ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

前途に暗雲

2013年07月19日 | 通信-その他・雑感

 先週金曜日から土曜日にかけて先島地方を襲った台風7号は、沖縄島にも長い時間影響を与えた。私の感覚では少なくとも24時間は強風圏にあり、風の谷のなっぴ畑は時に(私の感覚では)風速25m以上の暴風が吹いた。それは土曜日の夕方まで続いた。
  台風7号は「泣きっ面に蜂」台風だった。一般的な用語で言うと、風台風だった。上から読んでも下から読んでも風台風、広辞苑にも載っている言葉で「雨は多くないが、風が強かった台風を後からいう言葉」のこと。今回の7号は少なくとも私の畑のある宜野湾市と西原町においては「雨は多くない」では無く「雨が全くない」だった。
 このところ日照りが続いている。それは農作物に悪影響を与えている。台風7号には雨を期待していたが降らなかった。風が強くて農作物に被害を与えているのに、農夫が欲しいと望んでいる雨は降らない。これが泣きっ面に蜂ということ。
 先島地方は直撃され、被害も大きかったようだが、暴風圏には巻き込まれなかった沖縄島においては、大きな被害のニュースは聞いていない。台風対策をしなかった私の住むアパートにも何の被害も無かった。しかし、私の畑なっぴばるは被害を受けた。

 台風対策は木曜日に済ませていた。育苗場所に張ってあったテントを畳み、畑小屋の前面に張ってあった日除けシートを畳んだ。強風圏程度でもテントは風を受け易いので飛ばされる可能性があるからだ。が、その他、植えてある作物に対する対策は何もしなかった。強風圏程度の風では特に必要無かろうと判断したからだ。
 しかし、パパイアが1本、倒された。ピーマン1株、ナス2株が傾いた。フェンスに這わせていたゴーヤー2株の葉が7割方飛ばされるか、枯れてしまった。
  もう一つ大きな被害があった。野菜では無く畑小屋。小屋本体はワイヤーでしっかり固定しているので動かなかったが、ワイヤーの上の屋根のトタン板が1枚、破損して剥がれてしまっていた。雨が降ればトタンの剥げた個所から雨水が室内に漏る、今、室内には濡れては困るものがいろいろ入っている。その点では、雨が降らない台風で良かったのだ。
 それにしても、台風の暴風圏では無く強風圏に入っただけでトタン板が破損し飛ばされたことはショックだった。暴風圏なら8枚のトタン板は全滅かもしれない。その下の屋根板まで飛ばされるかもしれない。その修復には数万円の費用がかかり、たくさんの労働時間を要する。数万円は、稼ぎの無い今、とてもきつい。前途に暗雲が垂れ込めた気分。
          
          

  前途に暗雲はそれだけでは無い。台風7号で傾いたナスとピーマンは、傾いたままだがその後枯れること無く実を付けている。パパイアはすぐに立て起こし、その後順調に葉を出している。強風で枯れた作物は無い。しかし、これまでに既に、スイカ2株、キュウリ6株、ヘチマ6株、モーウイ4株が実をほとんど(キュウリ2本、モーウイ1個収穫)着けぬまま枯れてしまった。枯れた原因はおそらく害虫、それと日照りによる乾燥。
 害虫は、殺虫剤を使うことはこれからも無いが、虫除けネットを被せるなどして、ある程度防ぐことはできると思う。乾燥は、先日、小屋裏にある沼を整備してその水が使えるようになったので安心していた。であったが、昨日、沼を見たら水がだいぶ減っていた。沼は無尽蔵の湧水では無いようだ。降った雨水が周りの丘に貯水されてそれが少しずつ流れ来ているようだ。日照りが続いたら、沼の水も干上がってしまう。前途に暗雲の気分。
          

 記:2013.7.19 島乃ガジ丸