ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

お人好しの試練と対策

2014年02月18日 | ガジ丸の日常

 1、どーもこーもドコモ

 携帯電話の電池が長持ちしなくなったので、8月の初め、機種変更をした。機種を選ぶ前に「スマートフォンじゃなく、ガラ(パゴスの略らしい)系でいい。電話とメールができれば良い、カメラも要らない、今まで使っていたらくらくホンの新機種でいい」と店員に伝えた。が、「こちらの方がらくらくフォンより画面が大きく、文字も大きく、機能もいろいろついていて、なおかつ安いですよ」と彼は言う。
 「安いというのはいいですね、ただ、携帯とパソコンを繋いでデータのやりとりができる今まで使っていたケーブルがその機種でも使えるならそれにしましょう」(私)
 「調べてみますので少々お待ちください」(店員)
 「大丈夫です。この機種でもデータ通信はできます」(店員)
 ということで、店員の勧めた機種を購入した。であったが、家に帰ってケーブルを繋いでデータのやり取りを試してみたら、できなかった。後日、インターネットでどーもこーもドコモのサイトを覗いて調べてみると、データ通信用のケーブルには「1」と「2」の2種があって、前のらくらくホンは「1」、購入した機種は「2」であった。
     

  数日後、同じ店に行き、「通信ケーブルが使えない、やはり、らくらくホンにしてください」と前の店員とは違う店員に要求すると、「いえ、それはまた、新たな機種変更となり、別途費用がかかります」とおっしゃる。「しかし、そちらが間違えたんですよ」と言うと、「担当した者を呼びますので少々お待ちください」と答える。
 あたふたしているような感じの彼を見て、しばらくしてやってきた担当した店員の申し訳なさそうな顔を見ているうちに、可哀想になって、「もう、いいよ、この機種にあうケーブル2ってやつを買うよ」となって、1400円也を支払った。ひょっとしたら半額になるかもとちょっと期待したのだが、1円もまけてはくれなかった。
 さらに、私が機種変更を考えたのは電池が長持ちしなくなったからだが、その話をすると、「長く使っていただいているお客様には、電池は無料で交換しています」とのことだった。その時はもう手続き終了間近で後の祭り。「それを早く言えよ」と思わぬでもなかったが、「それを早く訊けよ」とすぐ自己反省し、何も言えなかった。

 私はたぶん、「お人好し」と呼ばれる類の人間かもしれない。私としては「お人好し」という意識は無く、ただ、面倒なことは避けたいという心なのである。でも、争いごとを好まない、面倒なことは避けたいという心が顔にも出ているようで、私はどうやら「お人好し」に見えるらしい。そう思う事例が最近いくつかあった。
     

  父が死んだのは2010年5月、父は死ぬ前に、三年忌が済んだら家土地を処分し兄弟3人で分けなさいと遺言を残した。三年忌は去年の5月に済んでいる。ただ、そう慌てることもなかろうと家土地の処分にすぐには動かなかった。8月からは300坪の畑を借りることになり、手作業での草刈、耕起に挑戦し、悪戦苦闘したため手が回らなかったという時間的、肉体的(一日終わると非常に疲れていた)理由もある。
 動いたのは11月、実家の近所の人の紹介でYさんという1組の夫婦と売買について大まかな協議をする。その夫婦がキャンセルとなって2013年2月、実家と同じ那覇市泊に住むHさんが「家を売却すると云う噂を聞いた。それが本当なら、娘夫婦のために欲しいので家を見せてください」と訪ねてきた。そこもまた、娘夫婦の夫の都合でキャンセルとなったが、ここまでは特にお人好し(私)に降りかかる火の粉は無かった。

 2、海千山千信用せん

  3月下旬、私の知人で平和運動家の婆様Zさんに「家を売るつもり」と漏らしたら、早速彼女の友人で不動産屋を経営しているというMGさんが、「家を見せてくれないか」と同業者2組と客らしき人を連れてきた。数日後、「先方も気に入っているからすぐにでも契約を」という。「いや、片付けに時間がかかりそうだから」と私は断るが、「仮でいいから、後で断ってもいいからすぐに」としつこく言う。「仮に」とか「すぐに」という言葉には面倒臭がり屋の私でも「何か怪しい」と感じ、とりあえず断って、不動産売買に多少の知識を持っている友人に相談する。「契約に仮は無い」とのこと。
     

 前に「娘夫婦の家として」と購入を検討していたHさん、その友人の不動産屋社長MZさんが6月の初め、「購入したいという客がいるので紹介したい」というので、実家で会った。客というのは同じく不動産屋の社長。「今日契約するつもりで来ました」と言う。金額は上述のMGさんが提示した額より100万円も安く、その他の条件もMGさんのより売り手に不利となっている。「何か怪しい」と感じ、返事は8月以降とし、その場は引き取ってもらった。友人に相談すると、「安く買って転売するつもりだ」とのこと。

 実家の売却にあたっては家の中の物、テレビや冷蔵庫などの電化製品、家具、食器、衣服、寝具、書籍等々たくさんの物々を片付けなければならない。残すものは残し、譲渡するものは譲渡し、捨てるものは捨てる、今年の初めからその作業に着手し、7月中には概ね片付き、8月中には買い手を選んで売買契約、と予定していた。

 3、獅子身中の無視

 「7月2日から実家に泊まりたいのだけどいいかなぁ」といった内容の、いつになく丁寧な文面のメールが義兄からあり、応諾した。7月上旬、実家にいる義兄と会って、「いつまでいるの?」と訊くと、「12日には帰る」と言う。ならば、家売却は予定通り進むと思った。が、7月下旬になって実家に行くと義兄がまだいる。「まだいたの?」と訊くと、「帰るのは8月12日なんだよ」とニヤニヤ笑いながら平然と言う。
 「あー、これで売却予定が1ヵ月延びた」とちょっとガッカリしたが、父の記録、母の記録を冊子にする作業をしていて、それを旧盆までには仕上げたいと思っていたので、家の片付け作業がなければそれに集中できると思い、それで良しとした。
 ところが、そのあと義兄が突然、「この家を僕が買いたいと思う。買うかどうかの最終決定は8月25日にしたい。それまで他に売却しないでくれ、家具なども全部そのままにしてくれ」と言ってきた。姉夫婦が実家に住むのであればそれに越したことはない。私としても諸手を挙げて賛成だ。ただ、8月25日になって「やはり要らない」となった場合のことを考えると、処分が2ヵ月伸び、結果、私の面倒(実家の荷物の片付け、神事、掃除など)も2ヵ月伸びることになる、それは嫌だが、上手く行く方に期待した。
     

 その数日後、義兄の「家を僕が買いたい」に関して、友人や従姉に相談した。「そりゃ良かったじゃないか、ちゃんと支払えるかどうか問題だけど」、「あの人には気を付けなさい、ちゃんとした方がいいわよ」などという助言を貰う。
 ということで、買うと決めたら支払いを確約する旨の書類を作成し、義兄が沖縄を離れる前にそれにサインして貰おうと持っていった。義兄は不在だったので、サインが無ければ25日を待たずに他所との売買契約を進めると書置きしておいた。義兄が帰る前に1週間ある。考える時間は十分、私に電話して書類について質問する時間も十分。結果、義兄からは電話も無く、書類を全く無視する形で、サインせずに帰ってしまった。

 義兄は「家は欲しいが、お金を支払う約束はしたくない」ということのようなので、それはもう大いに危険。支払いは「ちょっと待って」が続いて、そのうちウヤムヤになりかねない。で、「義兄が購入する」は無しとし、他の売買交渉を進めることにした。

 4、若気が至る教科書通り

 8月19日から21日までは旧盆、「家で仏壇に関わる行事はこれで最後」と線香を点て、手を合わせウートートゥ(御尊いとい意の祈りの言葉)して、滞りなくその行事を済ませ、やってきた親戚たちに「家土地の売買について不動産屋らと話をするのは明日から始める、早い時期、9月中には決めたいと思う」と伝えた。

 「義兄が買うかもしれないから」と待たせてあった不動産屋に「義兄はキャンセル、売買交渉を進めたい」と電話すると「売買における契約内容について説明したいので、会って話がしたい」と言う。ということで、8月末、実家で会った。
 その不動産屋の社長さんは若かった。40歳前後と見えた。「紹介したいお客さんがいますが、その前に媒介する際の取り決めをしたい」と言い、『一般媒介契約書』というのを見せ、「一般媒介は専属媒介とは違い、売り手が他所の不動産屋を通しても、個人で直接取引しても構わないものです・・・」などと説明し、私にサインを求めた。
 契約書はA4用紙2枚だが、別紙に契約に関する約款が同じくA4用紙で2枚あり、1条から18条まで不動産屋と売り手(私)との約束事がいろいろ書かれてあった。
 「サインは、この約款を詳しく読んでからでいいですか?」と訊き、媒介契約書に関わる用紙を全て預かって、その場は引き取ってもらった。
     

  『一般媒介契約書』の約款を読むと、売り手にメリットは無いように思えた。友人や別の不動産屋に相談した。その不動産屋が言うには、「専属媒介はもちろん、一般媒介契約も業者のためのものです。自分が進めている売買を無視して、売り手が勝手に他所と売買するのを制約するものです。一般といっても売り手には他所と売買する際は契約した不動産屋に報告する義務が生じます。売買契約は概ね、なかなか売れない不動産の場合には売り手にメリットはありますが、こちらみたいに人気のある土地の場合は不要です。売り手にメリットはほとんどありません」とのことであった。で、サインはしなかった。
 相談した不動産屋の社長さんは年齢70台、この道40年のベテラン。『一般媒介契約書』にサインを求めた不動産屋の社長さんは若く、開業してまだ数年。若さは、売買取引を請け負う際は契約書にサインを求めるという教科書通りのことをしただけのこと。悪いことをしたわけではない。ベテランは、個々に要不要を判断し、客(この場合は売り手である私)に敢えて不利になるようなことはしないということであろう。

 例えば、明日からバーゲンに入り、服が半額になる洋品店で、「この服ください」と客が言った時、「お客様、この服は明日になれば半額になります」と教えてくれる店であれば、その店は大いに信頼を得るはずである。「この服ください」と言った客は喜び、その店の得意客となり、また、口コミで評判は彼女の友人知人に伝わるであろう。
 若い不動産屋の社長さんは売り手に不満を抱かせないという点では信頼度が落ちる。ベテランの社長さんはその点、信頼できる。もっとも、そのベテランの社長さんは前述した海千山千の一人、MZさん。海千山千はそつがないという特徴もあるようだ。

 5、お人好しの対策

 海千山千とは「せちがらい世の中の裏も表も知っていて、老獪な人」(広辞苑)のことだが、語源は「海に千年山に千年住んだ蛇は竜になるという言い伝えから」とある。竜であれば悪い意味では無いと思われるが、しかし、老獪は「長い間世俗の経験を積んで狡猾なこと。世故にたけて悪賢いこと」(〃)で、悪い意味を持つ。
 私としては、不動産屋社長のMGさんやMZさんのことを狡猾とか悪賢いなどと思ってはいない。ただ、「せちがらい世の中の裏も表も知っていて」、「長い間世俗の経験を積んで」起業し、長く社長業を続けているのだろう。商売人として利益になるように本音と建前を上手く使い分け、世間を渡ってきているのだろうと思う。彼らに私は悪意を感じないし、嫌な奴などとは思わない。なので、その後も付き合っている。
  私の言う海千山千はつまり、「長い間世俗の経験を積んで、世の中の裏も表も知っていて、本音と建前を上手く使い分ける人」となる。それを踏まえて、海千山千たちの本音と建前の使い分けに振り回されて、それによって損したり、嫌な気分を味わったりしないように、お人好しの私は気を付けなければならないわけだ。
     

 お人好しの対策は簡単なものだ。海千山千たちの言うことに「何か怪しい」と感じたら先ず、急がない。チャンスかもしれないが、チャンスを逃してもいいから慌てない。自分で良く考え、そして、親戚友人知人たちに相談する。それだけのこと。
 お人好しは親戚友人知人たちに助けられて世の中を何とか渡っている。だから、身近な親戚友人知人たちは大事にしなければならない、と結論した。

 記:2013.9.7 島乃ガジ丸 →ガジ丸の生活目次

ジャンル:
ウェブログ
この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 新米農夫の試練と対策 | トップ | 続畑小屋の野望 »

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 30日以上前の記事に対するトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。