ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

他人の痛み

2011年04月29日 | ガジ丸通信-社会・生活

 沖縄料理のニンジンシリシリーやパパヤシリシリーを作る時に用いるシリシリーという調理器具、ウチナーンチュなら知っていると思うが、倭人には知らない方も多いと思われるので説明すると、ダイコンやニンジンを千切りにする際の卸し金のこと。直径5、6ミリほどの穴が斜めに開いていて、そこにダイコンやらニンジンやらを滑らすと、直径5、6ミリ程に切られたダイコンやらニンジンやらが出てくる仕組みの道具。
 4月3日、久々(今年初)にニンジンシリシリーを作った。私は愛用のシリシリーを持っている。それを使って先ずはニンジンをシリシリーする。

 私は大雑把な性格なので時々ヘマをする。小さな切り傷や火傷は日常茶飯事だ。小さな傷や火傷はあまり気にならないので、それを反省して、以後気を付けるということもないので、長い人生の間、小さな傷や火傷は折々に絶え間無く続いている。
  その日、ニンジンをシリシリーしている際、もうすぐ1本のニンジンをシリシリーし終えるという時にヘマをした。怪我とか血とかに弱い人はここで「おぞましい」と思うであろうが、ニンジンだけでなく、自分の指まで私はシリシリーしてしまった。
 自分で言うのも何だが、私は反射神経の良い方である。なので、小さな怪我は多いが、大きな怪我をすることはあまり無い。その日も、反射神経の良い私は、「あっ!」と思った瞬間に腕の動きを止めた。で、シリシリーしたのは親指の爪5、6ミリを切ったくらいで済んだ。5、6ミリでも神経の通っている部分には達していたので痛かった。
          

 親指の爪5、6ミリ切ったくらいの痛さは、しかし、私にとっては日常茶飯事の範囲内で、「肉を深く切らずに助かったぜ」とむしろ、ラッキーだと感じた。ところが、
 洗い物したり、畑小屋作成の大工仕事をしたりした時などに親指を使う際、切れた爪の部分を何かに引っ掛け、そこから先の爪が少しずつ剥がれてしまうことが頻繁に起きた。剥げる時には痛みを感じる。それは「うっ!」と声が出るくらい痛い。
  その痛さを何度も経験し、爪が徐々に深く剥がれつつ、その際の痛みも増していく中、ついに4月24日、爪先が全て剥がれた。剥がれた後も数日は、親指を使うと痛みが走った。ということで、親指が満足に使えない状況は約一ヶ月続いたことになる。
 利き腕の親指が使えないと何かと不便であった。お菓子などの袋が開けられない、何かをつまむことができない、携帯メールもできなかった。携帯メールは携帯電話を左手に持ち、右手の人差指で打った。日常生活の中で利き腕の親指は働き者だったのだ。
          

 そこで気付いた。三枚歯などという最新のカミソリを持っている父が、一昨年、3万円余の電気カミソリを買った。「いいの持っているのに何で?」とその時思ったが、父は利き腕の右手が不自由であった。年取ってさらに動き難くなったのだろう、普通のカミソリでは上手く剃れなくなったのであろう。それで、3万円余の電気カミソリとなったに違いない。不肖の息子は当時、そこまで思いが及ばなかったのだ。右手の親指が使えなくなって初めて、私は父の苦労を知ることができた。我が身を抓って知る、であった。
 「辞めろ、辞めない」とか「協力する、しない」とか、こんな時にも政争なのか!と飽きれてしまう日本の政治家たちは、我が身を抓る手を怪我しているのだろうか?

 記:2011.4.29 島乃ガジ丸

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