ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

カンパチを容れず

2010年12月03日 | 沖縄04行事祭り・生活風習・言葉

 確か、喜納昌吉の「ハイサイおじさん」の中に、「ミミジカンパチ タイワンハギ」という歌詞があった。タイワンハギという言葉は子供の頃からよく聞いている。植物にタイワンハギという萩の仲間があるが、それでは無く、魚にタイワンハギというカワハギの仲間がいるわけでもない。漢字で書くと台湾禿。別称タイワンボージ、漢字では台湾坊主。台湾坊主は方言では無く、辞書にも載っているれっきとした日本語。広辞苑によると、禿頭病という病気の俗称ということ。禿頭病は、詳しくは知らないが、まだらに禿げた頭のことをタイワンハギと呼んだ覚えがある。

 よくある自然現象で、ウチナーグチ(沖縄口)にあって日本語に無い言葉がある。例えばウチアミ、漢字で内雨。雨が建物の内部に、主に窓から降り込んでくることを言う。
 「母ちゃん、雨が降っているよー」
 「そうねぇ、ウチアミするから窓閉めてねー」などと使う。
 カタブイというウチナーグチも日本語に無い。漢字では片降り。空の一部に雨雲があって、地上の一部にだけ雨が降っている状態のことを云う。天気雨とか狐の嫁入りという言葉が日本語にあるが、それとは現象がちょっと違うようだ。カタブイはスコールのように降る。雨の境がはっきりしている。
 「ハイサイおじさん」の「ミミジカンパチ」のカンパチ、人間の体に現れるよくある現象なのだが、不思議なことに、これも日本語に無い。頭に切り傷をこさえ、傷の部分が一時的に、あるいは永久に毛が抜けてしまう。その禿げた部分のことをカンパチという。
 単に禿げのことはハギー、またはハガーと云う。私の勤めている職場の部長はまだ三十代という若さだが、吹けばフワフワ飛んで行きそうな細い髪が、1センチ平方当り4、5本しかない頭部を所持している。朧月を演出する薄い雲のような状態にある彼の髪の毛は、雨粒の一滴が頭頂部に落ちると、それを一瞬も留めておくことができない。雨粒の一滴はすぐさま顔面を伝う。それはまったく、間髪を容れぬ、のだ。
 ちなみに、「ミミジカンパチ」のミミジは、おそらくミミズのこと。ミミズのような細長いカンパチといった意味であろう。
     

 記:ガジ丸 2004.10.22 →沖縄の生活目次

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