ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

アリモドキゾウムシ

2011年10月14日 | 動物:昆虫-甲虫目

 私の天敵

 8月からの引っ越し作業(10月11日現在まだ続いている)、実家をゲストハウスにするための整理片付け掃除、与那国八重山の旅、沖縄伝統文化の鑑賞いくつか、ある民謡歌手の調査のためのヤンバル(沖縄島中北部の通称)訪問、映画鑑賞1本、などに多くの時間を費やし、畑仕事がおろそかになっている。畑仕事らしいことをやったのは除草作業その他に2日、シマラッキョウの植付けに2日、それぞれ3時間程度だけ。
 7月に予定していた甘藷の植付けをまだやっていない。そもそも、植付けの前に芋掘りをしなければならないのだが、今畑に植えられてある甘藷で植付けからの期間が最も短いものでも八ヶ月は経っている。そんなに放っておくから虫にも食われる。

 「6~7月に植えて、10~11月に掘り取ると虫食いも少ない」と叔父から助言を貰っていた。「長く放っておくと虫も増える」とも叔父は言っていた。確かに、私の浅い経験からも、長く放っておくほど虫食い芋は増えると感じていた。
  虫食い芋は不味くて臭くて食えない。今のままだと、大地と太陽と雨の恵みは私の生活のためでは無く、虫たちのためにあるようなものだ。何てこった!だ。
 私の畑で恵まれている虫の代表の一つがアリモドキゾウムシ。甘藷にはホウズキカメムシも夥しい数が取りついているが、それらは主に葉を食害する。しかし、アリモドキゾウムシは芋そのものを食害する。甘藷は私の主食となるもので、私の生活、命そのものがかかっている。奴らは、お前が死ぬか俺が死ぬかの不倶戴天の敵と言えよう。

 
 アリモドキゾウムシ(擬蟻象虫):甲虫目の昆虫
 ミツギリゾウムシ科 世界の熱帯亜熱帯地方に分布 方言名:サシムシ、イリムシャ
 名前の由来は「体形はややアリに似る」と広辞苑にあって、その通り”やや”アリに似ているところから付けられたものと思われる。
 イモゾウムシと並んで甘藷(サツマイモ)の害虫として知られる。幼虫が芋や茎を食害する。イモゾウムシ同様、本種に食害された甘藷はとても臭く、食べても苦く食用にならなくなる。本種がいるということで、沖縄の芋は他府県へ持って行くことができないでいる。甘藷の他、ノアサガオ、エンサイ、グンバイヒルガオなどにも寄生する。
 体長は5~7ミリで、3~4ミリのイモゾウムシに比べると大きく、また、地味な色模様のイモゾウムシに比べ一部赤褐色の黒光りする本種は割と見つけやすい。
 沖縄では明治時代からすでにイモの害虫として知られていたとのこと。

 記:2011.10.8 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行