ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

しつこい幽霊

2016年10月07日 | ガジ丸のお話

 夏の夜に寝苦しくて目が覚めるというのはたびたびあるが、悪夢でうなされて目覚めるということは滅多にない。私の夢は概ねが楽しい夢である。身に余るほどの幸せな夢も多くあって、そんな時の夢の主人公は私ではなく、私の分身の真迦哉(マカヤ)ということにしている。分身ということにしないと、夢と現実の雲泥の差に悲しくなるからだ。
 夜涼しくてぐっすり睡眠のできた先月9月5日の未明、久々に悪夢にうなされて目覚めるということがあった。私は、若い頃はお化けとか幽霊を怖がったが、少なくともオジサンと呼ばれる歳になってからは幽霊を恐れなくなっている。「頂いた命だ、いつあの世に召されても文句は無い」と思っているので幽霊に呪われても怖くはない。そもそも、幽霊に呪われるようなことを私はやっていない。幽霊が目の前に現れて「うらめしや~」と言ったとしても、「私に?何で?人違いでしょ?」と追い払えると思っている。
 さて、久々の悪夢は幽霊が登場し、私はその幽霊にすごく怯えて目が覚めてしまった。真迦哉は何事にも動じないカッコいい男なので、この時の夢の主人公は私だ。
     

 場所は私が小学生の頃の実家、庭に面した掃き出しの窓を開けると縁側がある。小学生の頃の景色だが、そこにいる私は大人となっている。
 家の中には家族ではなく私の友人達が数名いる。飲んだり食ったりしている。夜も遅くなって女子の1人を男子の1人が家まで送ると言って出ていく。しかし、彼らはすぐに、顔面蒼白となって戻ってくる。「どうした、何があったんだ?」と訊いても、2人は口をアワアワさせるだけで言葉にならない。その時、もう1人の女子が「ギャーー!」と叫び声をあげて縁側を指差した。振り向いて縁側を見ると、そこには赤ん坊がいた。
 全体の形は赤ん坊だが、何か違う、この世のものではないということが判る。それが縁側をハイハイして、閉めていた網戸を開けて部屋の中へ入ろうとしている。私は持てる勇気の全てを搾り出して彼に近付き、「ここにお前が来る用事はなかろう」と言いながら、彼を押し戻し(冷たいが肉体の感触はあった)網戸を閉め、ガラス戸を閉めた。
 部屋の片隅に身体を寄せ合って震えている皆のもとに戻りかけると、女子の何人かがまたも「ギャーー!」と叫び声をあげて縁側を指差す。振り向くと、網戸がゆっくりと動いて、ガラス戸がゆっくりと開いた。そして、さっきの(かどうか、表情がさらに怖い)赤ん坊が顔を見せた。私はまたも彼を押し戻し、ガラス戸を閉め、鍵もおろした。
 縁側から私を睨んでいる赤ん坊がガラス越しに見える。その表情は怖さを増し、身体全体も大きくなっている。しばらく睨みあって、というか、私は彼の目を見て「しつこい奴だ、ここに恨まれるような人間はいない、さっさと去れ」とテレパシーを送っているつもり。そんな私のテレパシーが届かないのか、おろしていた鍵がゆっくりと動いて外れた。ガラス戸がゆっくりと開いた。そして、赤ん坊が入ってきた。彼はもう私の力では動かせないほどに体が大きくなっていた。オジサンという年齢になってからは経験の無い恐怖感が私を襲い、そこで目が覚めた。「わっ!」と声をあげていたかもしれない。

 幽霊に対しても「話せば解る」と思っていたのだが、赤ん坊には話が通じないのであった。解って貰えないと「人違いされたまま呪い殺されるかもしれない」と思って恐怖を感じたのだ。そしてまた、「そうか、相手が日本語の解らない外国人の幽霊の場合もそうなるか」と気付いた。そうなると、幽霊もなかなか手強いぞと思ってしまった。

 怖い話のお口直しに、もう1つ、ほんのちょっと怖い話。
 「柳野優でーす」。「柳野玲でーす」、「2人合わせて柳野ゆうれいでーす」という姉妹漫才コンビが舞台に登場する。
 「柳野ゆうれいですってさぁ、私たちが幽霊みたいに聞こえるね」
 「幽霊って、あのヒュードロドロうらめしや~の幽霊のことね」
 「そう、こんな可愛い2人なのにね、幽霊に見えるかしら?」
 「こんな可愛い2人だもの、幽霊には見えないかもね」
 「それはちょっと悔しいね、だったら、証拠を見せてやろうよ」
 「そうだね、そうしよう」
と言って2人はヒュードロドロとその場から消えてしまう。会場がざわつき、会場内の気温が一気に下がる。公演の内容を予め知っている舞台の裏方や主催者、そして、他の出演者たちは存在しない芸人の登場に、恐怖で既に腰を抜かしている。・・・お終い。 
     

 記:2016.10.6 ガジ丸 →ガジ丸の生活目次

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