ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

コバテイシ

2017年07月17日 | 沖縄の草木:公園街路

 現場近くに墓地公園があったので、昼飯食った後、ちょっと散歩した。墓地ではよく見かける木、コバテイシに実がたくさん生っているのを見つける。その実を5個ばかり収穫する。種がアーモンドに似ている風味であると文献にあって、食ってみようと思ってのこと。将来、浮浪者になった時、こういったことがきっと役に立つであろう。
 果実の皮を剥く。甘酸っぱい匂いがする。匂いは食えそうだが、果肉は木質で硬い。果肉をペンチで剥がしていく。果肉よりずっと硬い種が出たきた。それをペンチで割る。中に白い仁がある。小さい。果実は長さ50ミリほど、種は35ミリ、仁は20ミリ。長さは申し分ないが、いかにも細い。長さ20ミリの爪楊枝みたいなもの。食う。確かにアーモンドの風味に似てなくもない。お菓子に使え、酒のツマミにもなれそう。
 しかし、ペンチを使って皮を剥き、果肉を剥ぎ取り、種を割って、やっと取り出したのが長さ20ミリほどの爪楊枝なのでは、10個ばかりでやっと1個のアーモンドと同等の大きさなのでは、食料と位置づけるにはちょっと厳しい。10個の仁を取り出すのに急いでも20分はかかる。20分の労働がアーモンド1個では全く割に合わないのである。
 
 コバテイシ(こばていし):公園
 シクンシ科の落葉高木 原産分布は沖縄以南 方言名:クヮーディーサー
 コバテイシ、その漢字も由来も文献に無く不明。コバと頭に名のつく植物はいろいろあるが、それらと同じく、葉が小さいので小葉、ということはおそらく無い。なぜならコバテイシの葉は、どう見ても大きい(長さ15~20センチ)からだ。別名にモモタマナともあるが、花が桃に似ているわけではないし、葉がタマナ(キャベツのこと)に似ているわけでもなく、これも不明。方言名のクヮーディーサー、クヮーは硬いという意味だが、コバテイシの材が特に硬いということもなく、これもまた不明。申し訳ない。英語名のIndian almond及びTropical almondについては『沖縄の都市緑化植物図鑑』に「種子の仁部分に油脂成分を含み、食味がアーモンドに似ていることに由来」とある。
 陽射しの弱い冬場は葉が落ちるが、枝が横に広がり、大きな葉と共に沖縄の灼熱の陽光を遮ってくれる。公園や駐車場などの緑陰樹に適する。昔から墓の周辺には多く植えられていて、今でもよく見かける。そのためか、人の泣き声を聞いて成長するという言い伝えも残っている。ウムマーギ(→関連)はたぶん、このことであろう。
 高さは20mほどになる。陽光地を好み、成長は速い。耐潮風性が強いので海岸近くの植栽にも向く。花は目立たないが3月から8月に開花。果実は独特な形で比較的大きい(5センチ)ので目立つ。枝先に鈴生りにつける。一応食える果実、その採種期は9月から11月。沖縄では数少ない紅葉する樹木としても知られる。
 
 花
 
 実
 
 根元
 
 種

 記:島乃ガジ丸 2005.12.4 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行

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