ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

シロモンノメイガ/シロオビノメイガ

2011年11月04日 | 沖縄の動物:昆虫-鱗翅目(チョウ・ガ)

 白無垢の姪が

 従姉は、子供の頃長く一緒に暮らしていたこともあって、姉という認識であった。そのことがあって、彼女の息子は甥、娘は姪という感覚が私にはある。
 甥と姪は私に懐いてくれて、私も彼らを可愛がった。私は、男より女の方が断然好きなので、特に姪に関しては、彼女が美形だったこともあって、とても可愛がった。
 その姪が一昨年、結婚した。彼女の幸せを願っていた私は、姪を他所の男に獲られてしまったという思いは無く、喜ばしいことと心から思ったのである。で、私に可愛がられた姪は当然、結婚式に私を呼ぶものと思っていた。が、呼ばれなかった。何故だ!

 結婚式から一年半余も過ぎて、呼ばれなかった淋しい思いもすっかり忘れた頃、ヤンバル(山原と書き、沖縄島北部の通称)の山中を散策する機会があった。その時、小さな蛾を発見した。彼女(彼かも)は「写真撮っていいよ」と言わんばかりに私の近くに止まってくれた。お言葉に甘えて写真を撮る。調べる。シロモンノメイガと判明。
 結婚式に呼ばれたなら、一段と美しくなった姪に、
 「やあ、馬子にも衣装とはこのことだな」と私は憎まれ口を叩く。
 「ばーか」と姪は笑って、それから真顔になって、「今までありがとう」と言う。私は少しウルウルするが、それを振り払うようにして、
 「写真撮っていいか?」と訊く。4月の空は澄みきって、風が優しく流れている。白無垢の姪が「いいよ」と微笑んでくれる。白無垢の姪が、シロムクノメイガ。
 シロモンノメイガという名前から、そんな妄想を抱いたオジサンなのであった。

 シロモンノメイガ(白紋の螟蛾):鱗翅目の昆虫
 メイガ科 北海道~与那国、台湾、中国、東南アジア、他に分布 方言名:ハベル
 メイガを広辞苑で調べると「すぐれた絵、すぐれた映画」などとあった。いやいや、これでは無い。「メイガ科に属するガの総称。特に、髄虫(ずいむし)の羽化したガ。農林作物の害虫が多い」である。ズイムシを調べると「草木の茎・枝などの髄に食い入る昆虫の幼虫の総称」とある。なるほど、髄まで食い入るから植物を枯らし、害虫となっているわけだ。そのメイガ科で、翅に白紋があるのでシロモンノメイガという名。
 前翅長8ミリ内外。「草地に生息し、昼間も行動するが、夜間にも灯火に飛来する」と文献にある。昼も夜も動き回る頑張り屋さんなのである。私が見たのはヤンバルの草地の真っ昼間。成虫の出現は3月から12月。メイガ科は上述の通り、その幼虫が稲の害虫となっているのだが、本種の幼虫の食草は不明とあった。

 
 成虫   

 シロオビノメイガ(白帯の螟蛾):鱗翅目の昆虫
 メイガ科 日本、南西諸島、東南アジア、他に分布 方言名:ハベル(ガの総称)
 メイガの仲間は農林作物の害虫が多いらしい。本種もその例外では無く、『沖縄昆虫野外活動図鑑』に「1週間ほどで10~20アール(の広さの畑)のホウレンソウを食い尽くすことがある」との記述がある。10アールとは300坪、恐ろしいこった。
 ホウレンソウを食い尽くすのはもちろん幼虫である。この幼虫には髄虫(ズイムシ)などという特別な名前もある。それだけ農家から嫌われているということであろう。食草のイヌビユ、ハリビユ、アオビユなどはどこにでもあるので、個体数も多い。
 前翅長10ミリ内外。成虫の出現時期は3~11月。幼虫の食草はホウレンソウ、イヌビユなど。日中は巻いた葉に隠れ、夜間に摂食するとのこと。
 
 成虫       

 記:ガジ丸 2006.5.28  →沖縄の動物目次 →蝶蛾アルバム
 訂正加筆 2009.4.6

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行

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