ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

刺身4マグロとカジキ

2012年05月18日 | 沖縄の飲食:飲物・酒肴・嗜好品

 刺身といえば

 子供の頃から食べ親しんでいる刺身といえばマグロ、カジキ、イカ、タコの4種。白身の魚もたまにはあったが、それがタマンなのか、イラブチャーなのか、マチの類なのか、ミーバイの類なのか、両親も祖父母も死んだ今、確かめようも無い。
 白身の魚は概ね値段が高い。だから滅多にお目にかかれない。だけど、子供の口には柔らかくて癖の無いマグロが合っていた。私は大好きだったし、祖父も父も大好きだったようで、種類を言わずに「刺身買っておいで」と、近所のサシミヤー(精肉鮮魚店)へ使いに出された時の刺身は、ほぼ決まってマグロの刺身であった。

 マグロの刺身と言えば、尊敬する詩人山之口獏の作品に『鮪と鰯』がある。ここに全文載せるのは著作権の問題がありそうなので、最初の2行だけ。

 鮪の刺身が食いたくなったと
 人間みたいなことを女房が言った。

 詩の主旨は原水爆実験のことを憂えたもの。そこに鮪と鰯が脇役として出てくる。鮪は高級な物、鰯は安物などと特に書いてはいないのだが、鮪の刺身を食うのは人間だ、ということでそれが解る。獏はとても貧乏だったので、高級な物は食えなかったのだ。

 とても貧乏だった獏は食えなかったようだが、普通に貧乏だった私が子供の頃の我が家では年に何回かは鮪の刺身が食卓に上った。鮪では無くカジキだったかもしれないが、子供の口に両者の違いは分からない。おそらく、マチとかタマンとか白身の高級魚に比べれば、マグロやカジキの方が安価だったのかもしれない。
 ちなみに、最近買ってきたキハダマグロの刺身は短冊で100グラム178円、マカジキは同じく短冊で100グラム228円。ウチナーンチュの伝統食豚肉で言えばロースクラスの値段だ。私が良く使っている腿肉切り落としが安売りの時で128円なので、それに比べるとずっと高い。マグロやカジキの刺身は普通にワサビ醤油で食う分にはさほど美味いものとは、オジサンとなった私には感じられない。ホンマグロにしたって、その値段を加味して考えれば、時間かけて作った豚三枚肉のラフテーには及ばないと思う。
 とはいえ、ウチナーンチュにとって刺身と言えばマグロであることに変わりない。どこの居酒屋に行っても、刺身盛合わせにはマグロがほぼ決まって入っている。しかし、ウチナーンチュにとって刺身と言えばカジキとは、少なくとも現在は言えない。マグロの刺身はいつでもスーパーにあるが、カジキの刺身はたまにしか見ない。

 マグロ(鮪):サバ科の硬骨魚
 サバ科マグロ属の総称 暖水性の外洋回遊魚 方言名:シビ
 名前の由来は広辞苑にあり、「眼黒の意」とのこと。確かに目が黒い。
 沖縄のスーパーで手に入るマグロの内、ビンナガマグロは安価、キハダマグロは少し高め、メバチマグロはもっと高い、最も高価なのはクロマグロ。5、6年前までのお金に余裕がある時はたまに買っていたが、貧乏になってからは滅多に買えない。
 クロマグロ(黒鮪)という名前の由来は、これも広辞苑にヒントがあり「背面青黒色」からだと思われる。別名のホンマグロ(本鮪)は鮪の中の鮪という意であろう。
 クロマグロは体長3m、体重400キロ、メバチマグロは体長2mを越し、キハダマグロは2m近く、ビンナガ(ビンチョウ、トンボとも言う)は1mを越す程度。
 マグロは出世魚と呼ばれるものの一つで、方言名のシビはその一つ。
      
 カジキ(梶木・旗魚):マカジキ科及びメカジキ科の硬骨魚
 マカジキ科とメカジキ科の総称 熱帯・温帯の外洋に分布 方言名:アチヌイユ
 名前の由来は資料が無く不明。方言名の由来についてはアチが不明、ヌは「の」、イユは「魚」で、「アチの魚」となるが、アチが「秋」なのか「熱」なのか?
 「上顎は剣状に延びている」(広辞苑)のが特徴。マカジキ科とメカジキ科の2科に分かれ、マカジキ科にはマカジキ、クロカジキ、シロカジキ、バショウカジキ、フウライカジキ、コカジキなどがあり、メカジキ科はメカジキの1種のみ。メカジキは女梶木という意味では無く眼梶木、広辞苑に「眼が大きいのでこの名がある」とあった。
 メカジキは体長3m、体重300キロ、シロカジキはそれより大きく、体長4m、体重570キロになるとのこと。カジキ全般、春季に脂肪が多く美味とのこと。
      
 記:2012.5.12 ガジ丸 →沖縄の飲食目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行

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