ガジ丸が想う沖縄

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自分様の子

2011年12月02日 | ガジ丸通信-社会・生活

 私の勤める会社は、去年1月に若いMが辞めて、現場仕事のできるのがSさんと私のオジサン二人だけとなった。オジサンと言っても爺さんに近いオジサンなので、肉体労働では無理が効かない。普通は、技術の要る作業を我々ベテランがやり、単純作業や力の要る仕事は若い者がやるのだが、その若者がいないのでオジサン二人はきつい。肉体労働が続くと腰が痛くなったりする。で、残業もできないし、毎日は続かない。
 社長もその辺のことは心得ているので、その年の3月から自分の息子を正式(それまでアルバイトとして時々手伝っていた)を入社させた。息子はSさんと現場に出て、仕事を覚え始めた。一所懸命頑張れば数ヶ月で役に立つ作業員になれるはず。
 息子が覚えるのはしかし、現場仕事だけでは無い。デスクワークも覚えなければならない。書類作成、設計製図、積算等、私の持っている技術である。3月の初め、「すぐに覚えなければならないのが少々、1年以内に覚えなければならないのが大量にあります。家に帰ってからも、休日も勉強しなければ間に合いません。」と社長に進言した。「息子はまだ始めたばかりなので、ゆっくり覚えさせましょう。」と社長は答えた。
 「若いMがやったことも教わったこともない仕事を『私にはできません』と言ったら、『これは仕事だ、できないで済むか!何とかしろ!』ってアンタ怒鳴ってたじゃないか。息子には随分甘いんですね。」と、私は口には出さなかったが、思った。

 社長にはもう一人息子がいて、彼も去年から時々バイトみたいに現場仕事を手伝っていたが、今年からはほぼ常時出勤するようになった。上の息子は社員となって1年8ヶ月、バイト期間も含めると2年の経験を経ている。下の息子もバイト期間を含めれば1年以上の経験を経ている。もう十分に役に立つ作業員になっているはず。ところがだ、
 先日久々に現場に出てSさんと息子二人と私の4人で働いた。現場は肉体労働だ。上の息子が仕事内容を社長から聞いているので彼の指示を待つ。が、彼の指示は曖昧なところが多く、結局、Sさんにどうするか訊く。Sさんが作業の段取りも考えないといけないみたいである。それから、Sさんと私が肉体労働に汗しているのを息子二人がボーっとつっ立って見ていることが多々あった。「なにしてるんだこいつら」と思いつつ、私は注意はしない。肉体労働しながら子供の教育もやるのは面倒臭いからだ。

 帰りの車の中、Sさんに訊いた。
 「あの二人いつもああなの?」
 「うん、指示しないと動かないし、何をしていいか訊きにも来ない。」との答え。
 「2年も経ってまだ仕事を一人前にできないの?」
 「社長から、無理するな、ゆっくり覚えたらいい、と言われているそうだ。」
  Mが辞める前年にもう一人若いTも辞めている。Tは社長の厳しい仕打ちで、2度もストレス性十円禿をこさえた。Mは激痩せした。MやTは社長からすれば、いわゆる人様の子だ。人様の子を預かって会社のために働いて貰っている。自分の子よりむしろ大事に扱わなければならないはず。でも、社長はどうも一般的ではないようだ。他人は他人、様はつかない。自分の子には様が付くみたいだ。技術を要する仕事をし、肉体労働もし、息子たちの教育もやっているSさん、「もう辞めたい」と呟いた。
          

 記:2011.12.2 島乃ガジ丸

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