ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

違いの判るオバー

2010年12月31日 | 沖縄04行事祭り・生活風習・言葉

 アパートから職場へ向かう道の一部はバスが走る大通りとなっている。大通りといっても片道一車線で、歩道も満足に無い狭い道。それが今、拡幅工事を行っている。現在、全長約2キロメートルのうちの3分の1ほどが済んで、なお続行中。
 拡幅工事なので、立ち退きの建物が、その2キロ分のほとんどにあった。アパートから職場まで行く約1キロメートルの間にあった店舗のうち、既に魚屋1軒、魚屋兼天ぷら屋1軒、薬屋1軒、マチヤグヮー(雑貨屋)1軒が立ち退いている。数年内には、まだ残っているマチヤグヮー兼弁当屋1軒と専業弁当屋2軒が立ち退くであろう。
  そう、たった1キロの間に弁当屋が3軒ある。別に2軒あるスーパーも、1軒のコンビニも弁当を置いている。弁当屋が多いのである。沖縄は。
 金曜日の職場は車で30分ほどの距離にあるが、その間には、専業の弁当屋が3軒、マチヤグヮーとの兼業が1軒、天ぷら屋との兼業が2軒、弁当を置いてあるコンビニが4軒とスーパーが2軒ある。別に、車に弁当を乗せて売る移動弁当屋もある。
 他府県の事情は知らないが、沖縄はもう何十年も前から弁当屋がたくさんある。どこそこの弁当屋が美味しくて安いよ、なんて情報は、タクシーの運転手や、現場へ出る肉体労働者のよく知るところであり、その店の前には弁当を買う車が並んでいる。

 20年ほど前のある日、そんな人気のある弁当屋の一つへ入り、弁当を物色した。何種類もの弁当を並べてあるカウンターの向こうには主であるオバーが座っている。
 並んでいる弁当を見ていて、私はふと気付いた。同じ大きさで、内容も全く同じである弁当が、一つは300円、もう一つは350円とあった。不思議に思って尋ねた。
 「オバー、この弁当と、この弁当は同じものに見えるけど、何が違うの?」
訊かれたオバーは、2つの弁当を見てちょっと悩んだ顔をしたのであるが、代わる代わる何度か眺めた後、さも、すごいことを発見したかのように、顔を輝かせて言った。
 「兄さん、うれぇ(これは)」と値札を指差して、「50円が違うさあ。」
     

 記:ガジ丸 2006.5.2 →沖縄の生活目次

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