ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

牛汁

2011年03月21日 | 沖縄の飲食:食べ物(料理)

 亭主を牛耳る

 土曜日(13日)、模合(モアイ。女房にも文句を言われない飲み会)があった。そのメンバーの一人Yは、NHKのドラマ『ちゅらさん』で有名になった八重山小浜島の出身である。祭事などで、沖縄では山羊を潰す(食用にするために殺すこと)が、八重山では牛を潰すということを聞いていたので、その詳しいことについてYに尋ねた。
  行事、主に青年祭などの時に牛を1頭潰して、それを牛汁にして、皆で食べるとのことである。大鍋の中には、あらゆる内臓を含めた牛肉の他、冬瓜、人参などの野菜を加え、味噌で味をつけるとのことである。ちなみに、山羊汁は概ね味付けをしない。山羊汁をどんぶりに入れ、食べる人が好みで塩、しょうが、ヨモギなどを加える。
 ちなみに、八重山では馬汁も食うらしい。馬は牛より安いので、牛を買えない所得の人は馬にしたということである。作り方や加えるものは牛汁と同じ。

  沖縄にも牛汁はある。山羊汁は独特の臭みがあり、嫌う人も多いので山羊料理専門店みたいなのがあるが、牛汁は、どこにでもあるというわけでは無いが、普通の食堂にも置いてある。私の、金曜日の職場の近くに美味い牛汁を出してくれる大衆食堂がある。そこの牛汁、もう10年以上もご無沙汰していて、今もそうなのか不明だが、脂っこくて、量も多い。小さく弱くなった今の私の胃では、ちょっと食えそうも無い。ではあるが、今回はこの記事のために頑張って、挑戦した。・・・美味かった。が、・・・きつかった。

 5月5日、H夫妻と一緒に那覇ハーリー観戦に出かけた。食に対する情熱の高いH夫妻は、ハーリー観戦よりも立ち並ぶ屋台に興味があるようで、ほとんど全ての屋台を見て回った。そこでアグー(豚肉)を食い、ケンタッキーフライドチキンを食い、ビールを2杯(女房のE子は3杯)飲んで、もう十分に1日分のカロリー摂取が済んだ後のこと。
 Hが、「牛汁かヒージャー汁が食いたい」と言うので、その屋台へ入る。すると、E子は、そんな夫の意向をまったく無視して、隣の屋台からアグーの豚汁を買ってきて、「これが美味しいのよ」と言って、自ら食い、夫にも勧めた。豚汁を美味そうに食うE子の三段腹を眺めながら、「共食いしてらあ」と私は心の中で思いつつ、夫にあれこれ指図し、リードしていく様子を見て、「牛耳る」という言葉が頭に浮かんだ。

 「牛耳る」は、広辞苑によると「首領となって、ある人または組織を意のままに操縦する」とある。牛汁が食いたいと言う亭主をE子は牛耳るのである。自分の好む豚汁を食わせて、まさに、「夫を意のままに操縦」しているのであった。
 ちなみに、牛耳るは「牛耳を執る」と正確には言い、
 「(春秋戦国時代の中国で、諸侯の会盟に際して、盟主が牛の耳をとって裂き、その血をすすって誓い合ったという故事から) 同盟の盟主となること。転じて、団体・党派などを実力で支配することをいう。」(広辞苑)とのこと。
 
 

 記:ガジ丸 2006.5.19 →沖縄の飲食目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行

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