ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ヤナギバルイラソウ

2017年08月13日 | 沖縄の草木:草本

 職場の庭のあちらこちらに雑草のようにして生えている植物がある。気付いたのは数年前のこと。梅雨の季節になる頃からきれいな青紫色の花を咲かせてくれている。当初は庭の一箇所、ごく小さなスペースにこじんまりと少量があっただけだが、年々、その数と占有面積を増やしていったので、雑草なのか、と始め私は思っていた。が、花はきれいだし、葉も煩くないし、雑草では無いかもと、去年のある日、植物に詳しい同僚に尋ねた。
 「ヤナギバルイラソウだよ」と同僚は答えてくれた。その時はまだ、このガジ丸HPを始める前だったので、名前だけ聞いて、それ以上のことは訊かず、また、自分でも調べることはしなかった。ただ、想像だけはした。ヤナギバルイラソウ、何か変な名前。

 那覇の東に位置する南風原町は、ハエバルと読む。北にある西原町はニシハラだが、元はイリバルと読んだ。新原はミーバル、桃原はトーバル、前原はメーバル、後原はクシバル、といった風に、原はウチナーグチ(沖縄口)で読むとハル、またはバルとなる。鹿児島にも原をバルと読む地名があることを知っている。西郷隆盛の西南の役で有名な田原坂はタバルザカという。
 ヤナギバルイラソウ、ヤナギバルという名の地名が鹿児島かどこかにあって、そこで発見されたイラソウであろうと私は勝手に想像していた。ヤナギバルという地名は柳の木の多く生えた原っぱ、どこかにありそうだ。漢字は柳原でなくて柳治でもよい。イラソウは刺草である、刺草はイラクサと本来読むが、形容する名詞が前にくればイラソウと呼んでもおかしくない。

 イラクサというのはイラクサ科の多年生草本。若芽が食用となる植物。日本の山地に自生している。ヤナギバル-イラソウ、私がそう想像したのは、ハエバルとかトーバルとかの音に慣れているウチナーンチュであったからであろう。倭人の多くはヤナギバで区切るかもしれない。ヤナギバは柳葉である。じつは、植物に興味を持っている人ならそれが自然と、今は思う。
 カシワバ(柏葉)イヌビワとか、モミジバ(紅葉葉)アサガオとか、マキバ(槙葉)ブラシノキとか、何かの葉に似ている葉を持った別の植物を、その何かの植物の名前を頭につけて表すことがよくある。植物に興味を持ち始めてから長い年月を過ごしている私は、そういうことがあるってことをよく知ってはいたのだが、そういった知識よりも、ヤナギバルイラソウをヤナギバルと区切るウチナーンチュの感性がずっと勝っていたというわけなのだ。
 
 ヤナギバルイラソウ(柳葉るいら草):花壇・地被
 キツネノマゴ科の多年草 メキシコ原産 方言名:無し
 高さ30~50cmほどになる草本類。葉は柳のような細長い葉、で、柳葉るいら草。ルイラは属名のRuelliaからきているものと思われる。
 花茎を斜め上方に出し、先端に青紫の花を数個つける。花は一日花だが、次から次へと咲いてくれる。排水良好で日当たりの良い場所にあると花つきも良い。繁殖力は旺盛で、地下茎で株が増え、また種が飛び散って周辺で自然発生する。開花期は4月から10月。
 
 花

 記:島乃ガジ丸 2005.6.9 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行

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