ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

清々しい女

2015年01月23日 | ガジ丸通信-その他・雑感

 「金曜日に那覇へ着く、迎えに来れる?」と弟から電話があったのはその数日前の月曜日。それ以前に「近い内に里帰りする」といった連絡は何もなく、急な話。「あー、大丈夫だけど、泊るところはどこ?」と訊くと「決めていない」と言う。「えーっ!」と思いつつ「わかった、Mに訊いてみるよ」となり、「頼む」と弟は言い電話をきった。
 弟は「何しに」という里帰りの目的など言わない。訊かない私も悪いのだが、航空会社名も言わない。那覇空港は航空会社によって出口が違うので、その名前を知っていた方が迎える方も楽。まあ、携帯電話で連絡すればいいので大きな問題では無いのだが。

 弟は沖縄滞在中、私以外の人とあまり話をしていない。叔父の家で叔父叔母と少し、私の金曜日の職場ではそこの事務員とほんの一言、その日、そこの2階にある喫茶店でちょっとしたパーティーがあり、それにお呼ばれして昼飯を御馳走になったにもかかわらず、そこにいた従姉と一言二言しゃべっただけで、他のオバサン連中6~7人とは声を交わさなかった。彼がまあまあしゃべったのは従妹の家と、私の友人Oの店だけ。
 「話をしないなんて、何が楽しいの?」と金曜日の職場の事務員は言っていたが、いいのだ、男は無口で。必要なことが判ればいいのだ。「寺へ行こうか?と訊くと「行こう」と答え、「昨日行けなかった店に食べに行こうか」と訊くと「いいよ、そこはもう」と答えるなど彼は意思がはっきりしている。それだけで私は気持ち良く相手できる。
 「何食べに行く?」、「何でもいいよ」、「じゃあ、ラーメンにしよう」、「何でラーメンなのよ!」と不機嫌になるような女を私はとても苦手にしている。「入院だって?見舞いに行くよ」、「来なくていいよ、たいしたことないから」、「そうか、なら止すよ」となって、その後、「何で来ないのよ!ホントは来て欲しいという気持ちに気付けよ!バカ!」と不機嫌になるような女も私はとても苦手にしている。
          

 5日間弟に付き合ったため畑仕事がおろそかになっていた。弟が来る前から「収穫しなきゃあ」と思っていた自家消費用キャベツ3個、1個は収穫済みであったが、残る2個は弟が帰った後に収穫。その2個は友人のIさんとK子にあげることにした。
 その旨2人にメールする。が、K子からの返事が無い。その数時間後に電話する。が、電話を取らない。その夜、再び電話すると取った。が、声が小さい。いつもの彼女ではない。で、年末会った時「膝の手術をする」と言っていたのを思い出し、「手術したのか?今病院なのか?」と訊いた。「うん、2日前、2週間入院の予定」との答え。
 翌日見舞いに行くと、彼女はちょうどリハビリ中で、トレーナーが彼女の左膝をさすっていた。右膝も包帯しているので、「両方一遍に手術したのか?普通は片方ずつじゃないのか?」と訊くと、「そうですよね、Kさんは珍しいんですよ」とトレーナーも言う。それに対するK子の答えは、「一遍にやった方がサッパリするさ」とのこと。きっぱりさっぱりの決断だ。「えーい、鬱陶しい!」とは彼女のよく発するセリフ。

 私が彼女を好きなのは見た目はともかく、その性格だ。電話で「見舞いに行くよ」と私が言った時も「来て」と答える清々しい女、世にも珍しい「男が疲れない」女。珍しくない普通の女の複雑さに私はひどく疲れる。そうか、だから私は結婚できないのだ。
          

 記:2015.1.23 島乃ガジ丸

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