ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

男の力と女の気遣い

2010年04月23日 | ガジ丸通信-社会・生活

 先週月曜日(12日)から父の体調が悪くなり、以降、父は急激に衰弱していった。杖を使っても歩けなくなり、寝た状態から起き上がることができなくなり、歩行器を使っても体を支えることができなくなり、寝返りすることもできなくなっていた。

  日曜日(18日)の朝、父はベッドの上にいた。ベッドは従姉Hの家から持ってきた介護用のベッド、ベッド全体が上下し、頭の部分が起き上がるもの。その頭の部分を60度くらいに上げた状態で、父を私の方を見て、「動けない」と言う。
 父を動かし、ベッドの端に腰かけさせ、歩行器を握らせ、自力で立たせてみる。まったくできない。抱き上げて、両手で歩行器を握ったまま、両足を床に付けてみる。手を離すと、父は崩れる。父はもうつかまり立ちもできなかった。
 父の急激な衰弱に、私はどう対処していいのか戸惑った。で、従姉Hを呼ぶ。父に紙おむつの使用を承諾させて、Hに紙おむつを買って来て貰い、彼女に父の介護を頼む。Hは父の濡れた服を脱がせ、風呂に入れて体を洗い、紙おむつを穿かせ、服を着させ、食事を摂らせ、歯を磨き、髭を剃ってあげ、ベッドに寝かせた。

 太ったオバサンのH、いつもはトロトロした動きなのに、この時はテキパキしていた。何とも頼もしい奴と、普段、そのノロマをバカにしていた私は大いに見直した。
 「頼りになるね、ありがとう。」と言うと、
 「私は十分経験しているからね。」と答える。
 彼女は既に彼女の父親と母親の介護を経験済みであったのだ。ただしかし、その経験は動作だけでなく、心遣いにもあった。彼女の言葉は優しかった。父の心を傷つけないように心を配っていた。幼い子を諭すような言い方であった。母性?と思った。
 しばらくして、「紙おむつ換えようか?」と、私が父に訊くと、息子に下の世話などと思ったのか、「まだいい。出ていない。」と父は答える。その日、私は実家に泊った。翌朝、父はベッドの上に寝たままであった。紙おむつを換えなければと思ったが、父は嫌がった。で、また従姉Hを呼ぶ。Hはテキパキと動き、おむつを換え、着換えさせた。

 Hが帰ってしばらく経った後、父がトイレに行きたいと言う。雲子のようであった。父が一人で便器に座り、一人で用を足すことができるとは思わなかったが、紙おむつに雲子をした後、どのように処理をすればいいのか私には見当がつかなかったので、父の言う通りにしようと、父を抱き上げて、便器に座らせた。体重50キロ弱の父であったが、その体を持ち上げるのは大きな労力であった。大汗をかいた。
 用を足した後の父の尻を、私はちゃんと拭くことができなかった。親父の糞を拭きとることに大きな抵抗があった。で、おざなりに拭いて、紙おむつを穿かせた。私には、Hのような気遣いも無かった。父の心を傷つけたかもしれないと、後で思った。
 その日の午後、Hの姉である従姉Mに来て貰い、父の面倒を見て貰う。Mもテキパキしていた。そして、優しかった。HもMも父への気遣いが十分あった、その気遣いが私には不足していた。しかし、父を抱き上げることは、私にはできても彼女たちにはできない。介護は、男の力と女の気遣いが必要なのだと思った。介護は大変な仕事である。
          

 記:2010.4.23 島乃ガジ丸

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