ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

一周忌

2011年01月06日 | 沖縄04行事祭り・生活風習・言葉

 母の一周忌が10月18日にあった。その二週間ほど前に、お坊さんを呼ぶかどうか父にお伺いをたてた。沖縄の慣習、しきたりについては死んだ母が熟知しており、父はほとんど母にまかせっきりであった。なので、私の問いに即答できない。一周忌を仕切るのは姉である。父には「二人で相談して決めてくれ。」と言って、電話を切る。
 姉はお坊さんを呼ぶのを意味の無いことだと思っている。そういう私もまた、不信人者なのでどうしてもとは思っていない。ただ、母は信心深い人だったので、お坊さんが来てくれると嬉しいだろうなと想像はできる。だからまあ、どちらかというと呼んだ方が良かろうって位の気分。後日、父から「お坊さん、頼んでくれ。」との連絡があった。

 お坊さんが供養の儀式を行う前に、家人にはやることがある。女性は供え物の準備、男性は墓参り。姉と従姉が供え物、私と叔父が墓参り。

 墓参りは、墓を掃除して、花、お茶、水、お菓子を備えて、線香を点てる。正式には、その他に酒やウチャワキ(お茶請け:重箱に詰めた料理)も供える。また、私はやらなかったが、線香を点てた後、「一周忌を行いますからおいでください。」などとウチナーグチ(沖縄口)で唱える。一周忌のことをウチナーグチではイヌイ、法事のことはスーコーと言う。なので、「イヌイぬスーコー サビークトゥ(行うので)イメンソーチウタビミソーリ(おいでくださいの最上級尊敬語)」となる。
 それから、供え物の左側(向かって右)の角でウチカビ(あの世のお金を意味する紙)を燃やす。あの世でお金に困らないようにとの心遣いらしい。
 点てた線香が残り三分の一ほどになったところで、ウサンデー(御下がり)する。供えた菓子や料理を下げて、墓参りに来た者が少しずつ頂く。これで墓参りは終了。

 男共が墓参りをやっている頃、女性陣は仏壇へ供えるものの準備をする。
 仏前にはお茶、酒、水、ダーグ(だんご)、ハーガー(軽めのお菓子)、重箱に詰めた餅とウサンミ(料理)、盛った果物、盛ったお菓子、それらをそれぞれ対で供え、ご飯、汁物、おかずなどの膳を一人前添える。それから、お坊さんが経を読み、供養する。
 お坊さんの読経は40分ほど続く。経には疎いので、最初の般若心経だけは何となく判ったが、その後のものは何がなんだかさっぱり。何がなんだかさっぱりを聞きながら、親族初め、そこにいた者が次々と焼香する。全員の焼香が終わったら、再びお坊さんが仏前に座り、短めの経を読んで、供養の儀式は終了。お坊さんは帰る。

  午後からは客が来る。親戚、友人知人らが三々五々やってくる。彼らは香典を供え、線香を点てる。線香は正式には3本、簡略化して1本でも可。客はすぐには帰らない。仏前に供えた重箱の料理と同じ様なものを、お茶やお菓子などと一緒に家人は出し、客に食べていただく。故人の思い出話などを語りながらしばらく過ごす。
 そうこうしながら、やがて日が暮れて、夕食時となって、夕食を仏前に供え、それを御霊が食べ終わったと思われる頃、家人親族も相伴する。以上で一周忌は終わる。

 一周忌(いっしゅうき) →写真(伯母の一周忌の仏前)
 一回忌(いっかいき)とも一年忌(いちねんき)とも言う。「人が死亡してから満1年後の命日に営む法事」(広辞苑)のこと。
 沖縄では一周忌のことをイヌイ、またはユヌイと言い、年忌法要のことを一般にスーコー(焼香)、またはシューコー(同意)と言う。一年忌の次は来年の三回忌。
     

 記:ガジ丸 2008.10.27 →沖縄の生活目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『スーコーとトートーメー』むぎ社編著、発行

ジャンル:
ウェブログ
この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 用の美 | トップ | ハーギシギシー »

関連するみんなの記事

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 30日以上前の記事に対するトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。