ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

美童物語

2012年08月03日 | 沖縄03音楽芸能・美術工芸・文学

 子供の頃、私は漫画が大好きだった。少年向け漫画雑誌をよく読んでいた。少年マガジン、少年サンデー、少年キングなどの週刊誌、少年、少年画報などの月刊誌があった。作品としては「鉄腕アトム」、「巨人の星」、「おそ松くん」、「伊賀の影丸」、「鉄人28号」、「明日のジョー」、・・・数え上げればきりが無いので以下略。
 青年と呼ばれる年代になってからも私は漫画を読んでいる。ビックコミックとかアクションとかいった青年向け漫画雑誌。作品としては「ゴルゴ13」、「あぶさん」などがあった。中でも「じゃりんこチエ」はファンで、単行本もほぼ揃えていた。もちろん、助平なお色気雑誌、さらに激しいエロ雑誌なども多く読んでいる。
 オジサンと呼ばれる歳まで青年向けコミックはたびたび読んでいて、「家栽の人」はよく覚えている。少年向けではただ一つ、「ドラゴンボール」はほぼ欠かさず読んでいた。従姉の息子がまだ小中学生だった頃、彼が少年ジャンプを愛読していていたので、それを借りていたのだ。そのお陰で、ファンでは無かったが「北斗の拳」も覚えている。
 雑誌では無く直接単行本を買って愛読していたのもある。いしいひさいち全般、手塚治虫の青年向け、大友克弘あれこれ、東海林さだおあれこれ、谷岡ヤスジあれこれ、杉浦日向子あれこれ、やまだ紫あれこれ、ますむらひろしあれこれ、その他「遥かなる甲子園」など私の所有する漫画単行本は200冊を超えていたと思う。

 40歳を過ぎて老眼になって、老眼鏡をかけるのを面倒臭がって本をあまり読まなくなって、ついでに漫画もほとんど読まなくなった。
  先日、そんな私が久々に漫画の単行本を読んだ。埼玉に住む友人Kが「これ、すごいいいよ」と勧めてくれたもの。Kは「美女Hさんへプレゼント」のつもりだったが、その前に私が借りて読んだ。久々の漫画、それは『美童物語』、その1巻、2巻。

 『美童物語』の作者は比嘉慂というお方。私のまったく知らない作家。比嘉という姓からウチナーンチュであろうと想像される。その通り、沖縄県那覇市生まれとのこと。作品の『美童物語』も沖縄を描いている。1巻も2巻も沖縄の戦中の頃を描いている。
 たくさんの人に読んで貰いたいと思って『美童物語』は今手元に無く、たくさんの人が集まる友人Iさんの店に預けてある。なので、確かなことは言えないが、私の錆びかけた脳味噌が覚えている限りでは、1巻の中に4~5編の短編が収録されている。
 短編は、登場人物が何人も重なって出てくるが、それぞれ独立したテーマを取り上げている。時代は昭和、戦争が近付いて来る頃から戦争が始まり、出征する兵士、戦死した兵士(骨も灰も無いが)などが出てくる頃。内容は「糸満売りの少年少女」、「辻遊郭」、「ユタ」、「方言札」、「帰還兵」、「カミダーリー」、「風葬」などなど、錆びかけた脳味噌なのでタイトルも覚えていないし、順番もこの通りでは無い。

 久々の漫画に私は久々に感動した。これほど沖縄の空気を、気分を的確に表現した漫画は、あるいは小説(全部読んでいるわけでは無い)、映画(全部観ているわけでは無い)も含め、この『美童物語』を超えるものは無かろうと思うほど。
 作者の比嘉慂(ひがすすむ)氏を私は全く知らなかったが、1953年那覇市生まれとのこと。そりゃあもう、この作品はウチナーンチュでなきゃ描けない。であるが、1953年だとまだ60歳手前だ。その歳でこれほど深く沖縄の雰囲気を理解し、表現できるとは凄い。おそらく、そうとうの勉強をしたのであろうと想像される。
 『美童物語』は沖縄の空気を的確に表現した最高傑作と私は感じた。それは私の感性によるものだが、でもまあ、沖縄に関心のある方にはぜひとも勧めたい一冊。
     

 記:2012.7.27 ガジ丸 →沖縄の生活目次

 

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