ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ヤエヤマヤシ

2017年07月25日 | 草木:ヤシ竹特殊類

 私の車はスズキの軽乗用車で、買ってから4年8ヶ月ばかりになる。今日までに累計の走行距離は約7200キロメートル。平均すると1年に1600キロメートル走っていることになる。この数字は、友人たちに言わせると相当少ないということである。
 私は、出かける時には徒歩か、バス、モノレールを利用することが多い。車は主に通勤でしか使わない。それに、遠出もほとんどしない。ために、走行距離が伸びない。
 最近で遠出したのは、車は、義兄が借りて読谷村まで数回。鹿児島の友人Nが借りて、これは恩納村、石川市あたりまで行っている。私が乗っての遠出は去年の秋、Nと一緒に沖縄島南部をぐるり回った時ぐらいである。
 南部の佐敷町、知念村辺りの海沿いの国道には、街路樹としてヤシが多く用いられている。ヤシの並木は確か、私が子供の頃からあったように記憶している。ダイオウヤシのような外来種のヤシであったように覚えている。

 去年、Nとその辺りを通った時に、知念村に入った辺りの街路樹のヤシが、ダイオウヤシでは無くヤエヤマヤシであることに気付いた。ヤエヤマヤシは八重山に自生するヤシ。幹の部分と葉の部分のバランスが良く、形の整ったきれいなヤシである。沖縄島には自生しないので、街路樹は八重山から運んだものであろう。
 その頃、既にガジ丸HPは立ち上げていたが、HPに対する熱心さがまだ十分に無かったようで、ヤエヤマヤシの写真を撮ろうなんて思いつかなかった。最近になって、あーあの時撮って置けばよかったと後悔したのであるが、わざわざ、その写真を撮るだけのために遠出することは、面倒臭がり屋の私にはできないのであった。
 が、先月、「八重山スケッチの旅」に出かける。そして、さすが八重山なのである。ヤエヤマヤシはいたるところにあった。写真はいくらでも撮れた。
 
 ヤエヤマヤシ(八重山椰子):街路・公園
 ヤシ科の常緑高木 原産分布は石垣島、西表島 方言名:ウラダヤシ・ビンドー
 八重山にしか自生していないのでヤエヤマヤシという名。世界でも石垣島と西表島にしか自生しない1属1種のヤシ。姿良く、赤褐色の葉鞘も美しい。
 高さ20m、葉の長さ5mに達する大型のヤシなので、民家の庭には使い辛い。八重山から移入して、沖縄本島の公園や街路樹として利用されている。
 陽光地を好むが半日陰にも耐える。湿潤地でよく生育するが乾燥にも強い。沖縄の環境に合った丈夫なヤシ。ただ、移植はやや難しい。「米原のヤエヤマヤシ群落」(石垣島)、「ウドンブルのヤエヤマヤシ群落」(西表島)は国の天然記念物に指定されている。
 
 沖縄産

 記:島乃ガジ丸 2005.12.4 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行