ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

男の意地

2010年04月16日 | ガジ丸通信-社会・生活

 月曜日(4月12日)、従姉Mが、一人暮らししている叔父(私の父)を訪ねると、叔父は、足のむくみで歩けない状態となっていた。病院へ連れて行き、検査をした結果、入院するには及ばないとなり、家に戻った。夜になって、私も実家へ行く。
 父は両足がむくんで歩き辛そうであったが、それでも、一人で階段を上り、ベッドに入った。「大丈夫そうだな」と従姉と確認しあって、その日は帰った。
 翌日の午後、仕事中に那覇市の職員(老人介護支援関係)から電話がある。「インターホンを鳴らすとハイと返事があったのですが、その後15分待っても出てきません。倒れているんじゃないか心配です。」とのこと。私は実家の近くに住む甥の嫁M(実家のカギを持っている)に電話し、とりあえず、彼女に行って貰った。しばらくして、彼女から電話があり、父が床の上に倒れていたこと、意識ははっきりしていることなどの報告を受ける。その後、私も実家へ行き、市の職員や父から話を聞く。
 父は、足のむくみが引かず、足に力が入らなくて、ソファーから立ちあがろうとした時に倒れて、そのまま起き上がれなくなったとのこと。

 五十代で脳梗塞を患い、以来、右半身に不具合の残っている父は、年齢を重ねるごとに不具合の具合が少しずつ悪くなって、七十代半ばとなった3、4年前に、散歩の途中で転んでしまった。転んだと聞いて私は、「歩くときは杖を使えよ。」と進言。が、「嫌だ、まだそれほど弱ってはいない。」と父は「何言ってやがる!」といった顔で拒否。説得を続けたが、父が杖を持つようになったのはそれから一年以上も経ってからだ。
 その日(火曜日)、市の職員も帰って、父と二人になってから、玄関に置いてあった父の杖を私は持ってきて、「家の中でも杖を使うようにしろよ。」と進言。が、「家の中では必要ない!そんなもん早く玄関に置いてこい。」と拒否。「あー、そうか。」と私は言う通りにし、「じゃあ、次は土曜日に来るから。」と言い残して、家を出た。
 1時間ほど、実家の近く、那覇新都心のスーパーなどで買い物をして、実家へ戻る。中へ入ると、父は床の上に倒れていた。椅子から立ち上がろうとして、足だけでは立つ力が十分無くて、それで倒れてしまったようだ。「ほら見ろ、言わんこっちゃない。」と私は心の中で思い(何と冷たい息子)、「杖を使うか?」と父に訊く。父は素直に頷く。

  その時、「ヘルパーを頼もうかな。」と呟くように父が言った。これまで、姉が勧めたり、市の職員が勧めたりしていたのを何度も断ったヘルパー。翌日、仕事を休んで、私は市役所へ行き、父担当の職員に相談した。ヘルパーは手配できるとのこと。
 「お父さん、何度も断ったんですよ。」
 「杖を使うのも嫌がったし、年寄りは強がるんですかね?」
 「いえ、そうでもないです。お父さんは特に強がりです。」とのことであった。
 市役所から即、実家へ行き、「ヘルパー頼んだよ。」と父に報告する。父はしかし、嬉しそうではない。他人の世話になることにまだ抵抗があるようだ。「足のむくみが取れるまでだ。」と言うと、「そうだな、一時のことだな。」と、やっと笑顔を見せた。
 父の「他人の世話にはならない」という思いは、男の意地かもしれない。その心意気はアッパレだ。が、「他人」の中に息子や姪も含めて欲しいと、冷たい息子は思った。
          

 記:2010.4.16 島乃ガジ丸

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