ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

実が生る前に

2005年12月16日 | ガジ丸通信-社会・生活

 親しい友人である三段腹E子は、教育ママというわけではないが、それでも、息子が“できる”高校に入り、一流の大学へ進み、収入の良い仕事につき、いい生活を送って欲しいとは願っているようで、先日、
 「息子が今、塾に通っているんだけど、全然勉強していないのよ。言っても聞かないし、言わなくてもやらないし、どうしたらいい?」と訊く。
 その息子とは私もよく話をする。加減乗除ができる。本を読むことができる。少々難しい私の話でも理解しようとする。ある課題を与えると、自分で判断し、答えを見つけることができる。それで十分、と私は思う。
 「ちゃんと考えることができる子だ。放っておけば」と私はE子に助言する。
 子供には生来の才能がある。才能は玉石混交であり、子供の生来持っている性質によって、その枝葉は長短さまざまに、あちこち無茶苦茶に伸びようとする。非人間的に、あるいは反社会的に伸びようとする歪んだ枝があれば、親はそれだけを摘み取ればいい。躾とはそういうことなのだと思う。頭ごなしに親の価値観を押し付けることは、子供の持つ多くの才能を殺してしまうことになる。実が生る前に子供を潰してはいけない。

 教育基本法の改正がどうのこうのと言われているようだが、子供の生き方を型に嵌めることは、親でさえいかがなものかと思う私は、国民の生き方を型に嵌めるような教育基本法であっては、断じてならないと考えている。教育のもっとも重要な役割は、子供に考える力を与えること、考える力が身に付くよう訓練することだと思っている。
 考える力の中で、私が特に大事にしたいのは想像する力である。子供たちにはたくさんの、いろいろな種類のことを想像できる力を持って欲しい。木星の衛星エウロパに生命がいるのかどうか想像して欲しい。銀河のどこかに、自分と同じような人間がいて、自分と同じように小学校へ通い、友達とサッカーをしているかもしれないと想像して欲しい。
 子供たちが大人になったら、もっと身近なことも想像して欲しい。政府が考えている法律が施行されたとしたら、どういう世の中になるのかと想像して欲しい。このまま地球温暖化が進めば、将来の地球環境はどうなるかを想像して欲しい。
 さらに身近に、家族や友達、周りに生きている多くの人々、そして自分のことも想像して欲しい。もしも大人のあなたが、子供の首を絞めたとしたら、1分後にはどうなるか、5分後にはどうなるか、などという目先のことだけで無く、この子供が大人になったらどんな夢を実現しているかなどを想像し、殺人者となった自分の明日がどうなるかも想像して欲しい。あらゆることを想像して、そして、首にかけようとした手を引っ込めて欲しい。
 子供に親の価値観を押し付けて、型に嵌めるようなことは、子供の持つ多くの才能を殺してしまうことになる。それは、実が生る前に子供を潰してしまうことになる。そしてもちろん、実が生る前にその命を奪うなんてことは論外なのである。

 記:2005.12.16 ガジ丸

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