ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

チャバネアオカメムシ

2011年06月03日 | 動物:昆虫-カメムシ・セミ

 懐かしいカメムシ

 今ではこうやって昆虫を紹介している私だが、子供の頃からずっと昆虫など(その他の動物、また、植物にも)に興味は無かった。子供の頃、セミ獲りやトンボ獲りなどをやりはしたが、それは、みんながやっているからやっていただけで、そのものについての関心は薄く、したがって、それらの名前、姿形の違いなどは全く判らなかった。最も身近であるセミの名前も、方言名のサンサナーとかジーワジーワとかは覚えたが、それがどのセミを指しているのかはずっと知らないでいた。そんな私が今は、虫を見つけて喜んでいる。その写真を撮って喜んでいる。今まで見たことの無い虫だと大喜びしている。

 カメムシというと、「臭い」と連想する。子供の頃から身近にいて、見つけて触ろうとすると、「それは臭いから触らない方が良い」と父から注意された覚えがある。ではあるが、それがカメムシという名前であることは、ずっと後、趣味で畑をやるようになってからである。子供の頃、父がカメムシのことを何て呼んでいたかも記憶に無い。
  身近にいて、害虫にもなるカメムシのことだから、きっと方言名もあるに違いないと思うのだが、参考にしているどの文献にもカメムシの方言名は無く、沖縄語辞典にも載っていなかった。どこにでもいるし、臭いという特徴もあるので、「ヒーヒリムシ(屁をひる虫)」とか、「クスムシ(糞虫)」などと言っていたかもしれない。

 カメムシはたくさんの種類がいるが、今回紹介するチャバネアオカメムシ(この名前であることは今回知ったのだが)は、私の中ではカメムシ中のカメムシ。子供の頃、臭いといって注意されたのは、確かこのカメムシであった。懐かしいカメムシである。

 
 チャバネアオカメムシ(茶翅青亀虫):半翅目の昆虫
 カメムシ科 本州、琉球列島、台湾、朝鮮、中国などに分布 方言名:不詳
 チャバネは茶色い翅ということであろうが、翅を広げているところを見たことが無いので未確認。アオは体色が青い(緑)から。
 カメムシは、カメムシ目カメムシ科などの昆虫の総称で、頭部の突き出た形がカメに似ていることからその名がある。また、「触れると臭腺から猛烈な悪臭を出す」(広辞苑)ことからヘッピリムシという別名もある。本種も臭い。
 沖縄各地で普通に見られる。カメムシというと私も本種が真っ先に浮かぶ。寄主はサクラ、シマグワ、ミカンで、時には大量発生してミカンの害虫になったりする。
 体長は11ミリ内外。成虫の出現は周年。『沖縄昆虫野外観察図鑑』に「灯火に飛来する」とあるので主に夜行性のようだが、私は昼間見ている。
 
 子虫  犬の顔にも見える。

 記:ガジ丸 2008.1.20 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行