっても海辺の代表のようで、ソテツの項で述べた奄美の画人、田中一村の絵の中で、最も印象に残っているのは、じつはソテツではなく、このアダン。アダンが海辺の夕暮れの中にある。パイナップルに似た実を枝からぶら下げている。
 
 アダン(阿檀):防潮林、公園
 タコノキ科の常緑高木 原産分布は奄美以南、熱帯アジア 方言名:アダニ、アザキ   陽光地を好み、成長は速い。海岸地帯に自生する耐潮風性の最も強い樹木の一つ。幹から多数の気根を出す、のはタコノキと一緒。が、タコノキに比べると幹、枝、気根ともに繊維が弱いようで、自生のアダンには形が崩れているものが多い。しかし、そのクネクネした形がまた良い景色となっているのもある。別名シマタコノキという。
 葉は、棘を除去して乾燥させ、ゴザ、ゾウリ、カゴ、帽子等に利用される。広辞苑によると、気根でわらじ、茎は弦楽器の胴、根はキセル材に使ったとある。実は熟するとオレンジ色になり、ヤシガニやヤドカリ等が好んで食べる。結実期は8月から11月。
 
 実

 記:島乃ガジ丸 2005.7.3 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行

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