ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

仕立てる果樹

2014年01月10日 | 沖縄01自然風景季節

 私が借りている300坪の畑なっぴばる、作物生産に間接的に必要な畑小屋、物置、駐車場、通路などが全体面積の約三分の一を占めている。残りの約200坪が直接的作物生産面積であるが、実際にはまだ、半分の100坪も使っていない。
 去年(2013年)の11月5日に物置を建てた。物置には今、大工道具や農機具、農業資材などを収めてあるが、物置設置計画の最初の構想ではそこに耕運機を保管する予定であった。耕運機は盗難にあいやすいと近所の先輩農夫たちに聞かされていたので、鍵のかかる物置があれば耕運機も置けると思っていたのだ。
 ところが、一度耕した土壌、さらに、刈草でマルチング(土を覆うこと)して、その後その草ごと耕した土壌は柔らかくなっていて、手作業で耕しても楽になっており、時間もそうかからなくなっていた。なので、「耕運機は要らないかも」となっている。

 この先も機械を使わずに手作業でやってやるか、と半ば決めてはいるが、今まで耕したことのない土壌は固いし、柔らかくなった土壌であっても、手作業で除草し、耕し、畝立てし、種を播き、収穫するのは一人だとやはり時間がかかる。一人手作業を続けるという条件だと、野菜畑は100坪程度が限度かなぁと感じている。
  というわけで、直接的作物生産面積200坪の内、半分の100坪は果樹園にしようと決めた。そこには現在、カキ、ミカン、コーヒー、グヮバ、ビワ、バナナ、パパイアなどの苗木を計40本ほど植えてある。これからさらに増やしていく予定。
 果樹園を設けるのは、果樹を植えてしまえば実が生り、熟したら収穫する作業と、時々その下の除草をやれば済む。つまり、100坪の管理が野菜畑より楽だと思っているからであり、それなら一人手作業で300坪の管理もできるだろうと思っているからだが、ところが、果樹園も放ったらかしではいけないということが先日判明した。
     

 なっぴばるの近所で主にシークヮーサー栽培をしている爺様がいる。88歳のNさん。そのNさんが先日、私の畑の、ちょうど小屋前で一服していた私の所まで来て、「ちょっと私の畑まで来てくれんか?」と言う。で、付いて行った。
  爺様の畑に着くと、「これを見てごらん」と地面を指差す。見ると、地面の上に黄色く熟したシークヮーサーの果実が無数に落ちていた。「勿体無いだろ?これを見ると悔しくてイライラするんだよ」と言う。「落ちたものの多くは熟しすぎて商品にならない。高い所に生っているものは手が届かなくて、みすみす無駄にしている」と続ける。
 爺様のシークヮーサーの木は、その多くが高さ5~6mあり、低い所の実は収穫が済んだようだが、高い所にはまだ多くの実が残っていた。畑小屋の周りにも数本のシークヮーサーの木があって、爺様は小屋の屋根の上から木に脚立を掛け、脚立に上って、左手で枝を引き寄せ右手で果実をもいでいるとのこと。つまり、両手はその作業のため体を支える役には立っていない。爺様の体は不安定な脚立に乗っている両脚だけで支えられている。88歳の脚だ、脚立が揺れたらバランスを保つのも難しかろうと思う。

  「高い所の実を収穫するのを手伝ってくれんか?」と爺様に頼まれた。不安定なトタン屋根の上に、不安定に掛けられた脚立に上っての作業、年寄りにはとても危険な作業である。年寄りと呼ばれるにはまだ早いオジサンの私にとっても危険な作業だ。そこで、ふと思い出した。若い頃沖縄島北部の本部町にあるミカン(タンカン)畑でミカン狩りをしたことがある。そこのタンカンの木は皆、3mほどの高さだった。
 「Nさん、実の着いている枝を落としましょう、シークヮーサーの剪定時期が今で良いかどうか明日確認しますから、作業も明日にしましょう」と言ってその日は帰る。
  翌日、近所の先輩農家のNMさんにシークヮーサーの件を相談した。
 「N爺さんは木と木をくっつけ過ぎなんだ、くっつけ過ぎると木は太陽を求めて横では無く上に伸びて行く。だから、N爺さんの木は背が高くなる。もっと離して植えて、枝を横に引っ張って横広がりの形に仕立てないといけないんだ」とのことであった。
 剪定は今、12月から1月が適宜とも聞いたので翌日、N爺様の畑へ行って、高く伸びた枝の先にたくさんの実を着けている1本のシークヮーサーを剪定した。実をたくさん着けた枝は地面に下ろし、爺様が座って収穫できるようにした。
     
     
     

 私も、私の畑の果樹園にミカン類(カーブチー、シークヮーサー、タンカンなど)を植えようと思っている。既に7、8本は植栽済みで、これからさらに十数本、合わせて20本は植えたいと思っている。「そうか、植え放しではいけないのか、剪定し、枝を誘引する作業が必要なんだ、放ったらかしでいいというのは甘い考えだったな」と反省。
 果樹はミカン類だけでは無い。カキ、アボカド、コーヒー、グヮバ、ビワ、バナナ、パパイアなども含めたら既に40本はあり、今後も増やしていき、ミカン類も合わせて合計120本程度の果樹園にする予定だ。この内カキ、アボカド、コーヒー、ビワなどはおそらく、ミカンと同じく剪定と枝の誘引作業が必要であろう。
 120本の剪定と誘引作業といっても、それはそう時間のかかる手間ではあるまい。時間がかかるのは収穫時だ。例えば、全てミカンとして計算してみる。1本から100個の果実が採れるとして12000個、移動時間も含めて1個収穫するのに10秒かかるとしたら、全て収穫するのに12万秒、時間にすると約33時間だ。あれっ???

 「33時間、あれ?なんかできそうな感じ」と呑気な新米農夫は思ってしまった。よって、果樹園は予定通り進めることにした。問題は別の「時間」にある。モモクリ三年カキ八年、ミカン類は九年という、果実が生るまで時間がかかるということ。
 私の畑のミカンが収穫できるようになるまで9年、生きているかどうかも分からない未来。「あー、収穫に人手が欲しいなぁ」と悩むような日が来るのかどうか、いやいや、来るかもしれない未来を楽しみにして、明日、カキの種を播くとしよう。

 記:2014.1.3 ガジ丸 →沖縄の生活目次

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